経歴。

みゆたろ

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病室

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病室。

「翔太、今ね、お医者さんから説明があったわよ!明日には退院出来るって!」

満面の笑みを浮かべて、由美がそう言っているのに、翔太の表情は深い影を落とした。

「退院できるのよ!?ーー良かったじゃない?」

ーーあ、あのさ。由美?

それまで黙っていた翔太が、一枚の紙切れを由美に渡す。
受け取った紙を開くと、それは離婚届だった。

「ーー何これ?」

「さっきの話の続きだよーー本気で俺と別れてくれ」

一方的な別れ話である。
身勝手なのは百も承知だ。だが、これが二人にとって最善の選択であると翔太は信じている。

「ーーその前に、ちゃんとした説明してくれる?」

ベッドの横の丸イスに座って、翔太の目を愛おしそうに上目遣いで見つめると、由美は翔太の手を取ると言う。

「ちゃんと説明して!!ーー翔太」

由美は泣き出したのだろうか。
白いキレイな掌で、彼女は顔を覆った。
その姿にオロオロしながら翔太は言う。

「ーーわ、わかったから、泣くなって!!ほら、ちゃんと話すから、聞いてくれ!!」

彼女の白い掌で覆われて、隠されていた顔を出すと、白い歯を見せて由美は笑った。

ーーなんだよ。
ーー嘘泣きだったのかよ!

まるで独り言のようにぼやいていたが、幸いな事に由美には聞こえていない様だった。

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