庭園の国の召喚師

すみ 小桜(sumitan)

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第4章 姿を現した魔術師

第28話

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 少女達が見つかり、和んでいる時だった!
 突然、バン! っと、森の方から大きな音が聞こえ全員が振り向くと、森は勢いよく燃え上がっていた!
 そしてその上空には、薄緑のローブを着て、深々とフードを被った魔術師が浮かんでいる!

 「ナディア! ネリー! 馬車の中へ入るんだ!」

 ウリッセは、二人に叫んだ! 言われた通りナディアとネリーは、慌てて馬車の中に避難した。
 それと同時にダミアンは、森へ向かう。消火活動の為だ。
 ウリッセは、馬車と森を見ている。
 リーフは、ウリッセが森に行くべきか迷っていると思った。

 「僕が森へ……」
 「リーフと言ったか。君は結界は?」
 「出来ますけど……」
 「では、子供達を頼む!」

 リーフが頷くと、ウリッセはオルソに言う。

 「私が出ます!」

 ウリッセは、消火活動をするか、ナディア達を守るか悩んでいた訳ではなかった。ナディア達の安全を確保出来れば、魔術師に向かおうと思っていたのだ。

 「いや、ウリッセさんは、子供達を……」

 オルソが言うもウリッセは、首を横に振った。

 「彼に任せた」
 「では君は、森の消火活動を! 俺が行く!」

 そう言ったのは驚く事にヘリムだった!
 そして、フランクの手を振りほどくと、魔術師に向かって行く!

 「ちょっと待て!」

 フランクは慌てるも空中に行かれては、どうしようもない。

 「どうします? 見ていますか?」
 「我々が言ったら彼も戦いづらいだろう。ひとまずは、ここで待機だ」

 アージェの問いにオルソはそう返す。

 「では私は、ダミアンさんだけでは大変でしょうし、彼の言う通り消火活動に回ります。子供達をお願いします」

 オルソ達が頷くと、ウリッセはダミアンの元に向かう。
 リーフは、ヘリムの行動に驚いていた。
 逃がすつもりなのか? でも逃げるならもう逃げていたはず。
 戻って来た目的は?
 ヘリムがあの魔術師に向かっていたのは作戦?

 (一体どうなっているのかわからない……)

 リーフは、一人考え込んでいた。

 「あの魔術師の目的は何でしょう? どうしてここに、現れたのでしょうか?」

 アージェの質問にも誰も答える事が出来なかった。
 宙に浮いたが二人は、睨み合っている。
 っと突然、体はヘリムに向けたまま魔術師は、森へまた火を放った!

 「な! いい加減にしろよ!」

 そう言いながらヘリムは、その火の玉に向けて、森でやったように水の玉を放し包み込む。
 魔術師は、その隙を突き、今度は地上にいるリーフ達に向け、風の刃を放った!
 オルソ達三人は、慌てて剣を抜き構えた!
 そしてリーフも馬車の周りに結界を張った!

 「ナディア! ネリー!」

 森からウリッセの声が響く!
 風の刃が襲い掛かると、辺りは砂埃が舞い何も見えなくなった!

 「何をす……」

 ヘリムが、地上から魔術師に目線を戻すと、目の前に魔術師がいた!
 そして魔術師は、ヘリムに向かっても風の刃を放つ!
 流石にこの距離だとやばいと、ヘリムは咄嗟に結界を張るもその威力に吹き飛ばされた!

 ウリッセは、オルソ達の元へ駆けつけ、砂埃を風で吹き飛ばす。
 馬車の周りは、リーフの結界で守られて無事だったが、三人は吹き飛ばされて砂を被り倒れていた!

 「アージェさん!」

 驚いてリーフは、彼に駆け寄る。

 「オルソさん! しっかりしてください!」

 ウリッセがオルソを軽く揺さぶると、彼は目を開けた。

 「よかった……」

 オルソは、よろっと体を起こし片膝をつく。

 「え! 危ない!」

 リーフがふと空中を見ると、ヘリムを吹き飛ばした魔術師が、こっちに向かって来ていた!
 リーフの叫び声が聞こえたのか、アージェも目を覚ます。

 「……な、なんです?」

 アージェは、顔を上げ強張る。
 急接近してくる魔術師に四人が身構えるも、まだ倒れたままのフランクに狙いを定めた様で、彼に真っ直ぐと向かって行く!

 (どういう事!? 狙いってフランクさん?!)

 前回襲われた時もフランクがいた。
 しかも彼は、怪我を負ったのだ! 次は殺されるかもしれない!
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