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第13話(2章1話)喧騒の思惑とマリネシアの導き
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賑やかな喧騒と板張りの床材、香る煙と客の話し声は酒場の花でもあった。石造りの壁と魔輝石のランタンは、屋内をゆったりとした明かりで灯す。程よく暗い室内は、外の喧騒を忘れて飲めや歌えの政《まつりごと》に酔いしれるのには、十分な環境だ。
昼過ぎの明るい時間であっても、窓が少ない酒場は夕方のように暗くそれらがむしろ好都合な時もある。特に、身内が王族関係ならなおのこと、目立たないことに限る。それでも、少し前に闘技場を貸し切ってまで大盛り上がりしたこともあり、知られないほうが無理な話だった。
「なぁ、ラント! こんなにもらっちまったよ」
「私もです。食べてくれって...こんなに...」
グリエリとイレイナスが持ち込んだのは、大皿に山のように積まれた料理の数々で、ふたりに渡されたものだった。ラントが体よくお辞儀をしながらも、返事を返すとふたりは早々に舌鼓をうちはじめる。
ラントとセリア、エリスも舌鼓を打ち始める。そして、防具店の一人娘。セリーネも同伴していた。小皿に取り分けた料理を口に運びながらも、今後の予定が気になっていく。
「ねぇ、ラント」
「ん?」
「みんなを連れて行くのは分かったけど、計画はあるの?」
料理に舌鼓をうちながらも、セリアが話し始める。
グリエリやイレイナスが来たことで、全てがうやむやになり始めているラント。もちろん忘れている訳ではないものの、いつの間にか後手に回ってしまう。おまけに、グリエリやイレイナスという、魔族国王女まで来てしまえば、それどころではなくなる。
「ラント。忘れてないでしょうね? あなた。もともと“男”なのよ?」
セリアの口ぶりに、食事をしていたグリエリとイレイナスまでもが反応を示す。
「殿方だったんですか?」
「...改めて聞くと、不思議だな...女体化魔法、あったか? うーん」
「そうですよ...」
そういうと、椅子から立ちラントを品定めするようにして、じっくりと顔や服。さらには、体の膨らみや腰の細さなどを吟味するように眺めていく。しまいには手触りや感触まで確かめ、さながら商人のように触れ始める。
セリーネが見繕ってくれた装備を身に着けていたり、共通の親でもあるイザベルの店から見繕ったもので着飾られているものの、女物《おんなもの》を着ているため男の痕跡があるはずもない。
「うーん。女だな...」
「そうですよ......ね? 男だったなんて...」
「今はな? “元《もと》”な...」
「しっかり、胸もあるしな!」
「そうです、パットでも仕込んでいるわけでも無いですし...」
「だからぁ、女だよ...」
椅子に座っていようと関係なく、後ろから手を回して確認するイレイナス。ペタペタとラントに触れてその感触を確かめる。パッとやそういった類ではなく、正真正銘の“女の体”。触らずとも分かるはず、とは思うほどにじっくりと吟味する。
まるで、入国時の身体検査でも受けているかのように、上から下までペタペタと触れながら確認する。さながら、女装してるのではと考えているのが、伝わってくるほどだった。しかし、魔法で反転していることもあり、そんなことなどまったくない。ただ...
『......あ、あれぇ? イレイナスに触れられてるんだけどなぁ...』
『......オレ。大丈夫か? 男に戻っても......』
『不安しかないんだが......』
一抹の不安を残しながらも、個室に集まった面々がそれぞれパーティーのような状態になりながらも、これからの行き先を考えることに......。
「で? どうするのよ、ラント」
「北に行けばイラスだし、その先にドラクシオンだし...」
「南に行けばマリネシアがあるわよ?」
「うーん」
正直なところ、早く男に戻りたい。と、そんな気持ちもあった。ただ、ここまで大所帯になってしまっては、目的を果たすためとはいえすぐに解決。とまでは行きそうにはないことが、容易に想像できてしまう。そんな中で、イレイナスが声を上げる......
「マリネシアだと?」
やまほどあった食事を終え、くつろいでいたイレイナスが飛び起きるように、椅子から立ち上がる。
「姉様?」
「グリエリ。知ってるか? マリネシアは...天敵だ」
「もしかして、水魔法...?」
「いや...」
「......姉様?」
なにやら、窮地に陥ったかのように神妙《しんみょう》な顔をするが、すぐに口元が緩む。
「......胃袋から掴んでくるから......」
「......姉様」
「......じゅるり」
さきほど、あれほど食べたにも関わらず、早々に涎をたらす。その様子は第3王女の風格などどこへやら、ひとりの食いしん坊の王女。そのままだった。呆れたグリエリと同じように、ラントの脳裏でも思い当たる節しかなかった。
『まぁ、グリエリを追ってくるくらいだからなぁ...』
『というか、向こうの姉妹は、皆、肉食系か?』
あれこれと考えを巡らせているうちに、イレイナスとグリエリが横から顔を出す。
「ラント! マリネシアに行くぞ!」
「そうです。行きましょう! マリネシアに!」
「お、お前ら...」
いくら、食いしん坊キャラとはいえ、王女ふたり。その容姿は確かなもので、整った凛々しい顔と愛らしい顔がラントを熱のこもった眼差しでながめる。しかしその実、その表情からは、別の意味が伝わってくるようだった。
『......お前ら。ただ食いたいからだろ? 全く......』
頭を抱えながらも、ラントの脳裏では大まかな予定ができあがっていく。
◇◇◇
それぞれの隣国は、基本。地方資源で成り立っている。
魔族国ドラクシオンは、その名の通りに魔力に関しては強く、魔輝石もドラクシオン産が多い、ただ前回の戦《いくさ》によりその多くを消費してしまっていることもあり、立て直し中だ。その次に産出国になるのがイラスでもあった。
そちらは主要産物ではあるものの、主に技術立国でもあり魔術都市とも呼べ、魔法を学ぶならこの都市に行く必要があるほどだ。位置関係としては、ドラクシオンが魔術都市イラスを抱えているような位置関係になっていた。
「で、ラント。マリネシアに行くとしても、あてはあるの?」
「それなんだが...はっきりいうと、無い」
「......無いの?!」
「あぁ、全く...」
「......もぅ、どうするのよ。ふたりは行く気満々よ?」
長いテーブルを囲みながらも、大きく仕切られた店内で数席並べられ、あちこちで賑やかな光景が広がる。旅人や商人、冒険者に賢者など。貿易の中心路のセントリアらしく、出自《しゅつじ》関係なくざっくばらんな話題で盛り上がっている。
唯一なのが、ドラクシオン出身がイレイナスとグリエリというだけで、魔族国からの入国者はそもそも皆無だった。つまり、どれだけふたりが稀有な存在になのかが分かるものの、もはやその稀有な眼差しすら薄れていた。
「ねえちゃん。本当に第3王女さまかよ?」
「ホントだぜ? 闘技場で見ただろ?」
「見たけどよ。ほんとにつえぇんだな!」
「だろっ! 人間にも話が通じるやつがいるじゃねぇか!」
ゲラゲラと楽しげに酒を酌み交わしながらも、武勇伝を聞かせるイレイナスとまた別のテーブルでは、グリエリの愛らしい姿に魅了された女性冒険者が取り囲んでいた。
「グリエリさまぁぁ! 本当にお可愛い」
「あ、ありがと...」
「素敵な髪、綺麗な手。こんな手で魔法を繰り出してたなんて...」
「そ、そう?」
褒められ慣れていない様子がヒシヒシと伝わるほどに、楽しげに盛り上がっているグリエリとイレイナス。
「聞いてる? ラント...」
「ふたりのことが心配なのは分かるけど...」
「あのふたりはもう大丈夫よ。こんなに打ち解けてるもの」
あれこれとラントに説明していたセリアだったが、グリエリたちが気になってしまったこともあり、ほぼ上の空だった。それも、セリアにとってはいつものこと、すべてを理解しなくても熟《こな》せてしまう。それがラントだった。
「まぁ、この術《じゅつ》もいずれ解決する...」
「それに、今のふたりを見てたらなぁ」
楽しげに食べたり飲んだりしている様子を眺めれば、かつて敵として戦ったとしても、こうして席を共にできるのだからと優しい気持ちに包まれる。セントリアの臣民は、柔和な性格を持ち合わせていることが多い。
そのため、少しくらい男に戻るのが遅れたといって、まったくないと言えば嘘になるものの、差し支えなかった。ただ、男としてどうなのかと疑問は残るものの、それも些末な問題だった。
「......良いんじゃないかな? セリア...」
「私もそう思います。聖騎士をされてたラントさんの休暇だと思えば...」
グリエリとイレイナスの様子を眺めながらも、ラントの話にあわせるセリーナ。
『それに、ラントさんの為に防具が作れますし......♪』
本心が思わず口からでそうになるものの、ぐっと堪え...
「それに、ラントさんなら、道中の山賊も平気ですよ!」
「......あぁ、やっぱりいるんだ」
「そうよラント、ね? セリーナちゃん...」
「はい! 皇国は安全ですが...」
「一歩出れば、人気《ひとけ》のないところはたくさんですし...」
確かに、城壁警護の兵士からはそんな話を耳にしていた。山賊に追いかけられて、なんとか城壁までたどり着いた。なんていう話もある。
「まぁ、なんとかなるでしょ...」
そんな話しをしていると、ひょっこりとグリエリやイレイナスが顔を出す。
「ん? 近寄らせねぇよ? アタシが目をつけたラントだ...」
「取られるもんか!」
「あぁ、最初に目をつけたのは私ですから、姉様...」
「あん? 元はと言えば、親父だろ...グリエリ...」
「そうですけど、最初に会ったのは私ですっ!」
「はぁぁ? それだってお前じゃねぇだろ...まったく...」
「むぅっ!!」
口喧嘩と痴話喧嘩が混ざったようなややこしい状況に、頭を抱えながらも呆れるしかなかった。
「まったく、お前らは......」
「あはは...」
そんな話をしているうち、不意に思い出す魔族医師のこと...
「あ! そういえば、エリオンさんとメリッサさんは?」
「いま、どうしてるんだ?」
「あぁ、そう言えば、調査に行ったっきりですね...」
「......私も、そのおふたりは知りませんね...」
エリオンとメリッサ。
彼らは、ラントが女体化したその場に立ち会った人物でもあり、一番詳しい相手でもある。症状に対して助言を与えてくれたこともあり、信頼を置いていた。しかし、グリエリやイレイナスが来てからというもの、すっかり姿が見えなくなった。
すると、先程まで言い争っていた2人が、ひょっこりと顔をのぞかせてラントに口添えをする。
「あぁ、それなら......」
「姉様...」
突っかかってくるグリエリの頭を抑えながらも、更に話しを続けるイレイナス。
「......アンタの術式を研究させてる。だいぶ古代のやつらしいしな」
「そうなんだ...」
『やはり......』
ラントが女体化した時にも出た、古代の人種。“エルフェシア人”は全く知らないことで、聞いただけで体に不調をきたすほどだった。なにか関連しているのは間違いなかったものの、体をいたわるほうが先だった。
『やはり、エルフェシア......』
「んんぅっ!」
未だに思い出そうとすれば頭痛が起こるほどに、ラントに関係していることは確かだった。
「大丈夫? ラント...」
「大丈夫ですか? ラントさん...」
「おうおう、無理すんなよ」
「そ、そうですよ。というか、姉様。いつまで抑えてるんですかっ!」
「っと!」
グリエリとイレイナスが軽くやり合う程度には、店内は広く。軽く仕切られてこそいるものの、フロア続きの一角は闘技場ほどではないにしても盛り上がりを見せる。ひとがひとを呼ぶように、姉妹同士の口論や舌戦が盛り上がっていた。
「......まったく、あいつらは......」
「本当です...」
「あはは、おふたりとも、賑やかですね」
「まったくだ......」
賑やかな歓声に紛れ、ひとりの冒険者がラントに声をかける。
凛々しい面立ちと、長く垂れ下がるポニーテール。金色の髪は麦の収穫期を思わせるように輝いている。
「......聖騎士のラント様とお見受けしますが」
うやうやしく伺いを立てるその姿は、育ちの良さを感じさせ、ただ者ではないオーラを保っていた。それでも、全く敵意がない。むしろ空気のようにそこにいるのが当たり前のように佇んでいた。
「何物! ラントに何のよう?」
「おっと、私は戦うために来たわけでは...」
その不意に現れた姿に、セリアは警戒してラントと相手の間にはいるものの、ラントはそれを止める。
「まぁまぁ。セリア」
「......ラント」
『敵意はないみたいだから...』
「助かります。ラント様、わたくしはアリアナ」
「アリアナ・マーレです、以後。お見知りおきを...」
「あぁ、よろしく。で、オレに何かよう?」
「はい...」
マリネシア出身の冒険者と名乗ったアリアナは、多少なりとも助力ができるかと申し出たようで、それまで空気のように静かにしていたエリスが、ひょっこり顔を出す。
「怪しい魔法使いですね...」
たしかに、ローブを着ているとはいえ、魔術師に関して見ればたしかに怪しいとも言える。
「しかしなぁ...」
『敵意がないからなぁ...』
『それに、決めつけるのもだめだ...』
ズカズカと近づきながらも、アリアナと名乗る少女の周りをぐるぐるとめぐる。そんなエリスの首根っこを捕まえる。
「あうっ! ラント...何を......離してくださいよ......」
「エリス。まずは話をだな...」
「わかりましたから...もぅっ...」
ラントにたしなめられたこともあり、後ろに引っ込むエリス。
「すまない。話の腰を折らせてしまったな...」
「いいえ。ラント様がこれからマリネシアに向かわれるとのことで...」
「地理や情報と共に、一緒に向かえればと......」
「なるほど...しかしなぁ......」
ラントの旅路には、すでに5人が同行する事になっている。そこにさらに増えれば6人の大所帯になってしまう。すると、それだけでも移動に時間がかかり、行程を要してしまう。
「なんだ? 人が増えるのか?」
「あぁ、こちらのアリアナさんも同行したいと...」
「......はい、申し訳ありませんが、マリネシアのご案内もできればと...」
「ふーん。それじゃ、呼ぶ?」
「呼ぶってなにを......」
「アンバー」
一様に聞き慣れない名前だったものの、すぐにその答えが出る。
「アンバー?」
「ラントが話してただろ? あいつだよ。アンバー」
「あいつ......? って、まさか!」
「あぁ、グリフィンだ!」
「ぐ、グリフィン?!」
その名前を聞いただけでも、飛び上がるほどに驚くアリアナ。それもそのはず、マリネシアにとってグリフィンは災害級の魔物だ、おいそれと連れて歩こうものなら、入国時に迎撃されてもおかしくない。
「まずいだろ? ねぇ? アリアナさん...」
「うんうんっ! それだけは、ご勘弁を...」
「なんだぁ、6人くらい余裕で飛ばせるのに......」
『飛ばすなよ...』
「あはは......」
苦笑いをしながらも、波風を立てないようにその場を繕うアリアナ。
「それならば、ご安心ください。馬車を借りられるので!」
「あぁ、たしかにそれなら......」
「はい、安心してマリネシアまで!」
道中を馬車に乗ることになり、不服そうに腰に手を当てるイレイナス。その様子に呆れながらながめるグリエリ......。
「ちぇ、馬車かよ...。足遅いんだよなぁ...」
「姉様、早く行くだけが目的じゃないですよ」
「だってよ、早く行って美味しいもの食いたいじゃん!」
「そうですが、落ち着いてくださいね? 姉様」
「んぅっ......」
不服そうな表情をしながらも、納得した様子で言い分を引っ込める。その間も、イレイナスやグリエリ、セリアやセリーナ。そしてエリスと話すアリアナの様子を眺めながらも、ラントの目には何か不思議な違和感を持っていた。
『まぁ、旅人だからなぁ。色々あるんだろう...』
『......男の格好をしてるなんて』
ぼんやりとアリアナの仕草を見る度に、男の姿をしていてもどうしても女の仕草が手に取るように分かる。それでも、堂々としている様は生半可な男よりも男をしているように見える。
『男装の麗人《だんそうのれいじん》とはこのことか』
『たしかに、凛々しい......』
立派な男物の布地はピシッと折り目がつき、育ちの良さを感じさせる。髪も手入れが行き届き、身だしなみが徹底されていることが伝わってくるほどだ。それにあわせ、今までの所作が並の旅人ではない仕草が出ていた。
『......こりゃ、厄介なことになるのかぁ? ならないでほしいが...』
『あの所作は、なぁ。どう見ても...』
『ま、本人が言わないなら、何か理由があるんだろう』
『隠しているのを暴いても、得をしないからなぁ...』
『ま、いずれ語ってくれるだろう...』
「うんうん」
うなずくラントの様子を眺めながらも、無事にラントのパーティーにはいることになるアリアナ。
◇◇◇
『......ラント様は気が付かれているようですね』
『私が“メイド”だと言うことを......』
『ラント様には、隠し事はできませんね......』
潜入から護衛、メイドに暗殺業などそのスキルは多岐にわたる。そのうちの一つが、今回のラントに追従するという仕事だった。ラントと合流する前、マリネシアの王城に呼ばれたアリアナは、第4王女マリーナからの連絡をもらっていた。
『いい? アリアナ。しっかりとラント様を連れてくるのよ?』
『はい! マリーナ様』
『私だけではないわ、お姉さま方もラント様を向かえる準備ができてます』
『しっかり頼みますわよ?』
『はい! マリーナ様!』
酒場で楽しげに話しながらも、ラントをしっかりと招くための準備が始まる。といってもそこまで荷物は多いわけでもなかったこともあり、思いの外すぐに支度が済む事になった。
旅の仲間が増え6人の大所帯になったラントたちご一行は、一路街道を南進しながらも、海洋国家マリネシアへと向かう事になる。グリフィンにも乗れず、遅い馬車にのるのが億劫な表情をしながらも、渋々ついてくるグリエリトとイレイナスの2人だった。
昼過ぎの明るい時間であっても、窓が少ない酒場は夕方のように暗くそれらがむしろ好都合な時もある。特に、身内が王族関係ならなおのこと、目立たないことに限る。それでも、少し前に闘技場を貸し切ってまで大盛り上がりしたこともあり、知られないほうが無理な話だった。
「なぁ、ラント! こんなにもらっちまったよ」
「私もです。食べてくれって...こんなに...」
グリエリとイレイナスが持ち込んだのは、大皿に山のように積まれた料理の数々で、ふたりに渡されたものだった。ラントが体よくお辞儀をしながらも、返事を返すとふたりは早々に舌鼓をうちはじめる。
ラントとセリア、エリスも舌鼓を打ち始める。そして、防具店の一人娘。セリーネも同伴していた。小皿に取り分けた料理を口に運びながらも、今後の予定が気になっていく。
「ねぇ、ラント」
「ん?」
「みんなを連れて行くのは分かったけど、計画はあるの?」
料理に舌鼓をうちながらも、セリアが話し始める。
グリエリやイレイナスが来たことで、全てがうやむやになり始めているラント。もちろん忘れている訳ではないものの、いつの間にか後手に回ってしまう。おまけに、グリエリやイレイナスという、魔族国王女まで来てしまえば、それどころではなくなる。
「ラント。忘れてないでしょうね? あなた。もともと“男”なのよ?」
セリアの口ぶりに、食事をしていたグリエリとイレイナスまでもが反応を示す。
「殿方だったんですか?」
「...改めて聞くと、不思議だな...女体化魔法、あったか? うーん」
「そうですよ...」
そういうと、椅子から立ちラントを品定めするようにして、じっくりと顔や服。さらには、体の膨らみや腰の細さなどを吟味するように眺めていく。しまいには手触りや感触まで確かめ、さながら商人のように触れ始める。
セリーネが見繕ってくれた装備を身に着けていたり、共通の親でもあるイザベルの店から見繕ったもので着飾られているものの、女物《おんなもの》を着ているため男の痕跡があるはずもない。
「うーん。女だな...」
「そうですよ......ね? 男だったなんて...」
「今はな? “元《もと》”な...」
「しっかり、胸もあるしな!」
「そうです、パットでも仕込んでいるわけでも無いですし...」
「だからぁ、女だよ...」
椅子に座っていようと関係なく、後ろから手を回して確認するイレイナス。ペタペタとラントに触れてその感触を確かめる。パッとやそういった類ではなく、正真正銘の“女の体”。触らずとも分かるはず、とは思うほどにじっくりと吟味する。
まるで、入国時の身体検査でも受けているかのように、上から下までペタペタと触れながら確認する。さながら、女装してるのではと考えているのが、伝わってくるほどだった。しかし、魔法で反転していることもあり、そんなことなどまったくない。ただ...
『......あ、あれぇ? イレイナスに触れられてるんだけどなぁ...』
『......オレ。大丈夫か? 男に戻っても......』
『不安しかないんだが......』
一抹の不安を残しながらも、個室に集まった面々がそれぞれパーティーのような状態になりながらも、これからの行き先を考えることに......。
「で? どうするのよ、ラント」
「北に行けばイラスだし、その先にドラクシオンだし...」
「南に行けばマリネシアがあるわよ?」
「うーん」
正直なところ、早く男に戻りたい。と、そんな気持ちもあった。ただ、ここまで大所帯になってしまっては、目的を果たすためとはいえすぐに解決。とまでは行きそうにはないことが、容易に想像できてしまう。そんな中で、イレイナスが声を上げる......
「マリネシアだと?」
やまほどあった食事を終え、くつろいでいたイレイナスが飛び起きるように、椅子から立ち上がる。
「姉様?」
「グリエリ。知ってるか? マリネシアは...天敵だ」
「もしかして、水魔法...?」
「いや...」
「......姉様?」
なにやら、窮地に陥ったかのように神妙《しんみょう》な顔をするが、すぐに口元が緩む。
「......胃袋から掴んでくるから......」
「......姉様」
「......じゅるり」
さきほど、あれほど食べたにも関わらず、早々に涎をたらす。その様子は第3王女の風格などどこへやら、ひとりの食いしん坊の王女。そのままだった。呆れたグリエリと同じように、ラントの脳裏でも思い当たる節しかなかった。
『まぁ、グリエリを追ってくるくらいだからなぁ...』
『というか、向こうの姉妹は、皆、肉食系か?』
あれこれと考えを巡らせているうちに、イレイナスとグリエリが横から顔を出す。
「ラント! マリネシアに行くぞ!」
「そうです。行きましょう! マリネシアに!」
「お、お前ら...」
いくら、食いしん坊キャラとはいえ、王女ふたり。その容姿は確かなもので、整った凛々しい顔と愛らしい顔がラントを熱のこもった眼差しでながめる。しかしその実、その表情からは、別の意味が伝わってくるようだった。
『......お前ら。ただ食いたいからだろ? 全く......』
頭を抱えながらも、ラントの脳裏では大まかな予定ができあがっていく。
◇◇◇
それぞれの隣国は、基本。地方資源で成り立っている。
魔族国ドラクシオンは、その名の通りに魔力に関しては強く、魔輝石もドラクシオン産が多い、ただ前回の戦《いくさ》によりその多くを消費してしまっていることもあり、立て直し中だ。その次に産出国になるのがイラスでもあった。
そちらは主要産物ではあるものの、主に技術立国でもあり魔術都市とも呼べ、魔法を学ぶならこの都市に行く必要があるほどだ。位置関係としては、ドラクシオンが魔術都市イラスを抱えているような位置関係になっていた。
「で、ラント。マリネシアに行くとしても、あてはあるの?」
「それなんだが...はっきりいうと、無い」
「......無いの?!」
「あぁ、全く...」
「......もぅ、どうするのよ。ふたりは行く気満々よ?」
長いテーブルを囲みながらも、大きく仕切られた店内で数席並べられ、あちこちで賑やかな光景が広がる。旅人や商人、冒険者に賢者など。貿易の中心路のセントリアらしく、出自《しゅつじ》関係なくざっくばらんな話題で盛り上がっている。
唯一なのが、ドラクシオン出身がイレイナスとグリエリというだけで、魔族国からの入国者はそもそも皆無だった。つまり、どれだけふたりが稀有な存在になのかが分かるものの、もはやその稀有な眼差しすら薄れていた。
「ねえちゃん。本当に第3王女さまかよ?」
「ホントだぜ? 闘技場で見ただろ?」
「見たけどよ。ほんとにつえぇんだな!」
「だろっ! 人間にも話が通じるやつがいるじゃねぇか!」
ゲラゲラと楽しげに酒を酌み交わしながらも、武勇伝を聞かせるイレイナスとまた別のテーブルでは、グリエリの愛らしい姿に魅了された女性冒険者が取り囲んでいた。
「グリエリさまぁぁ! 本当にお可愛い」
「あ、ありがと...」
「素敵な髪、綺麗な手。こんな手で魔法を繰り出してたなんて...」
「そ、そう?」
褒められ慣れていない様子がヒシヒシと伝わるほどに、楽しげに盛り上がっているグリエリとイレイナス。
「聞いてる? ラント...」
「ふたりのことが心配なのは分かるけど...」
「あのふたりはもう大丈夫よ。こんなに打ち解けてるもの」
あれこれとラントに説明していたセリアだったが、グリエリたちが気になってしまったこともあり、ほぼ上の空だった。それも、セリアにとってはいつものこと、すべてを理解しなくても熟《こな》せてしまう。それがラントだった。
「まぁ、この術《じゅつ》もいずれ解決する...」
「それに、今のふたりを見てたらなぁ」
楽しげに食べたり飲んだりしている様子を眺めれば、かつて敵として戦ったとしても、こうして席を共にできるのだからと優しい気持ちに包まれる。セントリアの臣民は、柔和な性格を持ち合わせていることが多い。
そのため、少しくらい男に戻るのが遅れたといって、まったくないと言えば嘘になるものの、差し支えなかった。ただ、男としてどうなのかと疑問は残るものの、それも些末な問題だった。
「......良いんじゃないかな? セリア...」
「私もそう思います。聖騎士をされてたラントさんの休暇だと思えば...」
グリエリとイレイナスの様子を眺めながらも、ラントの話にあわせるセリーナ。
『それに、ラントさんの為に防具が作れますし......♪』
本心が思わず口からでそうになるものの、ぐっと堪え...
「それに、ラントさんなら、道中の山賊も平気ですよ!」
「......あぁ、やっぱりいるんだ」
「そうよラント、ね? セリーナちゃん...」
「はい! 皇国は安全ですが...」
「一歩出れば、人気《ひとけ》のないところはたくさんですし...」
確かに、城壁警護の兵士からはそんな話を耳にしていた。山賊に追いかけられて、なんとか城壁までたどり着いた。なんていう話もある。
「まぁ、なんとかなるでしょ...」
そんな話しをしていると、ひょっこりとグリエリやイレイナスが顔を出す。
「ん? 近寄らせねぇよ? アタシが目をつけたラントだ...」
「取られるもんか!」
「あぁ、最初に目をつけたのは私ですから、姉様...」
「あん? 元はと言えば、親父だろ...グリエリ...」
「そうですけど、最初に会ったのは私ですっ!」
「はぁぁ? それだってお前じゃねぇだろ...まったく...」
「むぅっ!!」
口喧嘩と痴話喧嘩が混ざったようなややこしい状況に、頭を抱えながらも呆れるしかなかった。
「まったく、お前らは......」
「あはは...」
そんな話をしているうち、不意に思い出す魔族医師のこと...
「あ! そういえば、エリオンさんとメリッサさんは?」
「いま、どうしてるんだ?」
「あぁ、そう言えば、調査に行ったっきりですね...」
「......私も、そのおふたりは知りませんね...」
エリオンとメリッサ。
彼らは、ラントが女体化したその場に立ち会った人物でもあり、一番詳しい相手でもある。症状に対して助言を与えてくれたこともあり、信頼を置いていた。しかし、グリエリやイレイナスが来てからというもの、すっかり姿が見えなくなった。
すると、先程まで言い争っていた2人が、ひょっこりと顔をのぞかせてラントに口添えをする。
「あぁ、それなら......」
「姉様...」
突っかかってくるグリエリの頭を抑えながらも、更に話しを続けるイレイナス。
「......アンタの術式を研究させてる。だいぶ古代のやつらしいしな」
「そうなんだ...」
『やはり......』
ラントが女体化した時にも出た、古代の人種。“エルフェシア人”は全く知らないことで、聞いただけで体に不調をきたすほどだった。なにか関連しているのは間違いなかったものの、体をいたわるほうが先だった。
『やはり、エルフェシア......』
「んんぅっ!」
未だに思い出そうとすれば頭痛が起こるほどに、ラントに関係していることは確かだった。
「大丈夫? ラント...」
「大丈夫ですか? ラントさん...」
「おうおう、無理すんなよ」
「そ、そうですよ。というか、姉様。いつまで抑えてるんですかっ!」
「っと!」
グリエリとイレイナスが軽くやり合う程度には、店内は広く。軽く仕切られてこそいるものの、フロア続きの一角は闘技場ほどではないにしても盛り上がりを見せる。ひとがひとを呼ぶように、姉妹同士の口論や舌戦が盛り上がっていた。
「......まったく、あいつらは......」
「本当です...」
「あはは、おふたりとも、賑やかですね」
「まったくだ......」
賑やかな歓声に紛れ、ひとりの冒険者がラントに声をかける。
凛々しい面立ちと、長く垂れ下がるポニーテール。金色の髪は麦の収穫期を思わせるように輝いている。
「......聖騎士のラント様とお見受けしますが」
うやうやしく伺いを立てるその姿は、育ちの良さを感じさせ、ただ者ではないオーラを保っていた。それでも、全く敵意がない。むしろ空気のようにそこにいるのが当たり前のように佇んでいた。
「何物! ラントに何のよう?」
「おっと、私は戦うために来たわけでは...」
その不意に現れた姿に、セリアは警戒してラントと相手の間にはいるものの、ラントはそれを止める。
「まぁまぁ。セリア」
「......ラント」
『敵意はないみたいだから...』
「助かります。ラント様、わたくしはアリアナ」
「アリアナ・マーレです、以後。お見知りおきを...」
「あぁ、よろしく。で、オレに何かよう?」
「はい...」
マリネシア出身の冒険者と名乗ったアリアナは、多少なりとも助力ができるかと申し出たようで、それまで空気のように静かにしていたエリスが、ひょっこり顔を出す。
「怪しい魔法使いですね...」
たしかに、ローブを着ているとはいえ、魔術師に関して見ればたしかに怪しいとも言える。
「しかしなぁ...」
『敵意がないからなぁ...』
『それに、決めつけるのもだめだ...』
ズカズカと近づきながらも、アリアナと名乗る少女の周りをぐるぐるとめぐる。そんなエリスの首根っこを捕まえる。
「あうっ! ラント...何を......離してくださいよ......」
「エリス。まずは話をだな...」
「わかりましたから...もぅっ...」
ラントにたしなめられたこともあり、後ろに引っ込むエリス。
「すまない。話の腰を折らせてしまったな...」
「いいえ。ラント様がこれからマリネシアに向かわれるとのことで...」
「地理や情報と共に、一緒に向かえればと......」
「なるほど...しかしなぁ......」
ラントの旅路には、すでに5人が同行する事になっている。そこにさらに増えれば6人の大所帯になってしまう。すると、それだけでも移動に時間がかかり、行程を要してしまう。
「なんだ? 人が増えるのか?」
「あぁ、こちらのアリアナさんも同行したいと...」
「......はい、申し訳ありませんが、マリネシアのご案内もできればと...」
「ふーん。それじゃ、呼ぶ?」
「呼ぶってなにを......」
「アンバー」
一様に聞き慣れない名前だったものの、すぐにその答えが出る。
「アンバー?」
「ラントが話してただろ? あいつだよ。アンバー」
「あいつ......? って、まさか!」
「あぁ、グリフィンだ!」
「ぐ、グリフィン?!」
その名前を聞いただけでも、飛び上がるほどに驚くアリアナ。それもそのはず、マリネシアにとってグリフィンは災害級の魔物だ、おいそれと連れて歩こうものなら、入国時に迎撃されてもおかしくない。
「まずいだろ? ねぇ? アリアナさん...」
「うんうんっ! それだけは、ご勘弁を...」
「なんだぁ、6人くらい余裕で飛ばせるのに......」
『飛ばすなよ...』
「あはは......」
苦笑いをしながらも、波風を立てないようにその場を繕うアリアナ。
「それならば、ご安心ください。馬車を借りられるので!」
「あぁ、たしかにそれなら......」
「はい、安心してマリネシアまで!」
道中を馬車に乗ることになり、不服そうに腰に手を当てるイレイナス。その様子に呆れながらながめるグリエリ......。
「ちぇ、馬車かよ...。足遅いんだよなぁ...」
「姉様、早く行くだけが目的じゃないですよ」
「だってよ、早く行って美味しいもの食いたいじゃん!」
「そうですが、落ち着いてくださいね? 姉様」
「んぅっ......」
不服そうな表情をしながらも、納得した様子で言い分を引っ込める。その間も、イレイナスやグリエリ、セリアやセリーナ。そしてエリスと話すアリアナの様子を眺めながらも、ラントの目には何か不思議な違和感を持っていた。
『まぁ、旅人だからなぁ。色々あるんだろう...』
『......男の格好をしてるなんて』
ぼんやりとアリアナの仕草を見る度に、男の姿をしていてもどうしても女の仕草が手に取るように分かる。それでも、堂々としている様は生半可な男よりも男をしているように見える。
『男装の麗人《だんそうのれいじん》とはこのことか』
『たしかに、凛々しい......』
立派な男物の布地はピシッと折り目がつき、育ちの良さを感じさせる。髪も手入れが行き届き、身だしなみが徹底されていることが伝わってくるほどだ。それにあわせ、今までの所作が並の旅人ではない仕草が出ていた。
『......こりゃ、厄介なことになるのかぁ? ならないでほしいが...』
『あの所作は、なぁ。どう見ても...』
『ま、本人が言わないなら、何か理由があるんだろう』
『隠しているのを暴いても、得をしないからなぁ...』
『ま、いずれ語ってくれるだろう...』
「うんうん」
うなずくラントの様子を眺めながらも、無事にラントのパーティーにはいることになるアリアナ。
◇◇◇
『......ラント様は気が付かれているようですね』
『私が“メイド”だと言うことを......』
『ラント様には、隠し事はできませんね......』
潜入から護衛、メイドに暗殺業などそのスキルは多岐にわたる。そのうちの一つが、今回のラントに追従するという仕事だった。ラントと合流する前、マリネシアの王城に呼ばれたアリアナは、第4王女マリーナからの連絡をもらっていた。
『いい? アリアナ。しっかりとラント様を連れてくるのよ?』
『はい! マリーナ様』
『私だけではないわ、お姉さま方もラント様を向かえる準備ができてます』
『しっかり頼みますわよ?』
『はい! マリーナ様!』
酒場で楽しげに話しながらも、ラントをしっかりと招くための準備が始まる。といってもそこまで荷物は多いわけでもなかったこともあり、思いの外すぐに支度が済む事になった。
旅の仲間が増え6人の大所帯になったラントたちご一行は、一路街道を南進しながらも、海洋国家マリネシアへと向かう事になる。グリフィンにも乗れず、遅い馬車にのるのが億劫な表情をしながらも、渋々ついてくるグリエリトとイレイナスの2人だった。
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