異世界島流しの罪名は、世界樹の枝を折ったから!? ~一難さってまた一難な僕っ娘冒険記~

矢筈

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四章 二つ目の国

朝の一幕

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「メルタは風呂好きの割りにはサウナは苦手なのな」
 
 朝、宿屋でお風呂を借りてかえってきた僕にアランが声をかけてくる。
 彼はまだ寝起きらしい。髪の毛がとさかみたいになったままだ。 
 
「サウナは混浴なのがねぇ……それとも何? 僕と一緒にサウナいきたかった?」
「いや、まぁそれは……ただ気になっただけだっての」   
 
 アランと僕だけならまぁまだいいかなーって思うけど、他の人も入ってくるからね。
 そこを思いきれるほど、まだそういう文化にはまだ慣れていないのだ。
 ちなみにリーナはまだ爆睡中だ。完全に布団を跳ねのけてお腹出てるけど大丈夫だろうか。
 そっと布団を戻しながら僕も自分のベッドに座る。
 
「アランはこれからサウナ?」
「おう、昨日あのまま寝たからな。リーナはどうするかしんねぇけど、全員そろってから飯でいいよな」
「うん、そのつもりだよ」
 
 アランはそのままふらふらと部屋を出ていった。
 彼が帰ってくるまで暇になってしまう。さて、何をするべきか。
 と考えたところで隣のベッドで上下するリーナのばいーんが目に入る。
 軽く指でつついてみると、程よい弾力で押し返してくる。
 
「ふむふむ」
 
 掌を使ってぐいぐい押してみれば、中々に心地よい感触だ。
 なるほど、これは男の人が夢中になるのもわからなくはない。
 
「……メルタはなんなのです?」
 
 あ、起きてた。
 
「いやぁ、アランもいないし暇だし。自分にないものがどんなものか気になったからね」
「寝てる間に触るのはマナー違反なのです。せめて起きている時にしてほしいのです」
 
 わずかに唸りながら体を起こすリーナ。どうやら気持ちよく寝ていたところを起こしてしまったらしい。
 ちょっと悪いことをしたかもと思う。
 そう思いながらも彼女の胸元あたりを見てしまう自分がいるのは確かだった。そして自分のそれを見下ろす。体積にして何倍差なんだろうか。
 
「それよりリーナはお風呂かサウナいくの?」
「今日はお風呂にいってくるのです」 
 
 髪の毛を手櫛で整えながら手早く準備を整えるリーナ。
 前世で聞いた覚えがあるんだけど、あれは、浮くんだろうか……
 僕は試してみたくなってリーナを呼び止めることにした。 
 
「ちょいと待った!」
「待つです。何か用ですか?」
 
 不思議そうな顔をしながらこちらを振り向くリーナ。
 うっすら汗ばんだ額といい感じだ。実にグッドである。
 そして僕は立ち上がると、彼女の胸をおもむろに下から持ち上げた。
 
「なんなのです!?」
「重い……」
 
 かくも重量差があるものとは……敗北感に打ちひしがれてベッドの座り込む。 
 
「だからメルタはもっと食べれば良いのです」
 
 それだけいってリーナは立ち去ってしまう。確かに僕はどっちかというとつまようじボディだけど、女の子に言われるとなんか釈然としないものがあるよね。いや、でもないわけじゃないからつまようじじゃなくて……何に例えたらいいんだろうか。
 そんなことを考えているうちに、アランとリーナが帰ってきたので僕らは一緒に朝食をとることにした。
 今日のメニューはパンケーキのようなものだ。甘いシロップがかけられていてとても美味しい。
 この世界の甘味はないわけじゃないが、そこそこに貴重なだけに今日みたいな日は運が良さそうな気がしてくる。
 ちなみに飲み物も今日は贅沢にコーヒーだ。リーナもアランも砂糖を山盛りにしているのがどこかかわいらしい。
 
「今日は何をしようかね」 
 
 一通り食事を終えた後、食後のお茶を飲みながらアランが言う。
 
「また厄介ごとは勘弁してほしいからね、大人しい仕事を受けたいよ」
「でもそれだとお金が増えないのです」 
 
 そこが問題なんだよねぇ。報酬金額の良い仕事はどうしても危険が伴う。
 それに加えて僕のどこぞの掃除機なみの厄介ごと吸引力を合わせたらどうなることやら。
 実績は証明されちゃってるしね。
 
「俺としては討伐系の仕事を受けたいんだがなぁ」
「まぁそうだよね。採集系は楽だけど実入りが微妙になるし」
「お肉がもらえる仕事が良いのです」
 
 リーナは何をおいてもお肉が好きだからね。その気持ちはわからなくもない。僕だってあまり脂っこくなければお肉は大好きだ。
 結局、話し合いの結果、アランの希望どおりに討伐依頼を受けることになった。
 アランがいうにはセリアドネ程度なら、余裕を持って倒せるし問題ないだろうということだ。
 実績はあるし、あのでっかいウーパールーパーは味もよかったしね。またスキル持ち成体とかに出会わなければ問題ないはずだ。
 仮に出会っても今回は毒対策もしてあるから大丈夫だ。
 
「よし!  じゃあギルドへいこうぜ」 
 
 アランの掛け声と共に僕たちは席を立った。
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