ナヨナヨ男vs筋肉ムキムキ女の恋

茜、別れの手紙を受けとる

台風が過ぎ去り、異常な暑さが回復してきていた。これも温暖化のせいだろうか。

３０度越えの気温の中、大輝も覚悟を決め茜に電話をした。
ただこの手紙を渡すだけでいい。
詳細は話さないでほしい、と和樹から頼まれている。しかし、それで彼女は納得してくれるだろうか？

「和樹から預かったものがある。君に渡したいんだけど...」

友人、笠松大輝からの電話でそう言われ、それを受けとるため、いつも三人でたむろしていた喫茶店で待ち合わせた。

喫茶店につくとホットコーヒーを頼んで茜が来るのを待つ。

カランカラン。

店のドアをあけると、鈴の音がなるようになっている。茜だ。
大輝は手を上げてここだと声をかける。

変に鼓動が高鳴る。

ーー彼女に八つ当たりされないだろうか？

席に座るとすぐに茜もコーヒーを注文した。

「ーーそれで、渡されたものって？」

見るからにスゴイ筋肉だ。
茜とやりあったら、間違いなく負けるだろう。

「怒らないで受け取ってくれよ」