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戦場に赴く理由
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一歩、また一歩と瓦礫の山と死体の山の上を歩く。
ヨミと歩き始めてから数分といったところか、
未だ敵の影を見かけない。
見えるのは崩れかけの家、人や化物の死体と散乱する瓦礫の山だ。
歩く、灰と鉄と血の匂いのなかを。
「ねぇ君は何の為に戦うの?」
と一言。
ヨミは、歩く足を止めずに、真っ直ぐと前だけを見つめ質問してくる。
(戦う理由か、そんなもの余り考えてこなかった)
じっくりと考え、答えを出す。
「わからない」
「私も同じだよ」
ヨミは言う。
「原初の魔女と呼ばれて何百年、何度も何度も殺されかけて気づいたんだ、この世界に私の居場所はないんだって」
俺も同じだ。
言いかけた言葉をころし彼女の昔話に耳を傾ける。
「そんな時、初めて戦争をしたんだ。初めて人間を虐殺したんだ。初めて国を滅ぼしたんだ。」
ヨミは言葉を噛みしめるように話を続ける。
歩く足は止めずに。
「気づいたんだよ、戦場が居場所だって平穏な生活は私の居場所ではなかったって。」
「そうか」
話を切るように言葉を挟む。
彼女の瞳は紅く染まり今にも怒りと憎しみに身体を委ねそうだったからだ。
「俺も同じだ」
今度は自分が昔話を話す。
剣の鞘に手を当て、昔の事を思い出す。
「人間に裏切られたのが最初だ、俺は魔王を殺すために生まれ育てられた。頑張ったよ人間の出せる限界の力を手に入る程にね。」
感情を圧し殺し、語る。
「でも足りなかったんだそれでも世界を救えなかった。魔王を殺せなかった。人間を守れなかった。」
人間は所詮、劣等種。
過去に聞いたそんな話を思い出す。
「俺の力不足だった。」
地面に転がる、1人の死体の瞳を見つめる。
少女だ、まだ幼い子供だそんな子供まで戦場の外のグズ共の為に命を燃やしている。
自分が負けたせいで。
「負けて死にかけて足を食いちぎられながらも帰ったんだ。仲間の待つ街に。」
でもそこにいたのは仲間ではなかった。
失望したと、負ける為に育て上げた訳ではないと。
「ありったけの憎悪と失望と嫌悪と人間の醜さを見た。」
結局人間なんてそんな物だと。
自分達の安全の為に育て上げ負けたら捨てる。
「金と時間の無駄だった」と吐き捨てて。
「夢の1つもなかった俺が人間のもつ憎悪に負け、自ら命を絶った時。女神が微笑みかけてくれたんだ。まだ終わってないと」
その女神は、虐殺の女神だった。
綺麗な姿をした、死神だった。
彼女は優しく俺のぼろぼろになった身体を抱きしめ。
耳元でこう言った。
「私の為に戦え」
だからただただ戦う、己が理由何ど考えずに。
「ここで戦うしかない」
「そう」
ヨミも俺も同類だ。
人間の悪い部分のみ見てきた。
だから今こうしてあてもなくただただ戦う。
帰る家もなくただ戦う。
何年も何百年も。
「じゃあ一緒住まないか?私達は同類だ、傷の舐めあいでも良い、君を戦う理由にしたい私が君の戦う理由になりたい。駄目かな?」
と突拍子もないヨミの誘いが飛ぶ。
ヨミの気まぐれか女神の思惑か、そうして俺は彼女と戦場を共にする事になる。
ここが始まり。
そして同時に終わりでもある。
今までの無意味な戦いの。
ヨミと歩き始めてから数分といったところか、
未だ敵の影を見かけない。
見えるのは崩れかけの家、人や化物の死体と散乱する瓦礫の山だ。
歩く、灰と鉄と血の匂いのなかを。
「ねぇ君は何の為に戦うの?」
と一言。
ヨミは、歩く足を止めずに、真っ直ぐと前だけを見つめ質問してくる。
(戦う理由か、そんなもの余り考えてこなかった)
じっくりと考え、答えを出す。
「わからない」
「私も同じだよ」
ヨミは言う。
「原初の魔女と呼ばれて何百年、何度も何度も殺されかけて気づいたんだ、この世界に私の居場所はないんだって」
俺も同じだ。
言いかけた言葉をころし彼女の昔話に耳を傾ける。
「そんな時、初めて戦争をしたんだ。初めて人間を虐殺したんだ。初めて国を滅ぼしたんだ。」
ヨミは言葉を噛みしめるように話を続ける。
歩く足は止めずに。
「気づいたんだよ、戦場が居場所だって平穏な生活は私の居場所ではなかったって。」
「そうか」
話を切るように言葉を挟む。
彼女の瞳は紅く染まり今にも怒りと憎しみに身体を委ねそうだったからだ。
「俺も同じだ」
今度は自分が昔話を話す。
剣の鞘に手を当て、昔の事を思い出す。
「人間に裏切られたのが最初だ、俺は魔王を殺すために生まれ育てられた。頑張ったよ人間の出せる限界の力を手に入る程にね。」
感情を圧し殺し、語る。
「でも足りなかったんだそれでも世界を救えなかった。魔王を殺せなかった。人間を守れなかった。」
人間は所詮、劣等種。
過去に聞いたそんな話を思い出す。
「俺の力不足だった。」
地面に転がる、1人の死体の瞳を見つめる。
少女だ、まだ幼い子供だそんな子供まで戦場の外のグズ共の為に命を燃やしている。
自分が負けたせいで。
「負けて死にかけて足を食いちぎられながらも帰ったんだ。仲間の待つ街に。」
でもそこにいたのは仲間ではなかった。
失望したと、負ける為に育て上げた訳ではないと。
「ありったけの憎悪と失望と嫌悪と人間の醜さを見た。」
結局人間なんてそんな物だと。
自分達の安全の為に育て上げ負けたら捨てる。
「金と時間の無駄だった」と吐き捨てて。
「夢の1つもなかった俺が人間のもつ憎悪に負け、自ら命を絶った時。女神が微笑みかけてくれたんだ。まだ終わってないと」
その女神は、虐殺の女神だった。
綺麗な姿をした、死神だった。
彼女は優しく俺のぼろぼろになった身体を抱きしめ。
耳元でこう言った。
「私の為に戦え」
だからただただ戦う、己が理由何ど考えずに。
「ここで戦うしかない」
「そう」
ヨミも俺も同類だ。
人間の悪い部分のみ見てきた。
だから今こうしてあてもなくただただ戦う。
帰る家もなくただ戦う。
何年も何百年も。
「じゃあ一緒住まないか?私達は同類だ、傷の舐めあいでも良い、君を戦う理由にしたい私が君の戦う理由になりたい。駄目かな?」
と突拍子もないヨミの誘いが飛ぶ。
ヨミの気まぐれか女神の思惑か、そうして俺は彼女と戦場を共にする事になる。
ここが始まり。
そして同時に終わりでもある。
今までの無意味な戦いの。
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