あの頃

瑠菜

文字の大きさ
上 下
7 / 9

嬉しいな~

しおりを挟む
7章


私は今、病院にいます。
昨日、女生徒3人組に襲われたところが痛かったので、お母さんに説明して病院に来た。
──櫻井瑠菜さん、一番の部屋までお入りください。
アナウンスが聞こえてきた。
お母さん「瑠菜、行くわよ。」
私「う、うん」

先生「うーん、これは少しばかり酷いですね。」
先生は気むずかしそうな顔をしながら傷口をさわってくる。
私「先生!痛っ!そこ、」
(痛いってば!!)
先生「たんこぶが出来てるんですが────」
色々と説明された。
結局、包帯を巻くことになって取れるのは2週間後らしい。

今日は金曜日で今は二時間目が終わった頃だと思う。
お母さん「ありがとうございます。それで、学校は行ってもいいんでしょうか?」
(お母さん、心配しすぎでしょ。学校くらい………
…)
先生「そうですね。一応、今日は休んでください。もし痛みが続けばその時はまた病院に来てください。」
(えっーーー!?学校いけないの!)
私「あのー、なんで行ってはダメなのか聞いてもいいですか?」
(ゆまに会いたいのに~)
先生「頭の傷がまだ痛むんですよね?櫻井さんの傷口は結構深いんです。なので念のためにも休んでください。」
お母さん「そうよ、バットじゃなかったとはいえ、怪我をしてるんだから先生の言うこと聞きなさい!」
私「はい……」

(今日は休みか~)
病院から帰る途中、学校の前を通った。
私「今頃、四時間目が終わったところかな((ボソッ」
お母さん「瑠菜、どうしたの?」
下を向きながら歩いていたのでお母さんに心配された。
私「いや、学校に行きたいなって思っただけ」
お母さんは少し困った顔をした。
お母さん「行かせてあげたいけどごめんね」
(あ、ヤバい)
私「ごめん、ごめん。大丈夫だから」
お母さんに心配はかけたくないと思い無理に笑う。
(今頃、湊斗やゆまは何してるんだろ?)
空を見上げた。

────────────
────────
────
──


数時間後……
(はぁ~、ひまひま!!つまんない~)
何をしても暇で布団の上でゴロゴロしていた。
(そろそろ、皆家についた頃かな?)
だんだん眠くなってきてウトウトしてると、インターフォンがなった。
お母さん「はーい、あら、お見舞いに来てくるたの?ありがとう!上がってあってね」
お母さんが誰かに話しかけている声が聞こえた。
お母さん「瑠菜~、湊斗くんがお見舞いに来てくれたわよー!」
飛び起きた。
(え!?湊斗が!服変じゃないかな?)

急に緊張してきた。
ワタワタしていると扉が開いた。
湊斗「お!以外と元気じゃねぇか」
私「あ、うん!元気だよー!退屈してたから来てくれてありがとう!」
私は立ち上がった。
湊斗「あ、おい、立ち上がっても大丈夫なのか?」
心配そうに駆け寄ってきた。
(あ、もしかして心配してくれてる?) 
私「大丈夫だよ!少しダルいけどそれよりも嬉しいから!」
私がにこにこ笑うと湊斗は安心した顔で「そっか」と言った。
湊斗は今日何があったかと、授業内容を教えてくれた。
─────
───

湊斗「─────がこうなるからこうだ。分かったか?」
湊斗の説明は以外にうまくて、先生よりも分かりやすかった。
私「うん!湊斗、教えるの上手だね!すごく分かりやすかったよ~」
筆記用具などを片付けながら雑談をしていた。
何でもない会話だったけどとても楽しかった。

時間は過ぎていき、あっという間に5時30分を過ぎていた。
湊斗「あ、俺そろそろ帰らないと、じゃあな瑠菜」
(もう帰っちゃうのか~、寂しいな)
私「いっちゃ嫌だよ((ボソッ」
湊斗「え!?」 
私「え!?何?どうしたの?」
湊斗「いや、今いっちゃ嫌だよって聞こえたんだけど」  
(独り言が聞こえていた!!!!)

私「え!」
湊斗「しょうがないな~、こっち向けよ」
湊斗が急に迫ってくる
(え、ちょ、待っ)
私「湊斗、ちょ、待っ………」
チュッ
柔らかいものがあたる
(えーーー!!!!!)
私「い、今、キ、キス!!!!!」
湊斗「嫌だって言ったから、甘えたいんだと思って。」
(確かにそうだけど!)
私「え、え、あ」
この状況に頭がパンクして思考停止。
少したってから思い出して顔を赤くした。
私「キス以外にも何かあったじゃん!」
顔を赤くしながら言う私に湊斗は笑った。
湊斗「お前、やっぱり面白いな!アハハッ!じゃ、元気そうだしそろそろ帰るな」
湊斗はそういい部屋を出た。
私「え!ちょっま!」

バタンッ

私「あっ、いっちゃった」
少し寂しい気持ちと嬉しい気持ちがあってモヤモヤが残った。
(うーん、なんなんだろ?分かんないや)
モヤモヤが残りつつ、下に向かった。
私「お母さんー、お腹すいた」
お腹を押さえた私が台所にいくと夜ご飯の用意をしているおかあさんがいた。
お母さん「あら瑠菜、大丈夫なの寝てなくて?」
私「うん!寝てたら逆に具合悪くなりそうだったから(笑)」
お母さんはフフフッと笑うと手伝ってと手招きした。
お母さん「湊斗くんと何してたの?帰る前に大きい声聞こえたけど。」
(あ、そういえばお母さんに付き合ってること言ってなかったなぁ~、ちゃんと言わないと)

私「あのねお母さん。私ね、湊斗と付き合ってるんだ、」
お母さんを見るのが怖くて下を見ながら伝えた。
お母さん「あら、そうなの?いいじゃない!」
おかあさんの優しい声が聞こえた。
おそるおそる顔をあげると、笑っているお母さんの顔が見えた。
私「怒らないの?まだ早いとか言わないの?」
お母さん「早いとは思うけど、お母さんはいいと思うわよ。それに湊斗くんはカッコいいし、いい子だし好きよ!」
お母さんは嬉しそうに話した。
お母さん「それに、青春っていいじゃない?お母さんはなかったからね」
私「そっかっ!ありがとうお母さん!」
私は嬉しかった。認められたのもそうだけど、湊斗のことを好きって言ってくれたから。

お母さん「あ、でもお父さんには言わない方がいいわね。多分、認めないって泣いちゃうから」
私「アハハ、そう、だね」
(本当にお父さんは心配性なんだから、)
そのあと、ご飯を食べながら湊斗との話をした。色々な話をしてとっても楽しかった。
お母さん「────そうなの?やっぱりいい子なのね、湊斗くんは!」
私「うん!」
そんなことを話していたら時間はあっという間に過ぎていき、お風呂の時間になった。

────────
─────
───

私「ふぅー、いい湯だな~」
お湯に浸かりながら湊斗が帰りにしたことを思い出した。
(はぁー、ビックリしたな。でも、嫌じゃなかった。) 
唇が火照るのがわかる。
(うぅー!あんなことするから~!)
のぼせると思い、急いで出た。

(もうそろそろ寝る時間か~)
時計は夜の10時を指していた。
重たくなった目を擦りながら布団にはいる。
目を閉じるのには時間がかかった。
だって明日のことを考えると寝れなくなるから。
(明日も休まないといけないのかなぁ~、)
そんなことを思いながら眠った。
しおりを挟む

処理中です...