あの頃

瑠菜

文字の大きさ
上 下
9 / 9

最低!

しおりを挟む
9章

湊人と遊ぶ日、私はなぜだかいつもよりおしゃれをして気合いを入れていた。
(なんだろう、緊張してきた)
心臓はバクバクいっていて落ち着かない。
家の前でうろうろしていると後ろから声をかけられた。
湊人「瑠菜!」
湊斗はものすごい笑顔で手を振っている。
(ヤバッ!いつも以上にカッコよく見える)
ボーッとしていると湊斗の顔が目の前にあった。

私「わっ!!」
後ずさる。
私「な、何でもないよー!ほら早く遊ぼ?」
(心臓がおかしくなりそう)
私は湊斗の前を歩き悟られないように極力後ろを見ないように歩いた。

────湊斗の家
私「お、お邪魔しまーす!」

シーン……

(あれ?湊斗のお母さんたちは?)
心配になりキョロキョロしていると湊斗がまさかの言葉を口にした。
湊斗「今日、どっちとも仕事だから」
私「えっ!?」
湊斗「どうした?」
私「い、いや、何でもない」
(だ、ダメだ!動揺したらダメだ!)
頭を降った。
湊斗は心配そうに見てたが気にしないようにした。
湊斗「俺の部屋、2階だから」
湊斗がさきに上っていく。

(はぁー、緊張する。部屋についたらキ、キスとかするのかな?)
色々考えているとあっという間に湊斗の部屋に着いた。
私「わぁー!懐かしい。小3以来の湊斗の部屋だ!相変わらず、綺麗にしてるね!」
久しぶりの湊斗の部屋に興奮してうろちょろしていると笑われた。
湊斗「プッ!お前、はしゃぎすぎだろ(笑)」
私「そ、そんなに笑わなくてもいいじゃん!」
少しすねた様子で椅子に座ると「お茶持ってくるから」といい、したに下りてしまった。
(いやー、本当に久しぶりだな。)
あんなことやこんなことまでなどと考えていると余計に緊張してきた。
頭を抱えていると、湊斗が入ってきた。

私「おおおお、お茶あ、ありがとう」
(あ、勘だ!)
恥ずかしくて下を向いた。
湊斗「今日、お前とやりたいことがあって」
(えっ!?それってやっぱり)
湊斗が近づく。
(ち、近い近い!)
私「み、湊斗。わ、私心の準備が………」
(家についてまだって言うのに!)
そう思っていたら湊斗は不思議な顔をした。
湊斗「何、言ってるんだ?勉強、教えてほしいところがあって、」
私「へ!?あ、勉強。」

(勘違いしてたんだ!!!恥ずかしすぎて死ねる!)
そう思っていると湊斗の顔がまた近づく。
湊斗「へぇー、なぁ、瑠菜。俺の顔見て?」
私「い、いや!」
下を向く力を込める。
すると、湊斗は私の顎をぐいっとあげ、無理やり顔をあげさせられた。
湊斗「瑠菜。もしかして、キスされるとか思ってた?」
不適な笑顔を向ける湊斗が問いかける。
私「ち、違っ!」
逃げようとして力を込める。
湊斗「そんなこと言ったって、そんな真っ赤な顔して誘ってるじゃねぇの?
 てか、その顔そそられるんだけど。」
湊斗が息を飲む。

(ヤバい、何か湊斗の顔が……)
私「んっっ」
唇をふさがれた。
私「んっ、ふぁぁ、ちょっ、み、なと、苦し」
湊斗「はぁ、何その反応、男の前でそんな顔、たまんねぇって!」
私「へっ!?」

私「んっっ!」
また唇をふさがれる。
(なんだろ、きも、ちい)
私「んっ、ふぅ、
  はぁー、はぁー」
湊斗「お前、本当に可愛い。今日は本当に勉強しようとしてただけなのに、お前が俺の理性を奪うから、」

次の瞬間、湊斗に抱き抱えられた。
私「えっ!?何」

トス……

ベッドの上にのせられた。
私「み、湊斗?」
湊斗「悪い、止められない……」
湊斗の息は乱れていて、顔も赤い。
(湊斗が、おか、しい?)
すると、また顔を近づけてくるので手で押さえた。
私「ちょっと待って!ねぇ、湊斗大丈夫?何か顔、赤いよ?それに息も乱れて、本当に大丈夫?」

湊斗は驚いた顔をして私の顔を見た。
湊斗「お前、何も分かってないのか?」
私「どういうこと?」
湊斗「はぁー、まじかよ、」
湊斗はあきれた顔をした。
湊斗「好きなやつを目の前にして冷静でいられる男がいるかっての!」
私を押さえる湊斗の手の力が強まる。

次の瞬間、湊斗の目が変わった。
(まるで、猛獣みたい。怖い!)
私「んっっ、はぁ、んっっ!」
激しいキスが続く。
私「はぁー、はぁー、あつ、い」
体が火照っていてとても暑くなってきた。
湊斗「くそ、あっつい!」
湊斗が服を脱ぎ始める。
(うわぁ、腹筋ヤバい。肌、白!何か、テレる、てか、体溶けそう……)

湊斗「おい、瑠菜。」
意識がくらくらしてる中、湊斗に呼ばれた。
私「な、なぁに?」
(ろれつが回ら、ない)
湊斗「脱がせても、いいか?」
私「え!?」
(脱がせるって、見られるの!?)
私「い、嫌、だ!恥ずか、しい!」
顔を覆い隠す。
私「だって、そんなの恥ずかしすぎるよぉー」
湊斗「お前が恥ずかしいと思うこと全部させて、全部見せて?」
湊斗の声は優しく、さっきの猛獣みたいな目はしていなかった。
(だから、その目に私は弱いんだって!)
私「い、いよ……」
湊斗は一瞬、嬉うな顔をして「ありがとう」とおでこにキスをした。

どんどん脱がされていく。
下着姿になったときにはもう恥ずかしくて、顔を隠していた。
湊斗「うわ、真っ白…」
湊斗は手を顔におおって、赤くなっている顔を隠した。
私「そ、そんなにみ、見ないで!」
(もー、死にたい!)
突然耳に息が吹きかかった。
湊斗「瑠菜、こっち向いて?」
耳元のせいなのかよくわからないけど、すごくゾクゾクした。
私「い、やだ。たって今私、変だもん!顔が変になってるもん!」
湊斗「大丈夫、変じゃない。だから、俺に顔を見せて?」
私「っつ!」

私はおそるおそる顔を隠していた手をどけた。
そこには笑っているけど、どこか不安そうな顔をしている湊斗がいた。
(私のこの行動が、湊斗を困らせてる?)
私「っ、み、なと。」
下から湊斗を抱き寄せた。
湊斗「うぉ!」
私「私、恥ずかしがりやだからこういうの初めてで、だから隠れちゃったりするの。だけど、湊斗のこと好きだから、それだけは分かって?」
精一杯伝えた。
湊斗「お前、そんな可愛いこと言っていいのか?」
私「え?」
湊斗「もう、どうなっても知らないから!」
─────────
───────
────
──

私「いっ!っつ!はぁー、」
湊斗「うっ、っつ!」
(痛い!けど、どこか心地い。)
湊斗「大丈夫か?瑠菜。」
私「うん。だい、じょうぶ。ねぇ、湊斗ぎゅーってして?」
湊斗「あぁ」
湊斗は抱き締めてくれた。それだけで安心してしまう私はきっと単純なんだと思う。
────────
──────
────
──

『…………な、る……な、』
(誰だろ?でも、安心するような声)
『そろそろ起きろ』
(んー、誰だっけ?)
『そろそろ起きないと勉強できないぞ』
(あっ!この人は確か…………) 

私「んっ、み、なと?」
湊斗「ようやく起きたか、今3時過ぎだぞ?体、大丈夫か?」
私「うん、大丈夫」
私はベッドの中で湊斗に抱き締められていた。
(なんか、この体制は、恥ずかしい。)
私「み、湊斗。服を着てもいい?」
湊斗「ダーメ!」
今よりももっとぎゅーと抱き締められる。
私「ほ、本当に恥ずかしいから服着させてよー!」
湊斗「うーん、今いい感触が俺の体に当たってるからもう少し……」
私「え!?」
(この体制って、ちょうど私のむ、胸が………)
私「この、変態!は~な~し~て~!!!!!!」
私は無理やり湊斗の腕から抜けると、服を探した。
私「あれ?私の服は?」
湊斗「だから、まだダメだって言った。お前の服は今、洗濯中。乾かしてるからまだ無理。」
私「最初からそう言えばいいじゃない!」
湊斗「てか、今のお前面白い(笑)」
私「え?」
私は不思議に思って自分を見る。
私「キャーーーーーーー、なに見てんのよ!変態!」
それもそのはず、私は裸のまま湊斗に怒っていた。
(本当に最低!)
私はそのあと服を着て帰った。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...