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便り
その三
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午前十一時、カフェ『オクトゴーヌ』が開店し、ランチタイムに向けて少しずつ客席が埋まり始めていた。この日は堀江と根田が接客を担当し、悌が厨房に、義藤はカウンターに入っている。
「くまぬおすすめランチってぬー?」
藍色の紬の生地で作られたアロハシャツ姿の男性客がメニューを見せながら義藤に尋ねている。
「全部っす」
「さすがにむるー食べられらんよ」
若き従業員の返しに客はハハハと笑う。
「だって全部美味いんすもん。魚が好きなら“ヅケカツ定食”はいかがっすか?」
「うん、ちゅーやうりっし」
「ん?」
義藤は客の言っている言葉が理解できずにいた。
「『今日はそれにする』って言うてん」
「かしこまりましたぁ! “ヅケカツ定食”入りまぁす!」
義藤が厨房にオーダーを伝えに行くと、今度は嶺山がカウンターに入ってきた。
「こう見たらお前やっぱり浮いとるのぅ」
「港町イメージしてみたんんやいびーんが、くまとぅー合わんたんみたいやいびーん」
「何言うとんか分からん」
嶺山は馴染みの薄い方言を使う男性に失笑を向ける。
「港町をイメージしてみたけど、こことは合わんかったみたいや言うたんです」
「あっそう。まぁその方がらしさは出とるで」
「ホンマですか? これ気に入っとるんです」
男性客にとってアロハシャツはお気に入りのようだ。
「ところで、いつここへ来たんや?」
「昨夜です。部屋探すんに一週間くらいおる予定です」
「そうか。ならついでにここも見とくか?」
「はい」
嶺山は背後にある厨房を指し、男性客は頷いてみせた。
二人はかつて働いていた神戸にあるパン屋の先輩後輩の間柄であり、知り合ってから八年ほどの付き合いになる。先輩にあたる嶺山はそこを三年前に退職し、かつて祖父母が暮らしていた土地を買い取って昨年自身の店をオープンさせた。
一方の男性客こと浜島與は嶺山の後輩で、彼よりもひと足先に退職した後結婚して彼の家系のルーツである沖縄に移住した。そこで自身のパン屋をオープンさせたが、三年前に妻を火災事故で亡くして以来パン作りを辞めてしまっている。
結局オープンさせたパン屋は一年も営業せずに閉店し、最近になってようやく店を引き上げて郷である兵庫に戻った。しかし『アウローラ』の火災を風の便りで知り、それに合わせたかのように嶺山からの手紙で再建の手伝いを頼まれたことでこの街に移住する決意を固めたばかりである。
「まぁ取り敢えず腹ごしらえやな、話はそれからや」
嶺山はゆっくりとした足取りで“ヅケカツ定食”を運ぶ義藤を見ながら言った。彼は食器をカタカタといわせながら、掃除の時とは別人かと思わせるほどおぼつかない動きをしている。
「だっ大丈夫なん?」
「あれでもマシになったねん、陶器が苦手とか言うてたわ」
「あぁ分かる気する」
浜島は義藤の様子をただじっと眺め、急かすことはしない。義藤は何とかこぼさずにそろーっと浜島の前の御膳を置き、それに安堵した途端いつもの調子に戻った。
「“ヅケカツ定食”お待たせ致しましたぁ」
「ありがとう、頂きます」
浜島は手を合わせてから早速カツに箸を伸ばす。一口目はそのまま食べて、衣のサクサク感を楽しんでいる。
「うん、まーさん」
「ありがとうございまぁす」
二口目はつけダレを軽くつけてから、ご飯の上に乗せて一緒に口に入れた。それからは黙々と食事を進め始めたので、義藤はカウンターを出てテーブル席の後片付けに精を出す。食事に集中している後輩の姿に安心した嶺山は次なる仕事のため厨房に入っていった。
『アウローラ』に浜島が加入し、かつては自身で店を構えていただけあって早くも即戦力となっている。そして一緒に働く日高や北村ともすぐに仲良くなり、『オクトゴーヌ』のメンバーとも友好的に接してあっという間に場に溶け込んでいた。
ホテルに滞在中の間部屋探しはしていたものの旅の疲れから風邪をひき、結局その間で部屋を決められず今はかつて川瀬が使っていた『離れ』の一室に収まっている。取り敢えず持参している荷物だけを持ち込んで、実家の家族に荷物の運搬手続きを頼んだりしながら何とか部屋っぽく仕上げていた。
そんなこんなで七月が目前に迫り、この日『オクトゴーヌ』はカフェ営業を休んで客室清掃を念入りに行っていた。一方店舗を共有している『アウローラ』は通常営業を行っており、朝からたくさんの客がパンを買うため列を作っている。
店舗としてオープンさせてから一年と少し、放火被害で今は間借りと車での出張営業で着実にファンを増やしている。その甲斐あって今は箱館で五本の指に入る人気店となっていた。
「邪魔するで」
忙しさが一旦落ち着く午前十時過ぎ、長身細身の男性三人組が物々しい雰囲気をかもし出して店内に入ってきた。邪魔するんなら帰ってなどと言えるはずもなく、接客を担当している雪路が応対する。
「いらっしゃいませ」
三人組の客人はこの周辺では見掛けないが、彼女は左側に立っている男性には見覚えがあった。
「先日はたくさんお買い上げ頂きありがとうございました」
「大層美味しく頂きました。ただ今日は別用で伺いました」
「そうなんですね、ってことは兄を呼んだ方が良さそう……」
その言葉を受けて中央に立っていた男性はサングラスを外し、雪路に名刺を差し出した。
「済まんけどそうしてもらえるやろか? あとついでにペンションのオーナーさんにも話通してほしいんや」
「かしこまりました、先に兄を呼んできます。そこの椅子で宜しければお掛けになってお待ちください」
雪路はカウンター席の椅子を勧めてから、厨房にいる嶺山を呼びに走った。
「お兄ちゃん、『播州建設』の方が用があるって見えられてるんや……あっ、これ名刺な」
嶺山は妹から名刺を受け取り、印字の内容を確認する。
「兵庫からわざわざどないしはったんや?」
「ヤ○サの勧誘ちゃいますか?」
浜島は冗談では済まされないことを言ってへらっと笑う。
「アホか、組としてはとおに解体しとってやがな」
嶺山も関西人なので『播州建設』という社名くらいは知っているが、自身との接点には覚えが全く無かった。
「一遍パン買うてくれてはるのよ、吾さんのことで『離れ』に来てはった日に」
「そういうことは早う言え」
当時は普通にお客として接しており、悌との接点に気付いていた訳ではない。当然どんな顧客が何を買ったかということまで逐一報告はしないので、今の今まで接点が繋がらぬままであった。
「いちいち『何処そこの某です』言うて買いもんする人なんかおらんやん。私かてさっき合点がいったとこなんやから」
雪路は兄の一言にむぅっとむくれる。
「まぁ取り敢えず行ってくるわ。しばらく任すで」
「はい」
「せや、仁さんも呼んでこなあかんのやった」
嶺山が厨房を出た後に続き、雪路も堀江を探しにペンションの客室へと上がっていく。厨房を任された浜島は、焼き上がりの待ち時間であるのをいいことにこそっと店内の様子を覗いていた。カウンター席にいる三人組はいかにもな風貌で存在そのものに迫力があり、金髪坊主頭で身長百八十センチ以上のマッチョな嶺山でさえも平凡な男に見えてしまう。
「うわぁ忠さんが普通に見える」
彼はすっと首を引っ込めて仕事に戻った。
「くまぬおすすめランチってぬー?」
藍色の紬の生地で作られたアロハシャツ姿の男性客がメニューを見せながら義藤に尋ねている。
「全部っす」
「さすがにむるー食べられらんよ」
若き従業員の返しに客はハハハと笑う。
「だって全部美味いんすもん。魚が好きなら“ヅケカツ定食”はいかがっすか?」
「うん、ちゅーやうりっし」
「ん?」
義藤は客の言っている言葉が理解できずにいた。
「『今日はそれにする』って言うてん」
「かしこまりましたぁ! “ヅケカツ定食”入りまぁす!」
義藤が厨房にオーダーを伝えに行くと、今度は嶺山がカウンターに入ってきた。
「こう見たらお前やっぱり浮いとるのぅ」
「港町イメージしてみたんんやいびーんが、くまとぅー合わんたんみたいやいびーん」
「何言うとんか分からん」
嶺山は馴染みの薄い方言を使う男性に失笑を向ける。
「港町をイメージしてみたけど、こことは合わんかったみたいや言うたんです」
「あっそう。まぁその方がらしさは出とるで」
「ホンマですか? これ気に入っとるんです」
男性客にとってアロハシャツはお気に入りのようだ。
「ところで、いつここへ来たんや?」
「昨夜です。部屋探すんに一週間くらいおる予定です」
「そうか。ならついでにここも見とくか?」
「はい」
嶺山は背後にある厨房を指し、男性客は頷いてみせた。
二人はかつて働いていた神戸にあるパン屋の先輩後輩の間柄であり、知り合ってから八年ほどの付き合いになる。先輩にあたる嶺山はそこを三年前に退職し、かつて祖父母が暮らしていた土地を買い取って昨年自身の店をオープンさせた。
一方の男性客こと浜島與は嶺山の後輩で、彼よりもひと足先に退職した後結婚して彼の家系のルーツである沖縄に移住した。そこで自身のパン屋をオープンさせたが、三年前に妻を火災事故で亡くして以来パン作りを辞めてしまっている。
結局オープンさせたパン屋は一年も営業せずに閉店し、最近になってようやく店を引き上げて郷である兵庫に戻った。しかし『アウローラ』の火災を風の便りで知り、それに合わせたかのように嶺山からの手紙で再建の手伝いを頼まれたことでこの街に移住する決意を固めたばかりである。
「まぁ取り敢えず腹ごしらえやな、話はそれからや」
嶺山はゆっくりとした足取りで“ヅケカツ定食”を運ぶ義藤を見ながら言った。彼は食器をカタカタといわせながら、掃除の時とは別人かと思わせるほどおぼつかない動きをしている。
「だっ大丈夫なん?」
「あれでもマシになったねん、陶器が苦手とか言うてたわ」
「あぁ分かる気する」
浜島は義藤の様子をただじっと眺め、急かすことはしない。義藤は何とかこぼさずにそろーっと浜島の前の御膳を置き、それに安堵した途端いつもの調子に戻った。
「“ヅケカツ定食”お待たせ致しましたぁ」
「ありがとう、頂きます」
浜島は手を合わせてから早速カツに箸を伸ばす。一口目はそのまま食べて、衣のサクサク感を楽しんでいる。
「うん、まーさん」
「ありがとうございまぁす」
二口目はつけダレを軽くつけてから、ご飯の上に乗せて一緒に口に入れた。それからは黙々と食事を進め始めたので、義藤はカウンターを出てテーブル席の後片付けに精を出す。食事に集中している後輩の姿に安心した嶺山は次なる仕事のため厨房に入っていった。
『アウローラ』に浜島が加入し、かつては自身で店を構えていただけあって早くも即戦力となっている。そして一緒に働く日高や北村ともすぐに仲良くなり、『オクトゴーヌ』のメンバーとも友好的に接してあっという間に場に溶け込んでいた。
ホテルに滞在中の間部屋探しはしていたものの旅の疲れから風邪をひき、結局その間で部屋を決められず今はかつて川瀬が使っていた『離れ』の一室に収まっている。取り敢えず持参している荷物だけを持ち込んで、実家の家族に荷物の運搬手続きを頼んだりしながら何とか部屋っぽく仕上げていた。
そんなこんなで七月が目前に迫り、この日『オクトゴーヌ』はカフェ営業を休んで客室清掃を念入りに行っていた。一方店舗を共有している『アウローラ』は通常営業を行っており、朝からたくさんの客がパンを買うため列を作っている。
店舗としてオープンさせてから一年と少し、放火被害で今は間借りと車での出張営業で着実にファンを増やしている。その甲斐あって今は箱館で五本の指に入る人気店となっていた。
「邪魔するで」
忙しさが一旦落ち着く午前十時過ぎ、長身細身の男性三人組が物々しい雰囲気をかもし出して店内に入ってきた。邪魔するんなら帰ってなどと言えるはずもなく、接客を担当している雪路が応対する。
「いらっしゃいませ」
三人組の客人はこの周辺では見掛けないが、彼女は左側に立っている男性には見覚えがあった。
「先日はたくさんお買い上げ頂きありがとうございました」
「大層美味しく頂きました。ただ今日は別用で伺いました」
「そうなんですね、ってことは兄を呼んだ方が良さそう……」
その言葉を受けて中央に立っていた男性はサングラスを外し、雪路に名刺を差し出した。
「済まんけどそうしてもらえるやろか? あとついでにペンションのオーナーさんにも話通してほしいんや」
「かしこまりました、先に兄を呼んできます。そこの椅子で宜しければお掛けになってお待ちください」
雪路はカウンター席の椅子を勧めてから、厨房にいる嶺山を呼びに走った。
「お兄ちゃん、『播州建設』の方が用があるって見えられてるんや……あっ、これ名刺な」
嶺山は妹から名刺を受け取り、印字の内容を確認する。
「兵庫からわざわざどないしはったんや?」
「ヤ○サの勧誘ちゃいますか?」
浜島は冗談では済まされないことを言ってへらっと笑う。
「アホか、組としてはとおに解体しとってやがな」
嶺山も関西人なので『播州建設』という社名くらいは知っているが、自身との接点には覚えが全く無かった。
「一遍パン買うてくれてはるのよ、吾さんのことで『離れ』に来てはった日に」
「そういうことは早う言え」
当時は普通にお客として接しており、悌との接点に気付いていた訳ではない。当然どんな顧客が何を買ったかということまで逐一報告はしないので、今の今まで接点が繋がらぬままであった。
「いちいち『何処そこの某です』言うて買いもんする人なんかおらんやん。私かてさっき合点がいったとこなんやから」
雪路は兄の一言にむぅっとむくれる。
「まぁ取り敢えず行ってくるわ。しばらく任すで」
「はい」
「せや、仁さんも呼んでこなあかんのやった」
嶺山が厨房を出た後に続き、雪路も堀江を探しにペンションの客室へと上がっていく。厨房を任された浜島は、焼き上がりの待ち時間であるのをいいことにこそっと店内の様子を覗いていた。カウンター席にいる三人組はいかにもな風貌で存在そのものに迫力があり、金髪坊主頭で身長百八十センチ以上のマッチョな嶺山でさえも平凡な男に見えてしまう。
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