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8. 特攻隊長の距離感はゼロ
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騎士団長による、公然たる暴走護衛。
軍師による、論理的かつ計画的な精神支配。
諜報担当による、陰湿で粘着質なストーキング。
この三方向からの飽和攻撃により、私の精神はすでに限界寸前だった。もはや学校は私が夢見た輝かしい青春の舞台などではなく、ただひたすらに神経をすり減らすだけの戦場と化していた。毎朝、校門をくぐるたびに胃がキリリと痛み、教室の扉を開ける指は鉛のように重い。
そして私の胃に追い打ちをかけるように、最後の四人目の脅威が、最も直接的で、最も原始的な方法で襲いかかってきた。
前世では「遊撃/特攻担当」だったと名乗る少年、早苗翔。
人懐っこい笑顔と少し癖のある茶髪が特徴の、いわゆる弟系キャラ。彼は、一条くんのように大義名分を振りかざすわけでも、如月くんのように小難しい理屈をこねるわけでも、倉吉くんのように気配を消して背後から忍び寄るわけでもない。
彼の脅威。それはあまりにも単純明快だった。
――物理的な距離感が、ゼロなのだ。
その朝、私が重い足取りで教室に入ると、彼は自分の席で友人と談笑していたが、私の姿を認めるや否や、ぱあっと顔を輝かせた。
「おっ、乃蒼さま! おはよー!」
次の瞬間、彼は椅子から立ち上がると、一直線に私の元へやってきた。そしてごく自然な動作で、私の肩に腕を回してぐいっと引き寄せた。
「なっ……!?」
「昨日ぶりだな! ちゃんと眠れたか?」
耳元で響く、快活な声。少し汗と制汗剤の混じった匂い。近すぎる顔。私の身体は驚きと羞恥でカチンと固まった。
周囲の空気が一瞬で凍り付くのがわかった。
特に、女子生徒たちの視線。それはもはや、嫉妬や羨望を通り越して、明確な敵意と非難の色を帯びていた。「なんなの、あの子……」「早苗くんにあんなことさせて……」「色目使ってるんじゃないの?」。そんな声なき声が、鋭いナイフとなって私の全身に突き刺さる。
「さ、早苗くん! 離してください!」
私は慌てて彼の腕の中から抜け出そうともがく。しかし、彼は「えー、なんでだよー」などと言いながら、まるでじゃれつく子犬のように、さらに強く私を抱き寄せてくる。
「やめろって、ルイ。乃蒼様が困っているだろうが」
見かねた一条くんがクラス委員としての威厳(?)をもって注意する。
「乃蒼様の御身に気安く触れるな、ルイ。不敬であると同時に、計画性を欠いた愚行だ」
如月くんが、冷ややかに分析する。
「……ルイ。お前が乃蒼様に触れた時間、3.7秒。許容範囲を超えている。その腕を切り落とされたいか?」
倉吉くんが、静かな殺気を放つ。
仲間であるはずの三人に一斉に非難され、早苗くんは「ちぇっ、なんだよみんなして」と不満そうに口を尖らせながらもようやく私から腕を離した。
私は燃えるように熱くなった顔を隠すように、そそくさと自分の席に着く。心臓が、ありえないくらいバクバクと音を立てていた。
早苗翔の脅威はこれまでの三人とは全く質が異なっていた。
一条くんの護衛は、あくまで「女王陛下をお守りする騎士」というロールプレイの範疇だ(と、無理やり解釈できなくもない)。如月くんや倉吉くんのアプローチは、陰湿ではあるが、直接的な接触は少ない。
しかし、早苗くんは違う。彼には、遠慮という概念が一切ない。
彼にとって、私に触れることは呼吸をするのと同じくらい自然なことらしいのだ。
休み時間になれば、彼は私の机の前に陣取る。
「なあなあ、乃蒼さま。昨日のテレビ見た? めっちゃ面白かったんだけど!」
そう言って彼は私の机に肘をつき、身を乗り出してくる。その距離、わずか数十センチ。私が少しでも身じろぎすれば、鼻先が触れてしまいそうなほどの至近距離だ。
私がノートに書き物をしていれば、「ん? 何書いてんだ?」と言いながら、背後からひょいと覗き込んでくる。その際、彼の顎が私の肩に当たり、吐息が首筋にかかる。そのたびに、私は「ひぃっ!」と小さな悲鳴を上げることになる。
そして、最も心臓に悪いのが、彼の得意技である「頭なでなで」だ。
「乃蒼さまって、髪サラサラだよなー。なんか、触り心地いい」
彼は何の悪気もなく、本当にただ思ったことを口にしながら、わしわしと私の頭を撫でてくる。それは、小動物を可愛がるような、実に無邪気な手つきだった。
しかし、その無邪気さが私を地獄へと突き落とす。
教室の隅々から突き刺さる、女子生徒たちの嫉妬と怨嗟の視線。もはや、私のクラス内での立場は「イケメン四人組を独占する、いけ好かない女」として完全に確立されてしまっていた。
健康診断の日に話しかけてくれた莉緒ちゃんだけが、私の唯一の逃げ場だった。昼休み、彼女がお弁当を持って私の席に来てくれた時だけが、私が唯一、息を継げる時間だった。
「いやー、今日もすごいね、乃蒼ちゃんガード。特にあのワンコみたいな子、距離感どうなってんの?」
「莉緒ちゃん……もう私の胃は限界……」
「あはは、まあまあ。ほら、卵焼きあげるから元気出しなよ」
莉緒ちゃんは面白がりながらも、私の境遇に同情してくれているようだった。彼女との会話だけが私の正気を保つための最後の砦だった。
だが、そんな聖域にすら、彼は土足で踏み込んでくる。
「お、なんか美味そうなもん食ってんじゃん! 乃蒼さま、それ一口ちょーだい!」
早苗くんが、私たちの会話に何の躊躇もなく割り込んできた。そして、私が返事をする前にひょいと私の弁当箱から唐揚げを一つ、つまみ食いしてしまった。
「あーっ!」
「ん、うまっ! さすが乃蒼さまだな!」
彼は私の抗議の声など全く聞こえていないかのように、満足げに唐揚げを頬張る。
「こら、ルイ! 乃蒼様のお食事に手を付けるとは何事だ!」
「ルイ、貴様のその行動が乃蒼様の摂取カロリー計算にどれだけの影響を及ぼすか理解しているのか?」
「……ルイ、お前の指、乃蒼様の唐揚げの油で汚れているな。後で綺麗に消毒(物理)してやろう」
すぐさま、他の三騎士がそれぞれのやり方で早苗くんを牽制する。あっという間に、私の机の周りは、学園のトップカースト男子による奇妙な言い争いの場と化した。
莉緒ちゃんはその光景を「あんた、少女漫画の主人公みたいだね」と、ポップコーンでも食べそうな勢いで面白がっている。やめてくれ、私は平凡なモブキャラAで、平凡な生活を送りたいんだ。
彼に悪気がないことは、痛いほどわかっていた。
彼は他の三人のように、私を「女王陛下」として崇め奉っているというよりは、もっと単純に前世で親しかった相手に昔と同じように接しているだけなのだ。
「だってよー、前世じゃ、これくらい普通だったじゃんか。戦いの後とか、お互いの傷の手当てしたり、疲れたら肩組んで歩いたり。乃蒼さまだって、よく俺の頭撫でてくれただろ?『よくやった、私の狼』って」
そんな記憶は私には一ミリもない。
しかし、彼の中ではそれが「常識」であり、揺るぎない「事実」なのだ。
だから私は彼の無邪気なスキンシップを、強く拒絶することができない。彼の行動の根底にあるのが、純粋な親愛の情だとわかっているからだ。
だが、その純粋さが私を社会的に抹殺していく。
一条彰人が起こす騒動は、クラス中を巻き込む「お祭り」のような側面があった。如月伊呂波と倉吉凪の脅威は、水面下で進行するため、表面的には気づかれにくい。
しかし、早苗翔の脅威は違う。それはじわじわと、しかし確実に、女子生徒という巨大な勢力を敵に回していく、最も厄介な時限爆弾だった。
私の胃はもはや限界を超えて、悲鳴すら上げなくなっていた。
ただ静かに、その機能を停止させようとしているのを感じる。
四人目の騎士、早苗翔。
特攻隊長の名にふさわしく、彼の「距離感ゼロ」という名の特攻は、私の平凡な日常への願いと、脆い人間関係を正面から木っ端微塵に破壊していくのだった。
軍師による、論理的かつ計画的な精神支配。
諜報担当による、陰湿で粘着質なストーキング。
この三方向からの飽和攻撃により、私の精神はすでに限界寸前だった。もはや学校は私が夢見た輝かしい青春の舞台などではなく、ただひたすらに神経をすり減らすだけの戦場と化していた。毎朝、校門をくぐるたびに胃がキリリと痛み、教室の扉を開ける指は鉛のように重い。
そして私の胃に追い打ちをかけるように、最後の四人目の脅威が、最も直接的で、最も原始的な方法で襲いかかってきた。
前世では「遊撃/特攻担当」だったと名乗る少年、早苗翔。
人懐っこい笑顔と少し癖のある茶髪が特徴の、いわゆる弟系キャラ。彼は、一条くんのように大義名分を振りかざすわけでも、如月くんのように小難しい理屈をこねるわけでも、倉吉くんのように気配を消して背後から忍び寄るわけでもない。
彼の脅威。それはあまりにも単純明快だった。
――物理的な距離感が、ゼロなのだ。
その朝、私が重い足取りで教室に入ると、彼は自分の席で友人と談笑していたが、私の姿を認めるや否や、ぱあっと顔を輝かせた。
「おっ、乃蒼さま! おはよー!」
次の瞬間、彼は椅子から立ち上がると、一直線に私の元へやってきた。そしてごく自然な動作で、私の肩に腕を回してぐいっと引き寄せた。
「なっ……!?」
「昨日ぶりだな! ちゃんと眠れたか?」
耳元で響く、快活な声。少し汗と制汗剤の混じった匂い。近すぎる顔。私の身体は驚きと羞恥でカチンと固まった。
周囲の空気が一瞬で凍り付くのがわかった。
特に、女子生徒たちの視線。それはもはや、嫉妬や羨望を通り越して、明確な敵意と非難の色を帯びていた。「なんなの、あの子……」「早苗くんにあんなことさせて……」「色目使ってるんじゃないの?」。そんな声なき声が、鋭いナイフとなって私の全身に突き刺さる。
「さ、早苗くん! 離してください!」
私は慌てて彼の腕の中から抜け出そうともがく。しかし、彼は「えー、なんでだよー」などと言いながら、まるでじゃれつく子犬のように、さらに強く私を抱き寄せてくる。
「やめろって、ルイ。乃蒼様が困っているだろうが」
見かねた一条くんがクラス委員としての威厳(?)をもって注意する。
「乃蒼様の御身に気安く触れるな、ルイ。不敬であると同時に、計画性を欠いた愚行だ」
如月くんが、冷ややかに分析する。
「……ルイ。お前が乃蒼様に触れた時間、3.7秒。許容範囲を超えている。その腕を切り落とされたいか?」
倉吉くんが、静かな殺気を放つ。
仲間であるはずの三人に一斉に非難され、早苗くんは「ちぇっ、なんだよみんなして」と不満そうに口を尖らせながらもようやく私から腕を離した。
私は燃えるように熱くなった顔を隠すように、そそくさと自分の席に着く。心臓が、ありえないくらいバクバクと音を立てていた。
早苗翔の脅威はこれまでの三人とは全く質が異なっていた。
一条くんの護衛は、あくまで「女王陛下をお守りする騎士」というロールプレイの範疇だ(と、無理やり解釈できなくもない)。如月くんや倉吉くんのアプローチは、陰湿ではあるが、直接的な接触は少ない。
しかし、早苗くんは違う。彼には、遠慮という概念が一切ない。
彼にとって、私に触れることは呼吸をするのと同じくらい自然なことらしいのだ。
休み時間になれば、彼は私の机の前に陣取る。
「なあなあ、乃蒼さま。昨日のテレビ見た? めっちゃ面白かったんだけど!」
そう言って彼は私の机に肘をつき、身を乗り出してくる。その距離、わずか数十センチ。私が少しでも身じろぎすれば、鼻先が触れてしまいそうなほどの至近距離だ。
私がノートに書き物をしていれば、「ん? 何書いてんだ?」と言いながら、背後からひょいと覗き込んでくる。その際、彼の顎が私の肩に当たり、吐息が首筋にかかる。そのたびに、私は「ひぃっ!」と小さな悲鳴を上げることになる。
そして、最も心臓に悪いのが、彼の得意技である「頭なでなで」だ。
「乃蒼さまって、髪サラサラだよなー。なんか、触り心地いい」
彼は何の悪気もなく、本当にただ思ったことを口にしながら、わしわしと私の頭を撫でてくる。それは、小動物を可愛がるような、実に無邪気な手つきだった。
しかし、その無邪気さが私を地獄へと突き落とす。
教室の隅々から突き刺さる、女子生徒たちの嫉妬と怨嗟の視線。もはや、私のクラス内での立場は「イケメン四人組を独占する、いけ好かない女」として完全に確立されてしまっていた。
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「いやー、今日もすごいね、乃蒼ちゃんガード。特にあのワンコみたいな子、距離感どうなってんの?」
「莉緒ちゃん……もう私の胃は限界……」
「あはは、まあまあ。ほら、卵焼きあげるから元気出しなよ」
莉緒ちゃんは面白がりながらも、私の境遇に同情してくれているようだった。彼女との会話だけが私の正気を保つための最後の砦だった。
だが、そんな聖域にすら、彼は土足で踏み込んでくる。
「お、なんか美味そうなもん食ってんじゃん! 乃蒼さま、それ一口ちょーだい!」
早苗くんが、私たちの会話に何の躊躇もなく割り込んできた。そして、私が返事をする前にひょいと私の弁当箱から唐揚げを一つ、つまみ食いしてしまった。
「あーっ!」
「ん、うまっ! さすが乃蒼さまだな!」
彼は私の抗議の声など全く聞こえていないかのように、満足げに唐揚げを頬張る。
「こら、ルイ! 乃蒼様のお食事に手を付けるとは何事だ!」
「ルイ、貴様のその行動が乃蒼様の摂取カロリー計算にどれだけの影響を及ぼすか理解しているのか?」
「……ルイ、お前の指、乃蒼様の唐揚げの油で汚れているな。後で綺麗に消毒(物理)してやろう」
すぐさま、他の三騎士がそれぞれのやり方で早苗くんを牽制する。あっという間に、私の机の周りは、学園のトップカースト男子による奇妙な言い争いの場と化した。
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彼は他の三人のように、私を「女王陛下」として崇め奉っているというよりは、もっと単純に前世で親しかった相手に昔と同じように接しているだけなのだ。
「だってよー、前世じゃ、これくらい普通だったじゃんか。戦いの後とか、お互いの傷の手当てしたり、疲れたら肩組んで歩いたり。乃蒼さまだって、よく俺の頭撫でてくれただろ?『よくやった、私の狼』って」
そんな記憶は私には一ミリもない。
しかし、彼の中ではそれが「常識」であり、揺るぎない「事実」なのだ。
だから私は彼の無邪気なスキンシップを、強く拒絶することができない。彼の行動の根底にあるのが、純粋な親愛の情だとわかっているからだ。
だが、その純粋さが私を社会的に抹殺していく。
一条彰人が起こす騒動は、クラス中を巻き込む「お祭り」のような側面があった。如月伊呂波と倉吉凪の脅威は、水面下で進行するため、表面的には気づかれにくい。
しかし、早苗翔の脅威は違う。それはじわじわと、しかし確実に、女子生徒という巨大な勢力を敵に回していく、最も厄介な時限爆弾だった。
私の胃はもはや限界を超えて、悲鳴すら上げなくなっていた。
ただ静かに、その機能を停止させようとしているのを感じる。
四人目の騎士、早苗翔。
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