奇跡

みゆたろ

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瓦礫の山からようやくの思いで降りると、ミケを抱えたまま、もう見えている自宅へと連れて行く。

ミケは場所の確認をする様にして、至るところの匂いを嗅ぎ回っている。
何かを思い付いたように、突然、にゃーと掠れた声で鳴くとすぐ、私の方にトコトコと歩いてきた。
少し背中を延ばすようにしたり、毛繕いをしたりしながら。

ミケは私の膝の上に飛び乗った。

その瞬間、私は頭の中に火花の様な衝撃を感じた。目映いくらいの光に包まれたかと思った。とても温かい感情が、心の奥底から沸き上がってくるのを感じた。

ーーさっき、抱き抱えた時はこんなのなかったのに。なんで??

ーーなんで?
ーーなんで??
ーーなんで???

不思議だった。次々に浮かび上がる疑問符を払拭するかのように、頭をブルブルと振ってみる。
一体、何が起こったのか。
私は恐る恐るミケの手に再び触れた。

さっき感じた光《もの》よりも、強く温かい光が私を包んだ。眩しすぎて、私は目を閉じる。
その光が原因なのか。先程と同じようにして突然、私の中に温かい感情が湧き出してくるのが分かる。
この感情は夢じゃない。

ほんの少しの時間が立って、眩しさにも慣れてきたおかげで、ようやく目を開けた。そこには山口ツカサが立っていた。

ーー覚えてる。
ーーこの感触。そしてこの匂い。
ーそして、この笑顔。

「ツ...ツカサなの?」

驚きの余りに目を大きくして、思わず口元に手をやった。
私が驚くとどうしても、こうなってしまうのは昔からのクセだった。

「何を言ってるんだ?俺だよ!ツカサ」

目の前にいるその男は、忘れもしない七年前の私の誕生日、その日だった。
山へ行くと行って出かけていって、戻ってこなかった彼ーー山口ツカサ(当時15)そこには彼が立っていた。
あの頃と何も変わらない顔をしている。
年相応に老けてもいない。不思議な事に彼は15歳だったあの頃のままだ。

山口ツカサは長身で、目もとがハッキリとしていて、鼻が高い。
どちらかと言うとイケメンの部類になるのかも知れない。

ーーどうして?
ーー何であの日、帰ってきてくれなかったの?
    
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