呪縛の聖騎士、戻るために『女』として奮闘す?!

結城里音

文字の大きさ
12 / 27

第12話 同伴選びと舌戦。時々、手合わせ。その弐

しおりを挟む
 簡易的な手合わせにもかかわらず、急遽開かれた闘技場での対戦は、地域住人も巻き込んで賑わいをみせ、仕舞いには闘技場周辺に屋台までできる始末。簡易的なものだったものの、さながらお祭り騒ぎの様相を呈する。
 しまいには、主人公でもあるラントがラウンドガールのような、案内までする始末で当初の目的からどんどんかけ離れていく。

『......オレ。メンバーを決めるつもりなんだけど...』
『なんで、会場案内してるんだ?』
『たしかに、セリアとグリエリ...』
『セントリアとドラクシオンの大会みたいに見えるけど...』
『単純に力比べをしてるだけなんだよなぁ...』

 賑わってしまった闘技場をそのままにしては、聖騎士としても収拾を付けなければいけない。管理が行き届かない催し物ほど、見るに堪えないものもない...
 コロッセオの中央では、本番前の簡単な手合わせを披露すれば、会場に詰めかけた市民からの割れんばかりの大歓声が上がる。ひとつまえで決着したエリスとイレイナスが手合わせをすれば、本番を見れなかった観客も大いに盛り上がる。

「ほんとうに魔術師か? エリス......」
「イレイナス様こそ、手を脱いていたんですか?」

 魔法杖をまるで剣のように使い、鍔迫り合いをするエリスの戦い方もおかしいものの、魔力のこもった鉄扇《てっせん》。魔扇《ません》を繰り出してやり合うという。もはや見知っている鍔迫り合いとはまったく違っていた。
 そのことが、むしろ集まった市民にとっては目新しく、それでいて国同士の争いではないこともあり、平和な余興へと変わっていた。エリスとイレイナスのふたりも、歓声の中で力比べをすることに胸を躍らせていた。

『やべぇ、フィナ姉が人間好きな理由が分かる...』
『祭り好きだし、アタシが魔族だろうと関係なく応援する』
『そういや、フィナ姉が一番最初に和平調停を持ち出したよなぁ...』
『いまなら、納得できるぜ!』

 数年前、魔族側の疲弊もあったものの和平《わへい》を持ち出した長女のセレフィナ・ヴァルドレイ。国内を二分《にぶん》するような事態に陥ったうえ、彼女が人間好きなことが知られると、その権威を引きずり降ろそうと画策するものすら現れた。
 しかし、それらも承知の上で、セレフィナは和平を提示してみせる。冷静に分析し双方の国力が衰退して、共倒れの可能性すら見えていたこと。さらには、魔族と人間それぞれの優位性すら提示してみせた。

『......あんときのフィナ姉。何を言ってるんだと思ったが』
『ここまで見てきて分かった。人間には魔族が必要だ...』
『マナで動く街灯はもちろん、このコロッセオもだ...』
『さっきから、アタシが全力出してるってのに、ビクともしねぇ防御魔法...』
『......むしろ、この技術が欲しいくらいだ!』

 イレイナスと鍔迫り合いをしながらも、魔族の王女でありながらも物腰が柔らかく、親友のようにも感じ取れる。生まれた場所が違うだけで、こんなにも違うのかと思い知らされてしまう。
 かつては冒険者として皇国入りしたエリスが、聖騎士に抜擢されたのもラントにその可能性を見出されたことが全ての始まりで、出会ったばかりは緊張しっぱなしだった。それでも、聖騎士としての全てを教えてくれた。

『ラントさんが分け隔てなく接するのは、こういうことだったんですね...』
『......イレイナス様も、グリエリ様も』
『王族という肩書で見てしまいますが...』
「......ひとりの女の子なんですね」

 思わず込み上げた感情が口をついてでてしまうエリス。鍔迫り合いをしながらも余裕を見せるふたりは、何度目かで通じ合うような気持ちに包まれる。飛ぶように舞うイレイナスの攻撃を受け止めるエリスは、体格の差などまったく気にせず振る舞う。
 鍔迫り合いを長く続けたことで、互いの技量を推し量り、組手《くみて》をするかのように、通じ合っていく。観客の歓声もふたりの背中を押し、会場を盛り上げていた。

「......嬉しいぜ。アタシをひとりの女の子として見てくれる...」
「そんな強いやつに出会えて...」
「人間の国に来てみるもんだな」

 手合わせに胸を躍らせ、おおよそ杖と鉄扇が擦れ合う音とはまったくことなる、キンキンとした金属音を奏でながらも、鍔迫り合いを続ける。その様子は娯楽に飢えた市民にとっての、恰好な娯楽なうえに刺激的な内容でもあった。

「それは、私もです。イレイナス様」
「こうして相対できるのですから...」
「そうだな。あんたもこっち側だ。愉しんでいるようで何よりだ」
「私は、戦い好きではないですけど...ねっ!」

 きぃぃんっ!とおおよそ杖が発するような音とはまったく違う響と共に、イレイナスの体がステージの反対側へと飛ぶ。しかし、観客席を守る防御結界が、その弾性を発揮するように受け止める。

「くっ!」
『やっぱ、すげぇぇ!!』
『相当飛ばされたのに、痛くねぇ...』
『なんだ、この防御結界...』
『ずいぶん、たのしいもん作ってんじゃねぇか...』

 今度はイレイナスが防御結界を踏み台にして、エリスに攻撃を繰り出した。ほぼ飛ぶようにして繰り出されたそれを、器用にいなせば反対側でもう一度踏み込むとエリスへと戻ってくる。
 それも、エリスが弾けば、いよいよ佳境へと入ってくる。キンキンと目にも止まらぬ速さで鍔迫り合いが続く。観客の歓声も相まって、お祭りのテンションもピークを迎える。そして、爆発のような破裂音とともに、今回もどうやら引き分けのようだった。

「ふっ...」
「あはは...」
「やっぱりたのしぃぃぃっ!!」

 エリスの杖がイレイナスの首を、そしてその反対も同じような場所で止まれば、ケラケラと楽しげに笑い始める。それらをまち、どっと歓声が溢れていく...

「おぉぉぉぉぉぉ!!」
「すげぇぇぇぇ!!」
「どっちもいいぞ~!!」

 そんな歓声を浴びながらも、観客に頭を下げるエリスに手を振るイレイナス。そんなふたりが観客誘導をしているラントに気づくと、軽快な笑みと共に手を振る。

「ラントさん...」
「終わったぞ。早く次の試合しようぜ!」
『まったく......』

 観客の誘導をおえた所で、歓声に引き寄せられるようにして見ていたこともあり、胸がほっこりと温まる。

『......ほんと、何気に似たもの同士なのかも......』

 優しく手を振れば、二回戦となるセリアとグリエリの対決の準備が始まっていく。


◇◇◇


 まがりなりにもかつての闘技場。
 捕らえた魔物を半端に飼いならして、剣闘士と戦わせる過つての忌まわしき痕跡が石壁や床のそこかしこに残るものの、それらはもはや装飾で入口も丁寧に設えられている。もはや歴史遺産の様相を呈するほどだった。
 そのうちのひとつに興味津々ではいる魔族の第4王女のグリエリは、むしろ目を輝かせていた。

「人間の国にもあるんだ。こういうところ...」
「これ、グリフィンかなぁ、あっ! ドワーフのもある。かわいい!!」

 多少なりとも防音などが行き届いてはいるものの、換気口などを通じてセリアのもとへと届くもので...

「ドワーフ。あぁ、小人族のね...」
「この国にもいるわよ? 商人街の奥地に...」

 対戦のために集中しながらも、グリエリの疑問に返していくセリア。すると、通気口が拡声器かのように軽快な声が部屋に響き渡る、

「ほんとうに?! 会いたい!」

“びくっ!!”

『こ、声が大きい...うるさい...』
「まったく...これから、ラントと旅に出るんでしょ?」
「なら、旅先で出会えるでしょうに...」

 すると、壁の向こうから換気口を通じて軽快な声が帰ってくる。

「そうだね! セリアも一緒にいこう!」

 純朴でまっすぐな言葉に、呆れて言葉もでなかった。それでも、ラントのことを子供の頃から知っていることもあり、どこか落ち着いていた。

「もぅ、グリエリ。今、対戦してどっちが行くか決めるつもりなのよ?」
「それなのに、一緒にって...」

 すると、やはり気にしていたのか、シュンとおとなしくなってしまう様子が、通気口を通じて伝わってくる。

「そ、そうだよね。どちらかは行けないのに...」

 そんな悲しげな声を聞いているうちに、対戦の準備が整っていき光が差し込む窓の方から呼ぶ声が聞こえる。その声に合わせるようにして、ひとつの入口から一緒にでていくセリアとグリエリ。その道中、なにげない会話が続く...
 その横顔は、普段よりも縮こまっているようにも見えた。

「...セリアさん」
「もぅ、なんて顔をしてるの? あなたは楽しみなさいよ」
「でも、私は...楽しいのが好き。だから...」

 魔族は争うことが好き。そう思っていたセリアだったものの、こうして隣で眺めていると、その考えも変わってくる...

『ほんと、ラントの言うことは...』
『普通の女の子なのね。ただ、強くてそれしか知らないだけ...』

 そっと優しく頭を撫でてあげれば、つややかな髪に隠れるように魔族の特徴でもある小さい角を感じ取れる。撫でられて戸惑うグリエリは、首を傾げながら見上げる......

「セリア...さん?」
「......気にしなくていいわ。私達は楽しみましょ」
「ラントのことだから...大丈夫よ...」
「......セリアさん。はいっ!」

 歓声に出迎えられるようにして、闘技場の中心へと向かっていく。割れんばかりの声がふたりを出迎える中で、軽くハイタッチをすると反対側へとむかう。そして、セリアとグリエリの対戦がラントの言葉と共にはじまる。

「......それでは、聖騎士団セリア・ヴァンテールと、グリエリ・ヴァルドレイ...」
「双方の対戦を始めます! 開始!!」

 先程のエリスの防衛優先のものとは異なり、身軽な体を活かしてグリエリへと攻撃を繰り出す。地面を蹴るように低い体勢で飛び出したセリアの攻撃を、グリエリ自身もしっかりと防いで見せる。

“きぃぃぃぃん!!”

 空気を震わせるような鍔迫り合いと共に、グリエリの杖。魔杖《まじょう》もエリス同様に専用の素材で作られているようだった。普段は亜空間に保管しているようで、ゆっくりと全容が露わになる。
 そんな杖の半分だけ現れた状態で、セリアの攻撃を防いでみせた。

「さすが王女様ね...」
「セリアさんも言ってたので...」
「えっ?」
「楽しもうって...」

 セリアが発した言葉を楽しげに返してくるのに胸を躍らせながら、笑みをこぼすと、続けざまにマナがグリエリの右手へと収束する。

「...そうね。グリエリ」
「えぇ、行きますよ! ストーム・バレッド」
「......ふっ!!」

 片側で攻撃を防ぎながらも、もう片方から魔法を放つ。同時にセリアの体が吹き飛び、ステージの反対側へと着地する。しかし、その体には攻撃をその身で受けたようには見えなかった。
 うっすらと煙が晴れるのに合わせて、攻撃を受けたその場所がうっすらとマナを帯びて光を放っていた。

「ふふっ、さすが。セリアさん...」
『あの短時間で局所魔法を展開して防いだんですね...』
『これだから、セリアさんは強くて、かっこいい......♪』

 にまっと楽しげな笑みを見せる顔には、対戦前のふさぎ込みかけた表情はもうなかった。
 その若く、余りある魔力を使い、ストーム・バレットを乱発する。それこそ、ひとりで複数人の魔術師を召喚しているかのように、グリエリの背後には複数の魔法陣が浮かび上がり、そこからセリアに向けて集弾して打ち出される。おおよそ並の団員であれば蜂の巣になるほどでも...

“しゅんっ!!”

「ふふっ。セリアさんなら避けると思ってました...」
「あら、そう? それじゃ、これはどうかしらっ!!」

 そう言うと、剣戟《けんげき》にマナを乗せ、振り抜いた動きに合わせて魔法を放つ。弾幕の合間を抜けるその攻撃を、ヒョイッと交わすものの、グリエリの背後にあった魔法陣がひとつ破壊されて集弾性能と弾幕が落ちていく。
 その間も、距離を取りながら踊るようにして舞い踊りながら、逆さになっては放ち、魔法陣を消していく。

「さすがセリアさん...」
『前の時は、城壁に穴を開けるくらいだったんだけど...』
『全部交わしてる。しかも、ここの防御結界。すごい硬い...』
『もしかして、これ。ラントさんの?』

 イレイナスと共に先陣を切ることの多いグリエリ。前線の兵士をなぎ倒しているうちにグリエリの砲撃が戦線を撫でる。それだけでも戦線は瓦解する。そんな攻撃を受け流しながらも、その魔法陣を破壊しているのだから、相当な腕前だった。
 それだけでも驚きだったものの、攻城兵器としての魔法が着弾しようと関係ないとばかりに、防御結界がしっかりと建物を守り続けている。

『まったく、最大の防衛にしててよかった...』
『王女の本気だからなぁ..』
『更地にされても困る...』
『それに、今は。観客もいるし。守るものはあるからな...』

 エリスとイレイナスの時も同じで、基本的な都市防衛は魔族国からの輸入に頼る皇国。しかしそれは、基本的なマナ輝石《きせき》を利用したものだ。そんなマナ輝石《きせき》で王女の全力など耐えられるはずもない。
 そのため、ラントの体を通して循環するような魔法を構築し、防御結界を作り上げていた。つまり......

『セリアとグリエリが魔法を使うほど楽なんだけどね...』
『とりあえず、見守ろうか...』

 セリアとグリエリの対戦は佳境を迎え、消費した魔法陣を再構築し、増強していく。そしてそれをセリアの攻撃が破壊するという繰り返しになるものの、しだいにグリエリの展開が遅くなってしまう。

「ふっ! せいっ!」
『やはり、グリエリは強い。強いけど...』
『まだ、若い......疲れてきてるのね...』
『展開が間に合ってない...』
『そろそろ、落とし所かしら...』

 そういうと、それまでひとつずつ破壊していた魔法陣を、複数破壊し始める。すると、展開のほうが間に合わなくなってしまう。

「えっ! えっ......」
「くっ!」
『展開が......間に合わない』

 ぱんっ、ぱんっと。展開した直後から破壊される音が響いてくる。いくら魔力があったとしても、ここまで壊されてしまうのなら、いくらあっても足りない。

「もう少しで勝てそうなのに...」
『やっぱり、セリアさんは強い......♪』

 発射したストーム・バレットは全て回避され、一方でグリエリの魔法陣は破壊されてしまう。踊るように回避されるセリアの美しい様子に見惚れるほどに、放ち続けるグリエリ。
 そして、最後の決め技となる剣戟《けんげき》が飛んでくる。しかしそれは魔法に依るものではなく、セリア本人が飛んでくる...

「くっ......!!」
『......セリアさん。強すぎです』

 至近距離に近づいたセリアの切っ先を、交わす事なく受けることを決めるグリエリ。しかし、その剣戟《けんげき》は肌に触れる前にスッととまる。だんっ、と着地をする音と共に、剣先を向けられた状態で腰を抜かしてしまった。

「はぁ、はぁぁ。もぅ、なんで最後諦めるのよ...」
「あなたなら防げたでしょうに...」

 どこか悲しげな目でグリエリを眺めながらも、切っ先を向けるのをやめなかったセリア...

「だって、強いのは変わらないじゃないですか」
「セリアさん...ほんと、強い......」

 楽しげな笑みをこぼすのにあわせて、向けていた剣を鞘に納める。

「......もぅ。あなたも十分強いわよ」
「ありがとう、セリアさん...」

 手を差し伸べて座っていたグリエリを立ち上げると、ラントが勝敗を決めにくる。

「いいかな? ふたりとも...」
「えぇ。いいわ。ラント...」
「はい。ラントさん...」
「それじゃ...」
「勝者、セリア・ヴァンテール!」

 そうしてセリアの腕を上げると、会場を埋め尽くしていた観客が歓声を上げる。割れんばかりの称賛に紛れ、グリエリを称賛する声も聞こえた。

「グリエリの譲ちゃんもすごかったよ!」
「そうだ、ぞうだ!!」

 その声に、目を丸くしてしまう。
 魔族にとって負けはひれ伏すもので、それ以外の何物でもない。しかし、この場所なら、負けてもその健闘を称賛してくれる。

「えっ......私、負けたのに......」
「あぁ、グリエリは強かったよ。十分に...」
「こっちは、負けだろうとここまで戦ったんだ。な?」

 優しくグリエリの頭を撫でるラントの手は、ぽっかりと空いた隙間にすっとぬくもりを運んでみせた。
 自然とボロボロと大粒の涙がこぼれてしまった。ラントにすがるようにしてひとしきり泣くのを、優しく寄り添っていたラント。会場を包む市民はもちろんのこと、セリアも称賛するように拍手をすれば、愛らしい笑みがグリエリの顔からこぼれ落ちたのだった。


◇◇◇


 その言葉は衝撃的だった。
 一応の対戦を終え、祭りの終わりを迎えてコロッセオを取り囲んでいた市民たちが、それぞれ日常へと戻っていく。それぞれがだれを連れて行くのかと不安たっぷりだった面々に告げられたのは、衝撃の内容だった。

「ん? みんな連れていくつもりだよ?」

 コロッセオの近くにある料理屋での一言が、一気にこれまでのことを単なるお祭り騒ぎや、力比べに変えてしまった。

「はぁぁ。そんなことだと思ったわよ...」
「ラントさん?! それじゃ、今までのは一体...」
「いや。余興になったから、良いんじゃない?」

 料理屋に居合わせた住人のそこかしこからも、同じような声が飛んでくる。

「なんだ、そんなやり取りだったのか?」
「俺らは、普通に楽しめたから、深いことは考えてなかったけど...」
「そうだったのか...」

 そんな声に首をかしげながらも、その場に集まったセリアとエリス、グリエリにイレイナスに話していく。

「な? そんなもんさ...」
「まぁ、聖騎士団のメンバーも、それなりに腕が立つし...」
「エリスやセリア。オレが残らなくても、良いかな? って......」

 ラントの言葉にすっかり呆れたり、任されると知って気負ってしまったものは、落ち着いたように納得する。

「あはは...さすがラントだ...」
「おぉっ...イレイナス?」

 豪快に笑うイレイナスに驚くラント...
 そして、ラントの肩を抱くようにして、さらに豪快に笑う。

「アタシたちの力比べを、お祭りにするなんてな...」
「本当ですよ...私なんて...」
「ん? グリエリ...?」

 思わず口からでそうな言葉を引っ込めて、頬を染める。その様子に首をかしげるラントだったが...

「......グリエリも色々と考えていたの。ラント...」
「そうなんだね。頼むよ。グリエリ...」

 そっと差し伸べられた手に、そっと手を差し伸べるグリエリ。

「はい。ラントさん!」
「グリエリ...」

 すると、そこに合わせるようにして、イレイナスやセリア。エリスがその手を掴んだのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?

猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」 「え?なんて?」 私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。 彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。 私が聖女であることが、どれほど重要なことか。 聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。 ―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。 前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

​『追放された底辺付与術師、実は【全自動化】のチートスキル持ちでした〜ブラックギルドを追い出されたので、辺境で商会を立ち上げたら勝手に世界規

NagiKurou
ファンタジー
​「お前のような、一日中デスクに座って何もしない無能はクビだ!」 国内最大のギルド『栄光の剣』で、底辺の付与術師として働いていたアルスは、ある日突然、強欲なギルドマスターから追放を言い渡される。 しかし、彼らは知らなかった。ギルドの武器の自動修復、物流の最適化、資金管理に至るまで、すべてアルスの固有スキル【全自動化(ワークフロー構築)】によって完璧にシステム化され、回っていたことを。 「俺がいなくなったら、あの自動化システム、全部止まるけど……まあいいか」 管理権限を解除し、辺境へと旅立ったアルス。彼は自身のスキルを使って、圧倒的な耐久力を誇る銀色の四輪型重装ゴーレムを作り出し、気ままな行商を始める。 一度構築すれば無限に富を生み出す「全自動」のチートスキルで、アルスの商会は瞬く間に世界規模へとスケールしていく! 一方、すべてを失ったギルドは、生産ラインが崩壊し、絶望のどん底へと突き落とされていくのだった……。

S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。 そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。 王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。 しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。 突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。 スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。 王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。 そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。 Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。 スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが―― なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。 スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。 スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。 この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります

追放された検品係、最弱の蛇に正しく聞いたら鉱脈を掘り当てた ~この世界は精霊の使い方を間違えている~

Lihito
ファンタジー
精霊に「やれ」と言えば動く。この世界の全員がそう信じている。 レイドだけが違った。範囲を絞り、条件を決め、段階的に聞く。それだけで最弱の蛇は誰より正確に答える。——誰にも理解されず、追放された。 たどり着いた鉱山町で、国が雇った上位精霊が鉱脈探査に失敗し続けていた。高性能の鷹が毎回違う答えを返す。 原因は鷹じゃない。聞き方だ。 レイドは蛇一体で名乗り出る。

スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~

榊与一
ファンタジー
幼い頃の鑑定によって、覚醒とユニークスキルが約束された少年——王道光(おうどうひかる)。 彼はその日から探索者――シーカーを目指した。 そして遂に訪れた覚醒の日。 「ユニークスキル【幸運】?聞いた事のないスキルだな?どんな効果だ?」 スキル効果を確認すると、それは幸運ステータスの効果を強化する物だと判明する。 「幸運の強化って……」 幸運ステータスは、シーカーにとって最も微妙と呼ばれているステータスである。 そのため、進んで幸運にステータスポイントを割く者はいなかった。 そんな効果を強化したからと、王道光はあからさまにがっかりする。 だが彼は知らない。 ユニークスキル【幸運】の効果が想像以上である事を。 しかもスキルレベルを上げる事で、更に効果が追加されることを。 これはハズレと思われたユニークスキル【幸運】で、王道光がシーカー界の頂点へと駆け上がる物語。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...