三人の義兄から歪な愛を受けています

八百屋 成美

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 エリオットは震える自らの腕を広げ、兄たちを迎え入れた。その仕草が、もはや引き返すことのできない、堕落への合図だった。
 最初に動いたのはアレクシスだった。彼はエリオットの足の間に滑り込むと、その白い太腿を肩に担ぎ上げ、露わになった秘所へと、すでに限界まで昂った自らの熱をあてがった。
 以前のような暴力的な侵入ではなかった。しかし、それは彼が持つ支配欲の質量を、そのまま形にしたかのような重苦しいプレッシャーを伴っていた。

「……エリオット。私を受け入れろ。お前の全てを、私が埋めてやる」

 アレクシスの熱が、ゆっくりと、焦らすような速度で、エリオットの身体の奥深くへと沈み込んでいく。きつく閉ざされていた蕾が、兄の圧倒的な質量によって無理やり押し広げられ、粘膜が悲鳴を上げながらも、その熱い楔を飲み込んでいく。
 エリオットは、内側から広げられる異物感と、摩擦が生み出す焼き尽くすような熱量に、声にならない喘ぎを漏らした。それは痛みというよりも、自分の身体の空洞が、兄という存在によって隙間なく満たされていく、恐ろしいほどの充足感だった。

「ぁ……あ、あぁ……! アレクシス、兄様……!」
「そうだ……私の名だけを呼べ。お前の内壁が、こんなにも私を吸い付いているぞ」

 アレクシスは、結合部から溢れ出る蜜と音を確かめるように、じわり、じわりと腰を進めた。最奥を突かれるたびに、エリオットの視界が白く揺らぐ。
 その無防備に開かれた口元へ、横からクリスが顔を寄せた。
 彼は、兄が弟の身体を犯しているという背徳的な光景から目を逸らさず、興奮に潤んだ緑の瞳でエリオットを見つめた。

「……辛そうだな、エリオット。俺が楽にしてやる」

 クリスは、アレクシスに突き上げられて漏れる弟の喘ぎ声を、自らの唇で塞ぎ止めた。それは優しい口づけなどではなかった。貪るように舌をねじ込み、口腔内を蹂躙し、逃げ場を失ったエリオットの呼吸をすべて奪い去る、窒息しそうなほど濃密なキスだった。
 唾液が混じり合う水音が、下半身の結合音と重なり、部屋中にいやらしく響く。クリスの熱い舌がエリオットの舌に絡みつき、吸い上げ、甘噛みするたびに、エリオットの背筋に痺れるような快感が走った。下からはアレクシスの重厚な楔、上からはクリスの情熱的な舌。二方向からの侵略に、エリオットの思考は泥のように溶け崩れていく。
 しかし、それで終わりではなかった。
 二人の兄が与える直接的な快楽の波に翻弄されるエリオットの、さらに別の場所へ、冷ややかな指先が這った。
 ゼムだった。
 彼は、道具も魔術も使わず、ただその長い指だけで、エリオットの敏感な肌をなぞり始めた。汗ばんだ首筋、強張った脇腹、そして震える胸の突起へ。
 彼は、アレクシスとクリスが見逃している、エリオットの身体の僅かな反応を冷静に読み取っていた。二人が与える激しい刺激の合間を縫うように、神経が過敏になっている箇所を、執拗に、ピンポイントで指先が弾く。

「ここだろう? アレクシスたちの刺激で、神経が焼き切れそうだね。……僕が、もっと深くへ導いてあげる」

 ゼムの指が、アレクシスの律動に合わせて、エリオットの秘所の入り口付近にある、最も感じやすい一点をこりこりと擦り上げた。

「ひッ……!? や、だめ……そこは、おかしく、なる……ッ!」

 塞がれた唇の端から、悲鳴のような拒絶が漏れる。だが、ゼムは止めるどころか、さらに指の動きを速めた。アレクシスが奥を突き、クリスが舌を吸い上げ、その瞬間にゼムが弱点を責める。三人の完璧な連携。それは、エリオットの理性を破壊し、ただ快感に泣き叫ぶだけの肉人形へと変えるための、残酷で甘美な拷問だった。

「あ……ぁ……にい、さま……っ! んぐ、ぅ……ッ!」

 誰の名を呼んでいるのか、エリオット自身にも分からなかった。視界には、愛欲に染まった三人の兄の顔が代わる代わる映り込み、やがて混ざり合っていく。
 アレクシスの支配的な律動が、内臓の位置をずらすほど深く突き刺さる。
 クリスの独占的な口づけが、酸素と正気を奪い続ける。
 ゼムの探求的な指先が、逃げ場のない快楽の地獄へと突き落とす。
 三方向から同時に注ぎ込まれる、ねっとりとした重い愛情の奔流。
 身体が引き裂かれるような恐怖は、いつしか、自分が自分でなくなっていくような陶酔へと変わっていた。
 三人の兄によって、身体中の穴という穴を塞がれ、愛液と熱で満たされ、心も体もドロドロに溶かされていく。自分という個の輪郭が消滅し、兄たちの欲望を受け入れるためだけの器へと作り変えられていく感覚。それは、恐ろしいほどに甘く、抗いがたい誘惑だった。
 三人の兄たちもまた、互いの存在を認め合い、嫉妬を乗り越え、ただひたすらに、エリオットという一つの存在を共有し、悦ばせることだけに集中していた。
 やがて、誰からともなく、理性のタガが外れる瞬間が訪れる。

「エリオット……! くっ、もう、限界だ……!」
「……可愛い……愛してる……中に出すぞ……!」
「……君は、我々の光だ……全てを、受け入れてくれ……!」

 三つの荒い息遣いと、切羽詰まった愛の言葉が重なり合った瞬間。
 エリオットの身体の中で、そして口の中で、三つの熱い奔流が同時にほとばしった。
 ドクドクと脈打ちながら注ぎ込まれる、白濁した熱。それは、あまりに強烈で、エリオットの許容量を遥かに超えていた。しかし、兄たちは止まらない。最後の一滴まで、自分たちの存在をこの愛しい弟の深奥に刻み込もうと、なおもしがみつき、注ぎ続ける。

「あ、あぁ……ぁ……ッ!」

 エリオットの意識は、目の前が真っ白に弾け飛ぶほどの絶頂と共に、甘い闇の中へと沈んでいった。
 すべてが終わった後も、四人は一つの塊のように絡み合い、離れようとはしなかった。
 部屋に満ちるのは、濃厚な精の匂いと、汗の湿気、そしてゼムの魔術が残した甘く重い残り香。
 エリオットは、兄たちの腕の中で、ぐったりと力なく横たわっていた。その肌には無数のキスマークが散らばり、瞳は焦点が合わず、ただ虚空を見つめている。口元からは、受け止めきれなかったクリスの愛が、一筋垂れていた。
 これが、終わり。そう誓ったはずだった。
 しかし、互いの肌の粘つくような温もりと、まだ体内に残る兄たちの熱を感じながら、四人全員が理解していた。
 これは終わりなどではない。
 彼らの魂を、決して離れることのできない形で結びつけ、共犯者として永遠に堕ちていくための、「始まりの儀式」だったのだと。
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