閻魔大王の判決

みゆたろ

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拓海

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「被告人、名前をー」
「山崎拓海です。」
「被告人は現在の判決に納得できないーーそうですね?」
そう聞いたのは案内人だ。
「当たり前だ。こんな結果で納得できる訳がないーー」
「では、被告人、あなたの望む判決はどんなですか?」
「俺は、一人になりたくないんだ。みんなといたいんだ」
「あなたの人生を振り返ってみてください」
案内人が言う。
「はい」
拓海は目を閉じた。
これまでの人生を振り返る為にーー。
「ーーあなたの人生はどんなでしたか?」
「色んな人を傷つけました」
「それでも、あなたの側には誰かいましたか?」
「ーー誰もいなかった」
拓海の大きな瞳から涙が溢れだす。本気の涙だった。
「あなたはどう思いましたか?」
「誰かにいてほしくて、、誰もいてくれなくて、俺は一人が怖かった。だから、、」
もう声が震えている。
拓海は拓海なりの思いがあった事を知る。
「ーーだからと言って、人を傷つける事を繰り返してもいいという事でもないですよ?あなたはそれを繰り返して、幸せでしたか?」
「幸せじゃなかったーーほんとはいつも寂しくて仕方がなかった。でも、誰もいない事の寂しさを誰にも伝えられなくて、気がついたらこんな人生を歩いていた」
「それでは聞きます。ーー被告人は今、裁判のやり直しをしています」
黙って拓海はそれに頷く。
「ーーそれにより、今後生き返る可能性もあるのは、わかっていますね?」
「はい」
「ーーもしも、生き返る事が出来たら、被告人は改めてどんな人生を歩きたいですか?」
「今度は友人や恋人に囲まれて過ごせる自分になりたい」
「わかりました。ーーあなたにとって今までの人生を思い出して、その思いを言葉にしてみてください」
「ーー後悔と孤独です」
「どちらの思いが強いですか?」
「孤独です」
「今までのあなたの行動に反省すべきところはありませんか?」
「ーーあると思います」
「どうしたら、人に囲まれて過ごせると思いますか?」
「自分の思いを伝え、相手を思いやる事が出来れば、人がいてくれる自分になれるんじゃないか?ーーそう思いますが、、」
「そうですね」
案内人はニッコリと微笑んだ。
それはゴツイ体の割に、優しそうな笑顔に見えた。
黙って聞いていた裁判長も、言葉を発することなく頷いている。
裁判長が、言葉を発する。
「ーーそれでは、被告人、山崎拓海の控訴審を終わります。判決が出るまでこの部屋でお待ちください」
暗闇の中へと案内人は消えていった。
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