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生放送

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テレビカメラが洋子を追う。

「ーー長沢さん、今後の事を決めるというのはどういう事ですか?」

詳しく知らされていないのだろう。
テレビカメラで追いながらの質問だ。

「簡単な事ですよ。これから生涯を共に生きる相手をこのゲームで決めようと思っています」  

「ゲームで将来を決めると言うのは、いささか問題があるようにも思いますがーーあなたのタイプの人はどんな方なんですか?」

「タイプ、、ですか?ーーそれがわからないからゲームで決めようと思ったんです」

「あなたはそれで後悔しないんですか?」

「後悔しない、とは言い切れませんね」

洋子は微かに不安の色を落とす。
しかし、余裕そうに笑って見せた。

「あなたの今の心境はーー?」

「そうですねーーワクワクしています」

「いくつか、考えているゲームで相手を決めるわけですから」

「ーーこの場だけそう言って誤魔化すような事は??」

「絶対にありません。相手さえ良ければ私は書きましょう。婚姻届をーー」

ポケットの中に折り畳まれた紙があるのを取り出し、テレビカメラに向ける。
それは婚姻届だった。

本気だからこそ、持ち歩いているものなのだろう。

取材を受けている間中にも、洋子のツイッターなどは、着実に数字を延ばしていた。
それを見て、洋子は確信する。

ーー私はもてている。
ーー勘違いなんかじゃない。

さぁ、鬼ごっこの再開だ。
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