どら焼は恋をつなぐ

谷内 朋

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やっとこさ本編

……カフェランチ→植物園♪

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 それからメリーゴーランドやコーヒーカップといったベタなアトラクションを楽しんでいるうちにお昼前になり、一旦遊園地から植物園に移動した僕たちはタワー最上階のカフェランチを楽しんでいるところです。少し早めに入店したので混雑からは免れました。
 僕たちはここに人気メニューの一つである『オトナのお子さまランチ』を注文し、待っている間に外の景色を眺めています。ここからだとうっすらと海が見えていて、案外海沿いなんだと改めて気付かされます。
 「お待たせ致しました。『オトナのお子さまランチ』でございます」
 わっ、来た♪美味しそう♪お子さまランチって見てるだけでワクワクする♪

 「「いただきます♪」」

 僕たちはカフェランチを早速頂きます。まずはふわとろオムライスの玉子に切り込みを入れて……トロトロの中身が綺麗に広がってチキンライスを包み込みます。その上に別の器に入ってるデミグラスソースをかけてはむっと一口、ん~美味し~い♪♪輝君は最初にエビフライをフォークで刺して豪快に一口、彼もまた幸せ一杯の表情を浮かべています。
 「高校生のお財布にはちょっとキビシイけど……頼んで良かったよ」
 うん♪高校生にランチ二千円超えは確かにイタイですが、それでもこの美味しさなら値段に見合った……それ以上だと思います。しかも今日はデート、たまにはこういう贅沢しても良いよね♪
 本当に美味しい料理を頂いてる時は黙々と食べるのに真剣です。お喋りするのは食べ終わってから、それでも僕は行儀良く食事をする輝君を時々チラッと見てはドキドキしてしまいます。
 これは本当に食べごたえがある、美味しくてボリューミーだから大食漢の伽月君でも一人前でイケると思う……はっ、写メ撮るの忘れてた!すぐに食べたい欲求に負けてしまい、ほとんど食べ終わっているプレートを見てちょっと後悔しちゃいます。
 「?どうしたの?」
 「えっ?」
 「さっきから悲しそうに俯いちゃってるけど」
 「……あっ、写メ撮るの忘れちゃったなぁ……って」
 そんなに悲しそうにしてたの?たかだかそんな事で余計な心配掛けちゃった……。
 「誠君ってこういうの撮る派なんだ」
 輝君は不思議そうに僕を見てきます。口振りから察するに彼は『撮らない派』なのだと想像出来ました。僕は言い訳がましく首を振って弟に頼まれたと言いました……ごめんなさい嘘つきました。
 「そう言う事だったんだね」
 輝君の表情が少し弛みました。料理を写真に収める行為は嫌なのかな?
 「う、うん……夏休みの間に一度連れてくるって事で許してもらう」
 「その方が良いと思う、料理は食べて感じるものだから写真撮ったところでちゃんとは伝わらないよ。『思い出』って主張もありそうだけど、それならそれで被写体はいくらでもある訳だし」
 そ、そうだね……輝君の前で料理を写メるのはNG……と。彼の事をまた一つ知る事が出来たのは朗報ですが、伽月君に見せてあげられないのはやっぱり……残念です。

 『オトナのお子さまランチ』をしっかりと堪能した僕たちは、植物園内を廻って腹ごなし。写メは残念だったけどとっても美味しかったです♪今度は伽月君誘ってみよう。
 ……なんて事を考えていると、前方にちょっとした人だかりができています。見た感じ何かの取材っぽい、テレビカメラを操作してる人とか居るし……。
 「……何なんだろうね?」
 「う~ん、テレビの収録っぽいけど……通り抜けの時にチラ見してみる?」
 うん。どのみち一本道だから嫌でも通らなきゃいけないし……それにしてもヲタっぽいの多くない?僕は何となく気になってその集団に視線をやると、囲まれている中に一際背の高い女の子が居て、彼女何処かで見たことあるなぁなんて思ってたら……わわわっ!ヤバいかも!
 「て、輝君。ちょっと隠れていい?」
 「ん?どしたの?」
 「あの集団……の中に伽月君の知り合いがいる」
 「えっ?どの人?」
 輝君は集団の方に視線を移します。僕は囲みの中央で似たような服を着ている数人の女の子グループの中でも、一人頭一つ分背の高い女の子だと教えました。
 「へぇ~、誠君の知り合いって……稲田なぎさイナダナギサじゃん!」
 輝君は彼女の事知ってたみたいです、きっとお姉さんの影響かな?それともアイドル好き?
 「し、知ってるの?」
 「うん……下の姉と妹がモデル時代からの大ファンで。だとしたらあの地下アイドルだ」
 そうなんです、稲田なぎささんは元々モデルとして雑誌にはちょくちょく出てて、昨年末にそっちを卒業してアイドルグループのメンバーになったんです。女の子に興味の無い僕がどうして知ってるかって?それは……。
 「ところで何で稲田なぎさから隠れる必要があるの?」
 「えと、それは……伽月君のも……じゃなくて中学校時代の先輩なんだ」
 「そうなの!?世の中案外狭いねぇ……」
 本来隠れる必要は無いんだけど……と狼狽えている僕に知っている女性の声が僕の名前を呼んできました。
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