37 / 39
第四話
有終の美を飾りたい魂 ―3―
しおりを挟む
『違うっす!!!“トラウマ”はコレの事っす!!!』
厨房からプルートーの話し声が聞こえてくる。
『やぁねぇ、それ“テンガーウィッチ”でしょお?』
『“トラウマ”っす!!!ご本人に確認したっす!!!』
『神獣なんだからそれくらいの事でゴチャゴチャ言わないわよぉ。“テンガーウィッチ”と言っても否定なさらないってぇ』
『そこも確認したっす!!!“トラウマ”の方が嬉しいと仰ってたっす!!!』
『あんたの変な熱気を受け流しただけでしょうがぁ、今“トラウマ”は別の意味で使ってるからややこしくしないでよぉ』
『納得いかないっす!“トラウマ”神獣様に失礼っす!』
『あーもうややこしいっつってんだろうが!面倒臭ぇから固めちまえ』
ネプテューヌがそう言った瞬間店内に冷気が漏れ、プルートーの声が聞こえなくなった。彼(女)は何食わぬ顔でお冷を三つ持ってきて、お待たせしましたぁとテーブルに置く。
「おい全部丸聞こえだぞ……」
「そぉおぉ?まぁ良いけどぉ」
「接客としてはどうかと思います……ただでさえ皆さん神レベルなのに揉め事とか恐ろしいです……」
「大丈夫大丈夫ぅ~、しばらく黙らせてるだけだからぁ」
「「それが恐ぇっつってんだ!!!」です!!!」
「まぁ息ぴったりぃ♪」
ネプテューヌは上機嫌で尻尾をゆらゆらとさせている。
「……………………あなた様はもしや、氷の神子……………………」
インズは“氷の神子”ことネプテューヌへ顔を向ける。ただ目鼻口がどこにあるのかが分からないのでどういった表情をしているかの判別は難しいのだが、声の感じからすると崇めている様だ。
「あらぁ~、そんな昔の事憶えててくださってたのぉ。私今感激してるんだけどぉ~」
ネプテューヌはぶりっ子全開で一人はしゃいでいる。
「……………………何を仰いますか……………………私はこうしてあなた様とお話出来ているだけで感慨極まっております……………………」
「ホントぉ?嬉しいわぁ」
「あんま調子に乗せないでくれ……ってか氷の神子ならやっちゃ駄目だろそんな事」
「いくら相手が“間引きの貴公子”でもあなたの威力じゃ……ねぇ」
「大丈夫大丈夫ぅ、時間が来たらちゃんと溶けるからぁ」
「「いやそういう事では……」」
猫二人はもはや呆れるしかなかった。
厨房からプルートーの話し声が聞こえてくる。
『やぁねぇ、それ“テンガーウィッチ”でしょお?』
『“トラウマ”っす!!!ご本人に確認したっす!!!』
『神獣なんだからそれくらいの事でゴチャゴチャ言わないわよぉ。“テンガーウィッチ”と言っても否定なさらないってぇ』
『そこも確認したっす!!!“トラウマ”の方が嬉しいと仰ってたっす!!!』
『あんたの変な熱気を受け流しただけでしょうがぁ、今“トラウマ”は別の意味で使ってるからややこしくしないでよぉ』
『納得いかないっす!“トラウマ”神獣様に失礼っす!』
『あーもうややこしいっつってんだろうが!面倒臭ぇから固めちまえ』
ネプテューヌがそう言った瞬間店内に冷気が漏れ、プルートーの声が聞こえなくなった。彼(女)は何食わぬ顔でお冷を三つ持ってきて、お待たせしましたぁとテーブルに置く。
「おい全部丸聞こえだぞ……」
「そぉおぉ?まぁ良いけどぉ」
「接客としてはどうかと思います……ただでさえ皆さん神レベルなのに揉め事とか恐ろしいです……」
「大丈夫大丈夫ぅ~、しばらく黙らせてるだけだからぁ」
「「それが恐ぇっつってんだ!!!」です!!!」
「まぁ息ぴったりぃ♪」
ネプテューヌは上機嫌で尻尾をゆらゆらとさせている。
「……………………あなた様はもしや、氷の神子……………………」
インズは“氷の神子”ことネプテューヌへ顔を向ける。ただ目鼻口がどこにあるのかが分からないのでどういった表情をしているかの判別は難しいのだが、声の感じからすると崇めている様だ。
「あらぁ~、そんな昔の事憶えててくださってたのぉ。私今感激してるんだけどぉ~」
ネプテューヌはぶりっ子全開で一人はしゃいでいる。
「……………………何を仰いますか……………………私はこうしてあなた様とお話出来ているだけで感慨極まっております……………………」
「ホントぉ?嬉しいわぁ」
「あんま調子に乗せないでくれ……ってか氷の神子ならやっちゃ駄目だろそんな事」
「いくら相手が“間引きの貴公子”でもあなたの威力じゃ……ねぇ」
「大丈夫大丈夫ぅ、時間が来たらちゃんと溶けるからぁ」
「「いやそういう事では……」」
猫二人はもはや呆れるしかなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる