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説明
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ーーうーん。
翔太はボリボリと頭を掻いた。
何から説明するべきか?考えているのだろう。
「ーーまず、あなたが犯したと言っている罪の詳細を教えて!」
由美がそう切り出した。
「俺は罪深い人間だ。罪はいくつもある」
由美のその表情は深い影を落としていたが、少しの間が合って、覚悟を決めたような真剣な眼差しを浮かべる。
「全部、聞かせて!」
「いいんだな?」
確認するように俺は再度聞いた。
由美はそれにうん、と頷く。
「二十年前、俺はいわゆるひったくりをして、警察に捕まったんだ。その時は、まだ未成年だったから、名前も報道されてない。そして十年前、俺は五人もの人を傷つけた通り魔として逮捕された。そして仮釈放の時だった。俺はやってもいない傷害の罪を押し付けられた。あの時の山瀬弘之。そしてあの女背は150そこそこで二重、夜のクラブなどで働いていそうな女。(名前は高田純)はグルだったに違いない。ーー下手をしたらあの被害者の男(寺田修一)もーー」
矢継ぎ早に、俺はそこまで話した。
由美の顔は真剣そのものだった。
「ーー最後の傷害はあなたの罪じゃないんでしょ?」
「ーーあぁ」
「犯人は?」
「後日、逮捕されたって報道があったよ」
ーーそう。良かった。
「あと、なんだ?俺は何を話せばいい?」
少しの間、考えていた様子だったが、由美は口を開いた。
「さっきのって何?」
「なんの事だ?」
「ほら、あなた目を覚ました時に言ってたじゃない?さっきのは夢だったのか?って」
「俺、そんな事言ったか?」
「言ってたわよ。もしかして、それが原因で別れようなんて言ってるんじゃないの?」
由美はそう言った。
「ーーあぁ、あの事か。俺、この10日間の間に夢を見たんだ」
翔太はボリボリと頭を掻いた。
何から説明するべきか?考えているのだろう。
「ーーまず、あなたが犯したと言っている罪の詳細を教えて!」
由美がそう切り出した。
「俺は罪深い人間だ。罪はいくつもある」
由美のその表情は深い影を落としていたが、少しの間が合って、覚悟を決めたような真剣な眼差しを浮かべる。
「全部、聞かせて!」
「いいんだな?」
確認するように俺は再度聞いた。
由美はそれにうん、と頷く。
「二十年前、俺はいわゆるひったくりをして、警察に捕まったんだ。その時は、まだ未成年だったから、名前も報道されてない。そして十年前、俺は五人もの人を傷つけた通り魔として逮捕された。そして仮釈放の時だった。俺はやってもいない傷害の罪を押し付けられた。あの時の山瀬弘之。そしてあの女背は150そこそこで二重、夜のクラブなどで働いていそうな女。(名前は高田純)はグルだったに違いない。ーー下手をしたらあの被害者の男(寺田修一)もーー」
矢継ぎ早に、俺はそこまで話した。
由美の顔は真剣そのものだった。
「ーー最後の傷害はあなたの罪じゃないんでしょ?」
「ーーあぁ」
「犯人は?」
「後日、逮捕されたって報道があったよ」
ーーそう。良かった。
「あと、なんだ?俺は何を話せばいい?」
少しの間、考えていた様子だったが、由美は口を開いた。
「さっきのって何?」
「なんの事だ?」
「ほら、あなた目を覚ました時に言ってたじゃない?さっきのは夢だったのか?って」
「俺、そんな事言ったか?」
「言ってたわよ。もしかして、それが原因で別れようなんて言ってるんじゃないの?」
由美はそう言った。
「ーーあぁ、あの事か。俺、この10日間の間に夢を見たんだ」
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