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オリヴァーの昔話
オリヴァーとミレーの夜中会話・5
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「そういえば、オリヴァー様。私の持っていた鞄や、あなたからもらったブーツはどこに?」
いろいろなことがあったことと、それによって疲れていたことで眠る流れになって今に至るが、ミレーはずっと気にしていた。
それが気になって、安眠が出来なかったのではないかとも思う。
「あぁ、オレがプレゼントしたブーツは、ミレーの足の怪我が治るまでは履かないほうが良いだろうと思って、オレが保管してある」
そういうとオリヴァーは、クローゼットを開いて、中からミレーにプレゼントしてくれたブーツを取り出した。
泥が掃われており、磨いた形跡も見られる。
蹴られ踏みつけられた時に出来てしまった傷も残っていたが、履くのには申し分ないほど綺麗な状態であった。
「ありがとうございます、オリヴァー様。足の怪我が治ったらまた履きます!」
「……いいのか? それ履いて、嫌な記憶が蘇ったりしねえか?」
「嫌な記憶?」
「……その、あの靴を履いている時に襲われただろう? ……だから」
「そういうのはあまり気にならないから平気です」
そう伝えると、オリヴァーは驚いたように眼を丸くしてミレーを見やった。
「どうかしましたか?」
「ミレーって結構神経図太いな」
「悪い……ですか?」
「いいや。良いことだと思う。……それくらい図太いなら、オレも安心だ」
そう言って、オリヴァーは表情を緩めて笑った。
馬鹿にされたようではないので、気にしないことにした。
「……んで、カバンだが」
オリヴァーが言いづらそうにしていることからなんとなく察してはいたが、ボロボロに成り果てた愛用のカバンを見せられて少し落ち込んだ。
「……あいつらを捕まえるときに少し争いになって落ちていたカバンを気にすることが誰も出来なくて、な。修復しようにも、ここまで踏み荒らされていたら、壊れている部分もあって、難しかった……」
「……修復しようとしてくれて、ありがとうございます。カバンは、残念ですが、今までの感謝を込めて処分することにします……」
「……まぁ、それで、中の本も」
「あ、それはもともとボロボロだったから気にしないでください。……もう何十回と読んでいたから、内容も覚えていますし」
それだけに、残念な気持ちがないわけではない。
数少ない本の中でも、何十回何百回と読み返したか知れない本だったからだ。
覚えてはいるけれど、何度も読みたいという気持ちもあったのだ。
しかしそれを伝えればオリヴァーに気を遣わせてしまう。何も悪くない彼を申し訳なく思わせるのは、ミレーの良しとするところではない。
ボロボロだったとはいえ、なんとか読めていた本は、すでに本の形状を保っていない姿でボロボロのカバンから出てきた。
いろいろなことがあったことと、それによって疲れていたことで眠る流れになって今に至るが、ミレーはずっと気にしていた。
それが気になって、安眠が出来なかったのではないかとも思う。
「あぁ、オレがプレゼントしたブーツは、ミレーの足の怪我が治るまでは履かないほうが良いだろうと思って、オレが保管してある」
そういうとオリヴァーは、クローゼットを開いて、中からミレーにプレゼントしてくれたブーツを取り出した。
泥が掃われており、磨いた形跡も見られる。
蹴られ踏みつけられた時に出来てしまった傷も残っていたが、履くのには申し分ないほど綺麗な状態であった。
「ありがとうございます、オリヴァー様。足の怪我が治ったらまた履きます!」
「……いいのか? それ履いて、嫌な記憶が蘇ったりしねえか?」
「嫌な記憶?」
「……その、あの靴を履いている時に襲われただろう? ……だから」
「そういうのはあまり気にならないから平気です」
そう伝えると、オリヴァーは驚いたように眼を丸くしてミレーを見やった。
「どうかしましたか?」
「ミレーって結構神経図太いな」
「悪い……ですか?」
「いいや。良いことだと思う。……それくらい図太いなら、オレも安心だ」
そう言って、オリヴァーは表情を緩めて笑った。
馬鹿にされたようではないので、気にしないことにした。
「……んで、カバンだが」
オリヴァーが言いづらそうにしていることからなんとなく察してはいたが、ボロボロに成り果てた愛用のカバンを見せられて少し落ち込んだ。
「……あいつらを捕まえるときに少し争いになって落ちていたカバンを気にすることが誰も出来なくて、な。修復しようにも、ここまで踏み荒らされていたら、壊れている部分もあって、難しかった……」
「……修復しようとしてくれて、ありがとうございます。カバンは、残念ですが、今までの感謝を込めて処分することにします……」
「……まぁ、それで、中の本も」
「あ、それはもともとボロボロだったから気にしないでください。……もう何十回と読んでいたから、内容も覚えていますし」
それだけに、残念な気持ちがないわけではない。
数少ない本の中でも、何十回何百回と読み返したか知れない本だったからだ。
覚えてはいるけれど、何度も読みたいという気持ちもあったのだ。
しかしそれを伝えればオリヴァーに気を遣わせてしまう。何も悪くない彼を申し訳なく思わせるのは、ミレーの良しとするところではない。
ボロボロだったとはいえ、なんとか読めていた本は、すでに本の形状を保っていない姿でボロボロのカバンから出てきた。
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