終焉を迎えそうな世界で、君以外はなんにもいらないんだ

朱月野鈴加

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【十八話】蘭は三人が欲しくて仕方がない

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 そんな物騒なことをアーロンは呟き、三人は蘭にキスをしてから、部屋を出た。

「それにしても、なんでこんなにランはかわいいんだ」
「アーロン兄さんの好み?」
「……好みとはまた違うんだよな」
「私はランを好ましいと思ってますよ」
「トマス兄さんは好きそうな感じ。庇護欲をすごく感じさせるというか」
「そういうイバンはどうなんだ?」
「愛しいって思ってる」
「ほー」
「好き、ではおさまらないかな」
「意外だな」
「そう? おれ一人だったら溺愛しすぎてランを壊しそうなくらい愛しいんだけど」
「三人だからどうにかなってる?」
「……微妙なところですね。一人で三人の相手も相当大変だと思いますけどね」
「それを思うと、ランは意外にも頑強、なのか?」
「そこはたぶん、私が癒しながらだからかと」
「やっぱりそうだったのか」
「そうでないと三人もの男を受け入れ、ずっとあんあん言っていられないですよ、きっと。痛くなって」

 それでも、蘭一人で男三人は大変には変わりない。

「では、寝ますか」

 トマスの合図で、三人はそれぞれの部屋に戻り、短い時間になるが睡眠を取ることになった。

 *

 目が覚めたら思っていた光景と違っていて、蘭は混乱した。
 やっぱりあれは夢だった? と思ったのも束の間。
 見覚えのある場所にいることが分かり、残念に思いながらも、安堵した。
 まだここにいるということは、三人と一緒にいてもいいということで。

「……んっ」

 蘭は三人に抱かれたことを思い出して、気持ち良くなってしまった。
 寝起きとは、時に無防備で恐ろしい。
 無意識に自分の胸に手を当てる。すでに頂が尖っていて、ワンピースが擦れて、気持ちがいい。

「ぁっ、んっ」

 だけど、やはり三人に揉まれたり舐められたり吸われたりされたときの気持ちよさには遠くて、蘭は潤んできた。

「ぁ、ダメ」

 蜜口もジンジンしてきて、ナカも切なく疼く。

「ぁ、ゃ、だ」

 蘭はのろのろとベッドから抜け出して、部屋を出た。
 あの丸いベッドがある部屋には服をきっちり着込んだ三人がいた。

「ラン、おはよう」
「ぁ、アーロン。んっ」
「どうした、そんな泣きそうな顔をして」

 アーロンは蘭に近づくと、キュッと抱きしめてくれた。

「ね、アーロン。ナカが疼くの」
「それで泣きそうな顔をしていたのか」

 アーロンは蘭を抱きしめたまま服を脱いだ。

「我慢したままじゃ朝ごはん、無理だよな」
「アーロンを食べたい」
「ラン、起きてるか?」
「ん、起きてる」
「エロエロなときのランは、なんというか、破壊力がはんぱないな」

 アーロンは蘭を丸いベッドに誘い、座らせた。
 二人を見ていたトマスとイバンも服を脱いで、ベッドにやってきた。

「私たちも朝の生理現象で勃起してますけど、女性もそうなんですかね?」
「さぁ? どうなんだろうな」
「もしかして、おれか?」
「あー。あー、それだな」

 蘭はベッドに座ってもぞもぞとしていたが、目の前にアーロンが立ったのを見て、反射的に剛直をくわえた。

「ぁっ! ランっ、待てっ!」
「んーっ!」

 アーロンは蘭から与えられる刺激をもっと受けたいと思いつつ、必死に抗って口から抜いた。

「アーロン」
「ったく。口には出さない、ナカに出させろ」

 蘭を少し乱暴にベッドに押し倒し、アーロンは蘭の上に覆い被さった。

「悪い子にはお仕置きだ。そのまま挿入れてやる」

 股を大きく開かせると、アーロンは蘭のナカを解すことをせず、一気に埋め込んだ。
 解されなくてもすでに蘭のナカは蜜がしたたるほどあふれていて、問題なくアーロンを飲み込んだ。

「くそっ、気持ち良すぎだろ」

 蘭はようやく訪れた快感に、甘い声をあげ、気持ちよさに涙を流した。

「泣くな」
「アーロンが気持ちいいから」
「俺だってすっげー気持ちいい。朝だし、すぐ出すぞ」
「ぁ、アーロン。ちょうだい」

 もう少し奥を突いてほしいような気もしたが、それよりも今はナカが溶けるほど熱い白濁が欲しい。
 ぐずぐずになっている思考は、とにかく快感を欲しがっていた。

「アーロンの熱いの、奥にいっぱいちょうだい」
「くっそ! ランのお願いの仕方が、反則的にエロい……!」

 アーロンは悪態を吐きながら蘭のナカを乱暴に突き上げ、望まれるがままに奥に叩きつけられた。

「ぁっ、ぁぁぁっ!」

 熱くて気持ちがいい……!
 蘭はそれだけで達して、アーロンをキュッと締め付けた。

「くぅ、まだ締め付けてくるとは」

 一滴も残さず搾り取る勢いの蘭のナカに、アーロンは呻いた。

「トマスっ」
「後ろに控えてます」
「頼んだ」

 アーロンが抜け出ると、それがまた気持ち良くて感じていると、トマスが挿入ってきた。

「ぁっ、トマス」
「あー、これは確かにキツイ」
「トマスもたくさん熱いの、奥にくれるの?」
「ランの望むままに」

 トマスは蘭が好むナカを擦ることを始めた。
 蘭の甘い声と締め付けに、トマスも呻いた。

「ぅっ、これは持ちませんね」

 トマスもいつもより乱暴にナカを擦り、奥に解き放った。

「ぁぁぁ、気持ちいいぃ」
「私もすごく気持ちいいですよ」

 トマスが抜け出て、イバンが挿入ってきた。

「イバンも、熱いの、くれる?」
「そのつもりだ」
「三人の熱いの、すっごく気持ちいいの」
「ぁー、なんでラン、朝からこんなにエロいんだ?」
「特に強制発情してるわけでもなさそうですし」

 アーロンとトマスはすでに服を着ていたが、蘭とイバンが繋がっているベッドに乗り上げてきた。

「ランの望むままにナカに出しましたけど、まだ触ってないところがたくさんありますよね」
「お腹の紋様は触れても大丈夫か?」
「完全に定着したみたいだし、二人の精液を搾取して淡く光ってるから、大丈夫」

 イバンの言葉を受けて、アーロンとトマスは蘭に触れた。

「ぁんっ、そこ、も、触って欲しかった、の」

 トマスの手が蘭の胸に触れ、揉み始めた。
 柔らかな胸がトマスの手のひらの中で形を変えていく。頂をキュッと摘ままれ、舐められ、吸われ、舌で転がされ、気持ちがいい。
 アーロンはお腹に手を伸ばして触れた。

「ぁ、お腹っ、アーロンの手、暖かい」
「滑らかな肌ざわり、気持ちいいな」

 二人の愛撫に、蘭のナカはさらに疼く。

「イバン、ぁっ、ナカ、ぁっ、掻き回すの、気持ち、いっ」
「ランはこうされるの、好きだろう?」
「うん、好きっ!」

 イバンに掻き回され、蘭は甘く啼きながら腰を振った。

「ぁっ、イバン、も。奥に熱いの、ちょうだい?」
「あぁ、いいぜ」

 蘭の望むままに、イバンも奥に白濁を注ぎ込んだ。

「ぁーっ!」

 蘭がイバンのを受けて、ヒクヒクと達している間に、イバンは蘭のお腹に手を当てて、いつもの呪文を唱えた。
 それから抜け出て、イバンもすぐに服を着た。
 蘭も起こされて、ワンピースを着せられた。

「あ……。おはよう、ござい、ます……」
「やはり寝ぼけてたか?」
「きちんと起きてますっ!」
「それであのエロさ?」
「ぁー、ぅー。その、なんていいますか。……その、すみません……」
「謝らなくていいですよ。私たちも朝から気持ち良かったわけですし」
「そのために俺たちはいるんだから、いつでも欲しければ言えよ?」
「あー、はい」

 なんだか良く分からないけれど、蘭は欲しくて仕方がなかったのだ。
 これからは毎朝、こうなってしまうのかと思うと、かなり居たたまれない。

「さて、すっきりしたところで朝ごはんにしましょう」
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