あの頃

瑠菜

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俺は………

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2章


~湊斗side~

(マジで!瑠菜と一緒じゃん。この前の事でしゃべれるかわからないけど頑張らないとな。)
よし!と言った直後、

瑠菜の友達「瑠、瑠菜!?」
急に瑠菜の友達の悲鳴が聞こえた。

「な、なんだ?」
「誰か倒れてる」

(あれって瑠菜じゃん!)
俺は瑠菜のもとに駆け寄った。
俺「大丈夫か!」
(まだうっすらと目は空いてるけど、)
俺「おい!おい!目、閉じんな、、瑠菜!!」
俺は瑠菜の額に手を当てた。
(こいつ、熱あるじゃねぇか!早く運ばないと)
瑠菜の友達がすごく心配してた。何度も名前を読んでいた。瑠菜は息が荒かった。
(ヤバいこのままだと!)
俺「俺がこいつを保健室まで運んでいくから皆は先生に伝えてくれ!」
回りのやつらは「わ、分かった、伝えとく」といってくれた。
俺「本当、助かる!」
俺はそう告げると瑠菜を抱えた。
(こいつ、めっちゃ軽いな。)
そんなのとを思いながら保健室まで走っていった。たまに、俺の裾を引っ張ったり、「うぅ~」と言っていた。
(辛そうだな、早く行かないと)
顔は真っ赤になっていて、呼吸がだんだん浅くなっていく。

やっとの思いで保健室についた。
俺「先生!瑠菜が高熱で倒れて……!」
俺が急にはいって来てビックリしていたが、俺が抱えてる瑠菜を見てもっとビックリしていた。
保険の先生「どうしたの!櫻井さんすごく辛そうじゃない!早くベットにつれて来て!」
先生はそういうとベッドの用意をしてくれた。
瑠菜をそっとおいて、先生に見てもらった。
保険の先生「ひどい熱ね。よくここまで我慢できたこと。すごいわね。」
そんなことをいいながら瑠菜の額に濡れたタオルをおいた。
瑠菜は少し「うっ、」と言ったが、その後少し楽そうな顔をした。
保険の先生「倒れたときの事覚えてる?」
俺「いえ、俺は見てなかったんですけど、瑠菜の友達によると顔色が悪くて何かを言おうとしたときに倒れたらしいです。」
実際に見ていなかった俺は何も知らないが、辛そうなのはよくわかる。
保険の先生「分かったわ。斎藤くんあなたは授業に戻りなさい。始まったばかりだから間に合うはずよ。」
(帰るのか、瑠菜の事見てたいけどダメだよな)
俺「はい、わかりました。帰りまっっ!」
急に袖を引っ張られた。
瑠菜だ。
瑠菜は小さな声で「湊、斗」と言って悲しそうな表情をした。
俺「せ、先生。俺、どうすればいいですか?瑠菜、離してくれません。」
先生は少し悩んだ後、「櫻井さんが起きるまでここにいてください。先生には私が言っておきますから。」そういわれた。
先生に椅子をもらって座っていた。

どのくらいたっただろうか。瑠菜が目を覚ました。
俺「おい!瑠菜!大丈夫か!」
俺が声をかけると瑠菜はこちらを向いた。少しだけ戸惑った顔をした。
瑠菜「湊、斗?」
瑠菜が俺の名前を読んだ。俺は状況を説明した。
俺「瑠菜!起きたんだな!お前さっき教室で倒れたんだぞ!」
心配してるんだぞ!と言うような口調で言った。
瑠菜はそんなことあったかもみたいな顔を浮かべて「湊斗、うるさい」と言った後笑った。
すると急に瑠菜が起き上がって、
瑠菜「湊斗!今、何時間!?」
と、聞いてくる。時間を見て、
俺は「二時間目が終わった所だけど?」と、答えた。その言葉にビックリした瑠菜が、「ヤバい!早く戻らないと!!」と言って立ち上がろうとした。
(お前、何してんだよ!
つっ!考えてもどうしようもない。とにかく止めないと!)
俺「おま!何してんだよ!まだ体調戻ってないんだろ!?寝てろよ!」
そういい、俺は瑠菜をベットに押し倒した。
瑠菜は悔しそうな顔をしていた。
瑠菜「で、でも、授業にでないといけないし……」
(お前、自分を犠牲にしてまですることか!?)
思ったことをそのまま言おうとしたが、やめた。
(とにかく、やめさせないと!)
俺「大丈夫だよ。先生には、いってあるし。あのさ、俺はお前が心配だよ。この前家にいったときから何かおかしいぞ?お前」
俺はなるべく優しく言った。すると瑠菜は
瑠菜「っ……!な、何でもない!やっぱり今日は早退する!」そういい、布団をかぶった。
(何か、顔が赤い。照れてる?)
そう思いながらも俺は瑠菜が起きたことに安心して、保健室を出た。

教室について、先生に事情をもう一度話した。《一回目は保険の先生が伝えてくれてます!》先生は納得し、席に戻るように指示をした。
授業が終わると、瑠菜の友達が駆け寄ってきた。
瑠菜の友達「瑠菜は大丈夫だった?やっぱり早退するの?」
瑠菜の友達は涙声で聞いてきた。
俺「大丈夫。と言ったら嘘になるがさっき一回だけ起きた。しゃべれるくらいだから大丈夫だと思うけど、今日は早退するって。」
瑠菜の友達は「よ、良かった~。ありがと!」そういい、席へ戻った。

二時間くらいたった四時間目の最後らへん。
保険の先生が瑠菜の荷物を持っていくように言われた。俺はうなづいて、瑠菜の荷物を用意した。
保健室について、先生がいないことに気づいた。
(先生、いないのか。ちょっと瑠菜の顔見てこうかな?)
俺は瑠菜が寝てるベットに向かった。
俺「おーい、おきてるかって、寝てるじゃねーかよ。」
(せっかく来てやったのに、寝てんじゃねーよ)
そう思いながらも、さっき言った言葉でもしかしたら傷ついたかなと考えた。
俺「さっきはごめん。言い過ぎた。」
言った後に気づいた。
(こいつ、寝顔かわいいな)
俺「何でこんなに無防備なのか。((ボソ」
(ヤバい、何かかわいく見えてきた。)
そう思っていると体が勝手に瑠菜の唇へと近づいた。

チュッ

数秒後、唇を離した。
(あぁーーー、やっちまった!)
俺「お、俺何してるんだ!?瑠菜にキ、キスなんて。」
(何か、柔らかかったな。何かいい臭いもしたし)
俺「無防備な瑠菜が悪いんだからな。」
俺は瑠菜のせいにいた。
(どこまでも最低な男だ。俺は……)
気づいたら走って逃げていた。
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