あの頃

瑠菜

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えー!!!!

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8章

湊斗が家に来てから3日後、頭の痛みもなくなってきて、ようやく学校に行けることになった。

ゆま「瑠菜~!一緒にいこう!」
私「うん!待って」
(この会話、久しぶりだな~)
鞄をしょって、外に出る。
ゆま「久しぶり~!今日は学校行けるんだね!」
私「そうなんだよー!皆に会うの楽しみだな~!」

─────学校
教室の前に着いた
(なんだろ、緊張してきた……)
入ろうか入らないか悩んでうろうろしていた。
湊斗「瑠菜か?」
後ろから声が聞こえた。
私「え!?湊斗?」
湊斗「何してるんだ?て、何で包帯してるんだ!?大丈夫なのか?まぁ、早くはいれよ、」
湊斗に背中を押されながら教室に入った。

桜「瑠菜~!!!!」
ガバッと抱きつかれた。
私「ちょ、痛いよ桜~」
桜は少し涙目だった。
きっと、包帯で巻かれてる私の姿を見て驚いたんだろう
私「久しぶり、桜。元気にしてた?」
笑いながら問いかけると、桜は笑いながら「うん!」と答えた。

チャイムがなり急いで席についた。

黒板を見ると日直のところに私の名前と湊斗の名前が書かれていた。
(げっ、今日まで休めばよかった)
湊斗「瑠菜、俺ら日直だから前に出るぞ。」
湊斗の手が肩に触れる。
私「え、あ、うん!今行く。」
(はァ~、何で聞かなかったんだろ日直のこと)
前に出て朝の会を始める。
私「───────────起立、礼、着席」



ガヤガヤと教室が騒ぎ始める。
(久しぶりの湊斗、やっぱかっこいいな~)
突然目の前が真っ暗になった。
?「だーれだ!」
私「えっ!?だ、誰?」
後ろを振り替えると、莉奈がいた。
莉奈「いい反応するねー」
ニヤニヤしながら莉奈は私を見下ろしていた。
私「もー!驚かさないでよ!」
怒った顔をして莉奈のことを叩いた。
莉奈「ちょっ、痛いって。」

そんなことをしながら遊んでいると、莉奈が思い出したような顔をして私に問いかけた。
莉奈「瑠菜~、もう大丈夫なの?本当はまだ学校に来ちゃいけないんじゃないの?」
私「えっ!?」
まさか、こんな質問がくるとは思わなかった。確かに、頭に包帯を巻いている友達を見て心配しない人はいない。
私「莉奈たちに会いたかったからだよー」
ガバッと抱きついた。
(湊斗の顔を見たかった、会いたかったなんて言えないな~)

莉奈「私も寂しかったよー」
二人でギューーーとして遊んでるとチャイムがなった。
莉奈「そろそろ、いかないと!またね!」
莉奈が帰っていく。
(一時間目は国語かぁ~、めんどくさい!)
授業は真面目に聞かないが、テストの点数だけは悪くはなかった。

国語の先生「────────という場面では………」
(はァ~退屈~)
ふと、隣にいる湊斗が気になった。
私はそっと顔をあげて湊斗を見た。
(あ、横顔可愛い)
そんなこと思いながらじっと見つめていると、湊斗もこちらを向いてきた。
(ヤバッ!ばれちゃう!)
思うよりも体の方が早く動いていた。
湊斗の逆方向を見て知らないふりをしている私がいる。

肩を叩かれた。
おそるおそる見上げると、ノートを指差している湊斗がいる。
(ノートに書いてしゃべるってことかな?)
私はノートにそっと書いた。

《どうしたの?》

すると湊斗はすぐに返信を書いた。

《別に、お前がこっちを見てたから気になって》

(気づいてたんだ…)

《何でもないよ~》

《そうか、それならいいんだけど
 てか、これ見ろよ、ほら!》

湊斗はノートに書くと自分のノートを見せてきた。
(何これ!ドラえもん(笑))
こらえきれず声に出して笑ってしまった。
国語の先生「おい!櫻井、うるさいぞ!もっと静かにしなさい!」
私「す、すみません!」
(怒られてしまった)
湊斗は隣で静かに笑っている。
(このやろー!人が怒られてるのを笑いやがって!) 

私「もー!酷いよー湊斗!」
授業が終わった後、湊斗に向かって怒った。
湊斗「悪かったって、何か面白くてw」
湊斗は思い出し笑いをして、また笑った。
(酷い!!)
怒りが込み上げてきて、湊斗の足を思い切り踏んだ。
湊斗「痛った!!!」
私「知らない!」
私は教室を出た。

湊斗は私に何度も謝ってきてその日の放課後、仕方なく許した。

────帰り道
私「そろそろ暑くなってきたね~
  もう、5時過ぎなのに明るいし」
手であおぎぐ。
ゆま「そうだねー
   梅雨が終わったばっかりだし暑いね~」
ゆまも自分の手であおぎながら答える。
私「暑くなってきたから、そろそろ夏が近づいてきたってことだよね!?夏休み~!!」
私が騒いでるとゆまが笑った。
ゆま「フフッ!そうだね~
   あ、でも………」

悩んだ顔をしていった。
ゆま「中学生になったから、宿題の量も増えるんじゃないかな?」
私「うっ!」
一気にテンションが下がる。
(夏休み楽しみなのに……)
私「あっ!そう言えば先生が夏休みの前のテストで赤点の人は一週間補修だって!」
ゆまは「えっ!?嘘!私、補修になるかも!」
ゆまは頭を抱えた。

私「そうだ!拓也って頭よかったよね?拓也に教えてもらえば?」
ゆま「そ、そうだけど。迷惑じゃないかな?」
(ゆまは心配性だなー)
私「大丈夫だよ!拓也はゆまのことすごく好きだと思うし!」 
ゆま「そうかな?じゃあ聞いてみる!」
ゆまの顔はどんどん笑顔を取り戻していった。
(おぉ~!輝いてる!)
そのあと、ゆまは拓也に勉強を教えてもらいテストにも受かった。(ついでに私も!)
そして、あと10日で夏休みになるとき湊人に家に来ないかと誘われた。

(えぇぇぇっっ!!!どうしよう!)
今、起きている状況に目が眩む。
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