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soixante six
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「いや私のせいじゃないでしょ」
「あなたのせいよ、誤解してた上に八つ当たりしてるのは重々承知してるけど」
一体何の誤解してたのよこの女?
「だったらやめてもらえる?普通に迷惑だわ」
「今日だけ付き合いなさい、今後はもうしないから」
え~面倒臭~。
「それにケイの事どうすんの?あれで結構しつこいとこあるからさっさと片しておかないと後々面倒臭い事になるわよ。断るだけじゃ納得しないし、なびいた途端冷たくなるのもあの男の恋愛の特徴だからいとことしてマジお薦め出来ない」
出来る援護はする。安藤はそれで落ち着いたのか熱燗を注文した。正直こんな展開になるとは思ってもみなかった、まさか“街エリア”の子とサシ(厳密に言うと違うんだけど)で酒を酌み交わす日が来ようとは。
それくらいに私たちとはことごとく対立してて、卒業する時も和解どころか男子生徒によるリンチが待ってたんだから(返り討ちにしたってのは以前にもお話したかと思うので割愛)。
それから十五年以上経った今、エリンギ一二三に告られたり安藤とも妙な縁が出来てる。世の中何が起こるか分かったもんじゃないわね。
「私中西君とあなたが付き合ってると思ってたのよ、当時内海にも確認したけど肯定も否定もしなかったのよね」
んも~ちゃんと否定しておいてよ高校時代の有砂、十数年経って勝手に拗らせてる女が目の前にいて迷惑してるんすよね~。
「アレは完全におちょくられたっぽいね、たまにああいう事すんのよ」
「あっそう……まんまと嵌められてたんだ十年以上も。けどもういいわ、多少の未練はあるけどそれにもそろそろ疲れてきたところだし」
私も婚活しようかしら?安藤はそんな事を言いながら付き出しをお上品にちまちまと食べている。アンタ何だかんだで結構なお嬢なんだから、お見合いの話くらいいくらでもあるでしょうが。
「安藤、アンタ結婚したいの?」
「……う~ん、厳密に言うと恋がしたい。本気でのめり込んだ事、無いような気がする。親戚とかからお見合いのお話は頂くんだけど、いきなり結婚をチラつかせられると重いから無意識に拒否してる感じ」
「あとちょっとだけど私らまだ二十代だもんねぇ」
「結婚なんてもっと後でいいわぁ」
今時別に二十代で結婚する必要ないわよね、だって姉の美味しい手料理を食べられる機会が一気に減っちゃうんだもん。仮に嫁いだとしても三日でホームシックに罹りそう。
「だったらそこ合コンでしょ?独身の今のうちに気の済むまで恋をするのよ!」
「良いじゃないのそれ、女は恋する気持ちを忘れちゃいけない生き物なの……熱燗お待ちどうさま」
楓さんは安藤が注文した熱燗を上品にカウンターに置く。
「けど夏絵、そんなアテでもあるの?」
あぁ……っとそれは……ん?あるぞ。私はおもむろにケータイを取り出すとメールが一件受信されてた。何の気無しに開くと野村君からで、【もっと話がしたい】的な文面が綴られていた。
「……コレだわ」
私は早速野村君に返信文を入力、それならばと友人を誘っての合コンを打診する事にした。
しこたま呑んでみんなと別れ(睦美ちゃんと東さんはまだ呑んでる)、安藤といる間に合コンも決まり……あぁ、その前に片せにゃあならん事がありましたな。
【明日の夕方、少しだけなら時間取れますが】
私は今朝の宣言どおり郡司君にメール。ほぼ即レスで時間と場所を指定され、その場所がよりにも寄ってミッツが経営してるバーとはね。
「やっと二人きりになれた……」
と言ってくるけど、日曜夕方の割にお客多くない?ここショットバーにしては広いけど二十人前後ものお客が一気に入店ってそう無いよ。
「あの、あまり時間取れませんので手短にお願いします」
うん、人が多いのもあるけどあなたと居ると何か落ち着かないわ。そんな私の考えをよそに郡司君はポケットから小さな箱を取り出して中からキラキラした物をつまんで私の左手を握ってきた。ん?何されてんの私?と思ってる間にそれが左手薬指に……さて一体何なんででょう?
「?何です?」
「俺と結婚してほしい」
「は?」
ん?ゴメン仰ってる事がよく分かりません。
「君を愛してるんや」
何もかもすっ飛ばしていきなりそれ……?使い慣れてる欧米人ならしっくりくるんだろうけど、歴史的にも回りくどい愛情表現に慣れてる日本人だと何と言うか……安いなぁと思ってしまう。
エリンギもそうだったけど韓流ドラマ見過ぎなんじゃない?俳優さんが言うから格好良いんだよ、そこんとこ理解して。
「えっ?えぇ……っとぉ、これってもしかして……」
それでも言われ慣れてないからやっぱり戸惑いはある、一応私の心にもまだ乙女は生きてるようです。
「俺の気持ちを受け取ってほしい」
「……」
うん、そのつもりは無いんだ悪いけど。にしてもこういうのって普段使い出来ないよね?ダイヤモンドを置くデザインになってるから、そこだけポコっと出てて何かの拍子で色んな所に引っ掛けそうだなぁ。
しかも結婚指輪に代わるとほぼ用無しでしょ?なら鉱石なんぞ要らないからもっとシンプルで普段使い出来るのがいいなぁ……なんだけど何で拍手が起こってんの?いやぁあんまこっち見ないでほしいなぁ。
「イヤこれ困るわ」
気持ちもさることながら物としてもちょっと……その前に無関係な皆さん、無意味な祝福やめてもらえない?今からお断りしますんで。
「お付き合いする気も無い方にプロポーズされても」
返事は『No』でお願いします。
「……なつ?」
「私奇をてらうやり方されるの好きじゃないんですよね、いちいち悩んだりするのって面倒臭い」
この先あんたのビミョーな嘘に付き合うのはねぇ、そこで悩むの時間の無駄!
「人を愛するってそういうもんやろ?相手を思うからこそ悩み、苦しみ、美しくなるってもんや」
うん、それ完全に人によるね。そういう人もいるだろうけど私素材が大した事無いんで伸びしろも限られてるよ。それに恋の駆け引きとか考えなきゃいけない相手って信頼関係築く前に疲弊しそうだわ。
「それが面倒臭いっつってんの、それなら二人縁側で茶でも飲んでる方がよっぽどいいわ。そういう訳でお断りさせて頂きます、では」
はいこれで用は済みましたよ。帰ったら連絡先削除しとこ。
「ご自宅までお送りします姐さん」
とどこからともなくミッツ登場、あんたここに来てるんならちょっとくらい仕事しようか。
「イヤまだ明るいから一人で帰れるけど」
「そうはいきません、はる姉に殺されます。姐さんは大人しく送られてください」
郡司君が隣で何か言ってるけど無視させて頂く、もうあんたとの話終わってますから。
「お姉ちゃんに何言われたの?」
そっちの方がむしろ気になる私。
「『手ぶらで戻ってきたら指落とす』と包丁研いでおられました」
んな事本気でする訳ないでしょ、石渡組次男坊が何言ってんのよ?でも包丁研ぎながら言われるとちょっと恐いかも。
「あっそう……宜しく頼むわミッツ」
指を落とされる事は無いにしろ、そのせいでミッツに危害が加わるのも可哀想な話よね。ミッツは小さい頃大人でも手が付けられないほどの暴れん坊だったんだけど、それにキレた姉がまだ兄だった頃にガチビンタかまして以来姉には頭が上がらないという経緯があるけどちょっとしたトラウマよねこれって。
そういう訳で私はミッツの顔を立ててあげる選択をし、どうせ他に寄る所も無いしとそのまま自宅まで送ってもらう事にした。
「あなたのせいよ、誤解してた上に八つ当たりしてるのは重々承知してるけど」
一体何の誤解してたのよこの女?
「だったらやめてもらえる?普通に迷惑だわ」
「今日だけ付き合いなさい、今後はもうしないから」
え~面倒臭~。
「それにケイの事どうすんの?あれで結構しつこいとこあるからさっさと片しておかないと後々面倒臭い事になるわよ。断るだけじゃ納得しないし、なびいた途端冷たくなるのもあの男の恋愛の特徴だからいとことしてマジお薦め出来ない」
出来る援護はする。安藤はそれで落ち着いたのか熱燗を注文した。正直こんな展開になるとは思ってもみなかった、まさか“街エリア”の子とサシ(厳密に言うと違うんだけど)で酒を酌み交わす日が来ようとは。
それくらいに私たちとはことごとく対立してて、卒業する時も和解どころか男子生徒によるリンチが待ってたんだから(返り討ちにしたってのは以前にもお話したかと思うので割愛)。
それから十五年以上経った今、エリンギ一二三に告られたり安藤とも妙な縁が出来てる。世の中何が起こるか分かったもんじゃないわね。
「私中西君とあなたが付き合ってると思ってたのよ、当時内海にも確認したけど肯定も否定もしなかったのよね」
んも~ちゃんと否定しておいてよ高校時代の有砂、十数年経って勝手に拗らせてる女が目の前にいて迷惑してるんすよね~。
「アレは完全におちょくられたっぽいね、たまにああいう事すんのよ」
「あっそう……まんまと嵌められてたんだ十年以上も。けどもういいわ、多少の未練はあるけどそれにもそろそろ疲れてきたところだし」
私も婚活しようかしら?安藤はそんな事を言いながら付き出しをお上品にちまちまと食べている。アンタ何だかんだで結構なお嬢なんだから、お見合いの話くらいいくらでもあるでしょうが。
「安藤、アンタ結婚したいの?」
「……う~ん、厳密に言うと恋がしたい。本気でのめり込んだ事、無いような気がする。親戚とかからお見合いのお話は頂くんだけど、いきなり結婚をチラつかせられると重いから無意識に拒否してる感じ」
「あとちょっとだけど私らまだ二十代だもんねぇ」
「結婚なんてもっと後でいいわぁ」
今時別に二十代で結婚する必要ないわよね、だって姉の美味しい手料理を食べられる機会が一気に減っちゃうんだもん。仮に嫁いだとしても三日でホームシックに罹りそう。
「だったらそこ合コンでしょ?独身の今のうちに気の済むまで恋をするのよ!」
「良いじゃないのそれ、女は恋する気持ちを忘れちゃいけない生き物なの……熱燗お待ちどうさま」
楓さんは安藤が注文した熱燗を上品にカウンターに置く。
「けど夏絵、そんなアテでもあるの?」
あぁ……っとそれは……ん?あるぞ。私はおもむろにケータイを取り出すとメールが一件受信されてた。何の気無しに開くと野村君からで、【もっと話がしたい】的な文面が綴られていた。
「……コレだわ」
私は早速野村君に返信文を入力、それならばと友人を誘っての合コンを打診する事にした。
しこたま呑んでみんなと別れ(睦美ちゃんと東さんはまだ呑んでる)、安藤といる間に合コンも決まり……あぁ、その前に片せにゃあならん事がありましたな。
【明日の夕方、少しだけなら時間取れますが】
私は今朝の宣言どおり郡司君にメール。ほぼ即レスで時間と場所を指定され、その場所がよりにも寄ってミッツが経営してるバーとはね。
「やっと二人きりになれた……」
と言ってくるけど、日曜夕方の割にお客多くない?ここショットバーにしては広いけど二十人前後ものお客が一気に入店ってそう無いよ。
「あの、あまり時間取れませんので手短にお願いします」
うん、人が多いのもあるけどあなたと居ると何か落ち着かないわ。そんな私の考えをよそに郡司君はポケットから小さな箱を取り出して中からキラキラした物をつまんで私の左手を握ってきた。ん?何されてんの私?と思ってる間にそれが左手薬指に……さて一体何なんででょう?
「?何です?」
「俺と結婚してほしい」
「は?」
ん?ゴメン仰ってる事がよく分かりません。
「君を愛してるんや」
何もかもすっ飛ばしていきなりそれ……?使い慣れてる欧米人ならしっくりくるんだろうけど、歴史的にも回りくどい愛情表現に慣れてる日本人だと何と言うか……安いなぁと思ってしまう。
エリンギもそうだったけど韓流ドラマ見過ぎなんじゃない?俳優さんが言うから格好良いんだよ、そこんとこ理解して。
「えっ?えぇ……っとぉ、これってもしかして……」
それでも言われ慣れてないからやっぱり戸惑いはある、一応私の心にもまだ乙女は生きてるようです。
「俺の気持ちを受け取ってほしい」
「……」
うん、そのつもりは無いんだ悪いけど。にしてもこういうのって普段使い出来ないよね?ダイヤモンドを置くデザインになってるから、そこだけポコっと出てて何かの拍子で色んな所に引っ掛けそうだなぁ。
しかも結婚指輪に代わるとほぼ用無しでしょ?なら鉱石なんぞ要らないからもっとシンプルで普段使い出来るのがいいなぁ……なんだけど何で拍手が起こってんの?いやぁあんまこっち見ないでほしいなぁ。
「イヤこれ困るわ」
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「お付き合いする気も無い方にプロポーズされても」
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「……なつ?」
「私奇をてらうやり方されるの好きじゃないんですよね、いちいち悩んだりするのって面倒臭い」
この先あんたのビミョーな嘘に付き合うのはねぇ、そこで悩むの時間の無駄!
「人を愛するってそういうもんやろ?相手を思うからこそ悩み、苦しみ、美しくなるってもんや」
うん、それ完全に人によるね。そういう人もいるだろうけど私素材が大した事無いんで伸びしろも限られてるよ。それに恋の駆け引きとか考えなきゃいけない相手って信頼関係築く前に疲弊しそうだわ。
「それが面倒臭いっつってんの、それなら二人縁側で茶でも飲んでる方がよっぽどいいわ。そういう訳でお断りさせて頂きます、では」
はいこれで用は済みましたよ。帰ったら連絡先削除しとこ。
「ご自宅までお送りします姐さん」
とどこからともなくミッツ登場、あんたここに来てるんならちょっとくらい仕事しようか。
「イヤまだ明るいから一人で帰れるけど」
「そうはいきません、はる姉に殺されます。姐さんは大人しく送られてください」
郡司君が隣で何か言ってるけど無視させて頂く、もうあんたとの話終わってますから。
「お姉ちゃんに何言われたの?」
そっちの方がむしろ気になる私。
「『手ぶらで戻ってきたら指落とす』と包丁研いでおられました」
んな事本気でする訳ないでしょ、石渡組次男坊が何言ってんのよ?でも包丁研ぎながら言われるとちょっと恐いかも。
「あっそう……宜しく頼むわミッツ」
指を落とされる事は無いにしろ、そのせいでミッツに危害が加わるのも可哀想な話よね。ミッツは小さい頃大人でも手が付けられないほどの暴れん坊だったんだけど、それにキレた姉がまだ兄だった頃にガチビンタかまして以来姉には頭が上がらないという経緯があるけどちょっとしたトラウマよねこれって。
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