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夢なんてろくなもんじゃねえ
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「…またかよ」
はぁ、なんでこう、気分が高まっている時に限って夢を見るのか…。引きこもりには幸せになる事も権利もないんですかね。
「しかも何もねぇ…どうすりゃいいんだ」
そう、何も無いのが1番困る。何かがあればそれ相応のリアクションはするだろう。だが何もないとなると感情が何一つ湧かない。これなら虫でも居た方がましだ。いや居たら嫌だけど。
「…うっ」
また頭痛か…。正直辛いんだよな。まあ痛いのもあるけど…。
「”あいつ”が居る」という証拠だし。
「やっほー」
噂をすれば何とやら。何故こいつはたった4文字で人の神経を逆撫でする事ができるのか。
「あぁ…今度は何だよ」
「え!?まさか興味ある感じ!?いやー、最近少しずつ体調が良くなってきてるみたいでね~!毎日ご飯がおいしいよ!あ!あとね、友達が一緒に遊ぼうって私の事を誘ってきて…」
始まった。こいつは話をさせると止まらない。だからもう聞き流す事に専念している。てか俺に聞く義務ないし。
「…でね!?半年ぶりに外出出来たんだよ!?学校にもそろそろ行けるんだ!いやぁ嬉しいなぁ…これで隣の席のあの子にも…ふふふっ」
…待てよ、俺はこの声に聞き覚えがある。そして恐らく今までの発言を結びつけると…!
いや、そんな筈がない、と言うか信じたくない。
「いやー、楽しみだな~!」
やめてくれ。
「あと1週間くらいかな~」
やめて…
「そうそう、その隣の席の男の子の名前はね…」
「やめろッ!!!」
彼女は突然俺が叫ぶもんだから思いっきり驚いていた。発言を強制的に止めた。いや、そうでもしなかったら俺が死んでいた。
「…え?」
手が震える。喉からうまく声が出ない。聞きたくない、でも、聞かなければいけない…!
必死に身体の震えを抑え、語りかける。
「…お前、2-5の結城だろ?」
…時間が止まった、そう思える程に数秒が永く感じられた。
はぁ、なんでこう、気分が高まっている時に限って夢を見るのか…。引きこもりには幸せになる事も権利もないんですかね。
「しかも何もねぇ…どうすりゃいいんだ」
そう、何も無いのが1番困る。何かがあればそれ相応のリアクションはするだろう。だが何もないとなると感情が何一つ湧かない。これなら虫でも居た方がましだ。いや居たら嫌だけど。
「…うっ」
また頭痛か…。正直辛いんだよな。まあ痛いのもあるけど…。
「”あいつ”が居る」という証拠だし。
「やっほー」
噂をすれば何とやら。何故こいつはたった4文字で人の神経を逆撫でする事ができるのか。
「あぁ…今度は何だよ」
「え!?まさか興味ある感じ!?いやー、最近少しずつ体調が良くなってきてるみたいでね~!毎日ご飯がおいしいよ!あ!あとね、友達が一緒に遊ぼうって私の事を誘ってきて…」
始まった。こいつは話をさせると止まらない。だからもう聞き流す事に専念している。てか俺に聞く義務ないし。
「…でね!?半年ぶりに外出出来たんだよ!?学校にもそろそろ行けるんだ!いやぁ嬉しいなぁ…これで隣の席のあの子にも…ふふふっ」
…待てよ、俺はこの声に聞き覚えがある。そして恐らく今までの発言を結びつけると…!
いや、そんな筈がない、と言うか信じたくない。
「いやー、楽しみだな~!」
やめてくれ。
「あと1週間くらいかな~」
やめて…
「そうそう、その隣の席の男の子の名前はね…」
「やめろッ!!!」
彼女は突然俺が叫ぶもんだから思いっきり驚いていた。発言を強制的に止めた。いや、そうでもしなかったら俺が死んでいた。
「…え?」
手が震える。喉からうまく声が出ない。聞きたくない、でも、聞かなければいけない…!
必死に身体の震えを抑え、語りかける。
「…お前、2-5の結城だろ?」
…時間が止まった、そう思える程に数秒が永く感じられた。
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