庭園の国の召喚師

すみ 小桜(sumitan)

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第7章 開けてはいけない扉

第55話

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 そして、エミールを召喚してから五年の月日が経った。
 エミールを召喚した事を忘れそうな程、エミールからは音沙汰もなく、安堵し始めていた。
 ただ何をしてるかは、気になっていた。
 そんな時、またダミアンがオルソと王都を出ると聞いた。

 「実は今日、オルソの孫を迎えに行ってくる」
 「は? 孫ですか? アージェですか?」
 「いや。別の者だ」

 フランクは、ダミアンが言っている意味がわからなかった。オルソにアージェ以外の孫がいるとは聞いた事がない。オルソの子供は一人娘で、魔術師になりその子供もアージェ一人。

 「まあ、何と言うか。昔付き合っていた彼女がコッソリと生み落としていた息子がいてな。その子供だ」
 「はぁ? 隠し子ですか!」

 驚きの事実だった!
 オルソとは、ダミアンと幼馴染の事もあって、仲良くしてもらっていた。とてもそんな事をするようには、見えなかった。

 「勘違いするなよ? チェチーリアさんに子供が死ぬから会いに来てほしいと言われるまで、知らなかったのだ。そしてその時に、孫の存在も知った」
 「チェチーリアさんですか……? で、何故いきなりそんな凄い話を私に話して聞かせるんです?」

 きっと二人の秘密の話だろうと察しはついた。
 だがそれを自分に話す意味がわからない。愚痴でもなく、相談でもなく、突然の暴露。

 「その子は、これから王都に連れて来て、儀式を行う予定だ。そうなれば、オルソの家族に知れるだろう。それはオルソもわかっている。だから連れて来たら、アージェに紹介するそうだ」
 「儀式ですか……? では十歳なのですか?」
 「あぁ。そうだ。いや、私が言いたいのは、アージェのケアを頼みたいと思ってな。突然外から孫が現れたら、流石のアージェもな……」

 アージェは、実年齢よりずっとしっかりしていた。それに、オルソを慕っていた。かなり衝撃を受ける事だろう。
 先にフランクに伝えたのは、もし万が一噂で聞いてよりは、ちゃんとした事実を知って、アージェを支えてほしかったからだ。

 「わかりました。私に出来る事はします。で、父さんは、大丈夫なんですか? たぶんそれ、陛下もご存知ない事では、ないんですか?」
 「大丈夫だ。今オルソが、陛下にお伝えしている所だ。まあ彼もひと悶着あったからな。それよりお前は、いつまで独身でいるつもりだ? もう29だろうに……。ことごとく断るから、私の立場も……」
 「あぁ! ほら早く行った方がいいんじゃないですか!」

 フランクは、慌てて話を変える。
 あれから五年、陛下から見合いの話があったもののフランクは全て断っていた。結婚など出来るはずもなかった。
 魔獣がもし何か起こせば、家族にも迷惑がかかる。そう思うと、新たな家族を作る事など出来ない。
 そんな事は知らないダミアンは、断る度にぐちぐち言っていた。なので研究が好きなんだと、いつも言い訳をしていたのだ。
 そして、フランクが恐れていた事が、これから次々と起こる事になったのだった――。
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