経歴。

判決

この世での俺の罰則は、通り魔殺人だけで無期懲役ーーいわゆるいつも出所出来るか？わからない。仮に出所出来たとしても、法の元に監視下に置かれる事になるようだ。

それだけの事をしたのだろう。
俺はこの罪を償う事が出来るのだろうか？

刑務所と言われる場所はとても狭く、大きな鉄格子がはめられている。
複数人で入るのかと思ったら、俺は一人部屋だった。
凶悪な犯人だからだろうか？
それともすべての犯人が一人部屋なのだろうか？
不意にそんな事を考えていたが、俺にその真実はわかるはずがなかった。俺のいる部屋から見える場所は、みんな、それぞれ一部屋ずつ使っているようにも見えるが、それ以外は見えない。

凶悪な犯人だから、と言う理由で自らを納得させるしかなかった。

ーー中澤翔太、面会だ！出ろ！

命令口調で目付きの悪い刑事が言った。

ーーきっと由美だ。裕太と一緒に来てくれたんだ。

浮き足立てて、俺は面会室に向かうと、由美が笑って待っていた。

「ーー久しぶり。どう？あなたなりに罪を償う方法は見つかりそう？」

頭を横に振ってその質問を否定した。

「ところで、お前たちの方は、家は大丈夫か？嫌がらせとかされてないか？」

面会室の仕切り盤が、二人を引き離している。それは分かってるのに、仕切り盤に両手をつきながら、俺は由美に確認した。

「ーー大丈夫。そんな事されてないわよ！」

由美はそう言った。

「でも、俺で本当に良かったのか？ーーただの犯罪者だぞ？」

俺は由美に再びそう聞いたが由美の顔に動揺の色が浮かぶ事はなかった。

やはり別れた方が良かったんじゃないだろうか？二人の為にもーー。
そう思ったが、俺は敢えて口には出さなかった。

「ーーまた来るわね！」

由美はそう言って帰っていった。
二人で共に過ごしたあの家にーー。