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第2章 人魚姫の涙、因縁の対峙
第23話 絆VS剣砥
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「ぐぼあっ!?」
肺の空気を一気に押し出されたケンちゃんが呻く。
「て、めぇ!」
激高したケンちゃんが拳を振るう。
その手にはバチバチと雷属性魔法による紫電が弾けていて。
「痺れろ! 《サンダー・アーツ》!」
腐っても、ウチのクラス最強の冒険者。
僕には扱えない高レベルの魔法を所有している。
触れれば全身に電気が駆け巡り、気を失うのは必至。
けれど――僕はそれを正面から受け止めた。
「なっ!」
驚愕に目を見開くケンちゃん。
「ば、かな。なんで痺れねぇ……ん、おい。なんだよその鱗うろこは!?」
ケンちゃんは、雷を纏った拳を易々受け止めた僕の手を見て呻く。
僕の手には、びっしりと《龍鱗》が生えていた。
Sランクモンスターの一撃をも防ぎ、“最強種”の攻撃をもいなす鉄壁の防御が炸裂する。
「くっそ! 《ウィンド・ブラスト》!」
すかさず距離を取ったケンちゃんが、風属性魔法ウィンド・ブラストを放つ。
肉薄する突風の砲弾。こちらは《ファイア・ボール》を放って迎え撃つ。
ドンッ!
凄まじい音と共に、炎と風が真っ向から衝突した。
その威力は拮抗――するはずもなく、あっさりと相手の風を飲み込んだ炎が、ケンちゃんに向かって迫る。
「ばかな!」
咄嗟に回避したケンちゃんの横を炎の玉が掠め、後ろの岩を粉々に消し飛ばした。
「ちっ……なんだよこれ。どうなってやがんだよ!? テメェこれまで弱かっただろ! ちくしょう、コケにしやがって! 弱いヤツはただ、俺みてぇな強者にひれ伏してればいいんだよぉおおおおおおお!」
プライドをズタズタにされたのだろう。
ケンちゃんが吠え、その手に再び紫電をまとわせて突っ込んでくる。
「ぉおおおおおおおおおおおっ!」
おそらく、彼が今撃てる全力の一撃。
それでも――僕が借りているスキルには届かない。
再び《龍鱗》にあっさりと阻まれる。それが、ケンちゃんの限界だと示すように。
「なあ、ケンちゃん。少し強いからって調子にのるのは結構だけどさ」
僕は、ケンちゃんの拳を払いのける。
それだけであっさりと体勢を崩されたケンちゃんは、無防備な腹を曝した。
「くっ!」
「世の中には、君なんかよりずっと強い力を持っていて、それでも君なんかよりずっと優しい子がいるんだよ」
僕は、《龍鱗》を纏わせた拳を力一杯握りしめる。
所詮、僕の力は借り物だ。
“最強種”であるシャルの力を借り受け、ただ行使しているに過ぎない。
冒険者としては失格なのだろう。
これは、僕が努力で培った力じゃないのだから。
だから、僕は自分が強いとは思わない。驕ったりもしない。
ただ――それでもこのスキルの強さは、誰よりも深く信用しているし、信頼している。
誰よりも強く生きている優しい少女のことを知っているから、僕は君なんかには負けない。
「だから、ちゃんと反省しろ! 君の行いを!!」
力一杯、拳を振り抜いた。
思い音がケンちゃんの腹に弾ける。
咄嗟に防御のスキルを起動したようだが、それも児戯に等しい。
衝撃波が彼の胴体を突き抜け、身体をくの字に折り曲げたケンちゃんの身体ガ、水平にカッ飛んで行く。
「が、はっ!」
背後の壁に強くたたき付けられ、そのまま半分身体をめり込ませるケンちゃん。
致命傷ではないが、しばらくは動けないだろう。
僕は、ゆっくりと拳を下ろすのだった。
肺の空気を一気に押し出されたケンちゃんが呻く。
「て、めぇ!」
激高したケンちゃんが拳を振るう。
その手にはバチバチと雷属性魔法による紫電が弾けていて。
「痺れろ! 《サンダー・アーツ》!」
腐っても、ウチのクラス最強の冒険者。
僕には扱えない高レベルの魔法を所有している。
触れれば全身に電気が駆け巡り、気を失うのは必至。
けれど――僕はそれを正面から受け止めた。
「なっ!」
驚愕に目を見開くケンちゃん。
「ば、かな。なんで痺れねぇ……ん、おい。なんだよその鱗うろこは!?」
ケンちゃんは、雷を纏った拳を易々受け止めた僕の手を見て呻く。
僕の手には、びっしりと《龍鱗》が生えていた。
Sランクモンスターの一撃をも防ぎ、“最強種”の攻撃をもいなす鉄壁の防御が炸裂する。
「くっそ! 《ウィンド・ブラスト》!」
すかさず距離を取ったケンちゃんが、風属性魔法ウィンド・ブラストを放つ。
肉薄する突風の砲弾。こちらは《ファイア・ボール》を放って迎え撃つ。
ドンッ!
凄まじい音と共に、炎と風が真っ向から衝突した。
その威力は拮抗――するはずもなく、あっさりと相手の風を飲み込んだ炎が、ケンちゃんに向かって迫る。
「ばかな!」
咄嗟に回避したケンちゃんの横を炎の玉が掠め、後ろの岩を粉々に消し飛ばした。
「ちっ……なんだよこれ。どうなってやがんだよ!? テメェこれまで弱かっただろ! ちくしょう、コケにしやがって! 弱いヤツはただ、俺みてぇな強者にひれ伏してればいいんだよぉおおおおおおお!」
プライドをズタズタにされたのだろう。
ケンちゃんが吠え、その手に再び紫電をまとわせて突っ込んでくる。
「ぉおおおおおおおおおおおっ!」
おそらく、彼が今撃てる全力の一撃。
それでも――僕が借りているスキルには届かない。
再び《龍鱗》にあっさりと阻まれる。それが、ケンちゃんの限界だと示すように。
「なあ、ケンちゃん。少し強いからって調子にのるのは結構だけどさ」
僕は、ケンちゃんの拳を払いのける。
それだけであっさりと体勢を崩されたケンちゃんは、無防備な腹を曝した。
「くっ!」
「世の中には、君なんかよりずっと強い力を持っていて、それでも君なんかよりずっと優しい子がいるんだよ」
僕は、《龍鱗》を纏わせた拳を力一杯握りしめる。
所詮、僕の力は借り物だ。
“最強種”であるシャルの力を借り受け、ただ行使しているに過ぎない。
冒険者としては失格なのだろう。
これは、僕が努力で培った力じゃないのだから。
だから、僕は自分が強いとは思わない。驕ったりもしない。
ただ――それでもこのスキルの強さは、誰よりも深く信用しているし、信頼している。
誰よりも強く生きている優しい少女のことを知っているから、僕は君なんかには負けない。
「だから、ちゃんと反省しろ! 君の行いを!!」
力一杯、拳を振り抜いた。
思い音がケンちゃんの腹に弾ける。
咄嗟に防御のスキルを起動したようだが、それも児戯に等しい。
衝撃波が彼の胴体を突き抜け、身体をくの字に折り曲げたケンちゃんの身体ガ、水平にカッ飛んで行く。
「が、はっ!」
背後の壁に強くたたき付けられ、そのまま半分身体をめり込ませるケンちゃん。
致命傷ではないが、しばらくは動けないだろう。
僕は、ゆっくりと拳を下ろすのだった。
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