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聖剣
しおりを挟む「ヴェルドの腰に下げてる剣は魔剣?」
先程、ヨミと一緒に住む約束をした後。
唐突に彼女は自分の持っている剣の事について聞いてきた。
「似たようなものだ」
魔剣。
一般的に魔法や魔術が施されている剣の事を魔剣と言うが、この剣は少し違う。
「じゃあ聖剣とか?」
「そうだ」
正解だった。
「何故わかったんだ?」
「んー。出てる魔素量から、なんとなく」
(剣から出る魔素量から察するとは凄いな)
と、驚いていると、ヨミは頭の後ろをポリポリと掻き、さながら悪い事をして怒られているこどものように笑う。
「すまない、そんなに目付きが悪かったか?」
自分の目付きが悪いのではなかったかと、謝る。
するとヨミは口を手で押さえながら「くすくす」と笑う。
「そんなんじゃないよ心配しないで、悪い事言ったかなーてって思っただけだからけしてヴェルドの目付きが怖かったとかじゃないよ安心して」
笑いが混じった言い方で彼女はそう言った。
「なら良かった」
全く、戦場だというのに楽しそうだなと思い口元が緩む。
「笑った?」
「笑ってないが」
「うっそだー」
ヨミは指を指して笑いながら俺をからかう。
が、すぐに彼女の顔から笑顔が消える。
「化物だ」
ヨミは真剣な眼差しでこちらを見つめる。
化物が現れたのだ。
俺は瞳を閉じ耳をすませる。
前方200m付近に多数の動く形。
「200m先だ今、確認した」
「便利だなー」
ヨミは声では俺の能力に関心しながら、その眼差しだけは真剣だ。
俺が剣を構えると、ヨミも左手で何も無い空から剣を引き抜く。
おそらく魔法の一種だろう。
「便利だな」
自分も彼女の魔法に関心する。
その言葉に反応するよりも早く、化物が塵の中から顔を現す。
「来るぞ!」
その化物を確認すると、ヨミは全力で化物めがけ走り出した。
まるで恐怖など無いかのように笑いながら。
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