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婚活編
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週が明けた月曜日、ようやく『波那ちゃん』に会える、と異常なほどの期待を膨らませている沼口は、焼き菓子のお礼を口実に彼女?に近付こうとしていた。チャンスは就業前に早くも訪れ、席ごとに一輪の花が生けられている事に気付いて、この日も隣の席に居る男性社員に声を掛けた。
「この花はどなたが?」
「きっと『波那ちゃん』ですよ。彼社内では有名な乙メンなんです」
彼?沼口は我が耳を疑った。
「乙メン、なんですか……?」
「えぇ。最初はキモい人なのかと思ってましたが、慣れるとむしろ癒されますよ」
すると少し離れた所を歩いている男性社員に向けて、おはよう、波那ちゃん。と声を掛けた。
おはようございます。彼『波那ちゃん』は可愛らしい笑顔を見せて挨拶を返し、女性社員グループのデスクに落ち着いた。確かに色白で細身の小柄な男性で、見様によっては女性にも見えなくもない。
男だったの?まぁ可愛いけどさぁ……。膨らみすぎた妄想のせいで彼のショックは凄まじく、翌日から三日間疲労性の高熱で寝込んでしまう。ところがここの社員たちは、ハードスケジュールからの疲労では、と思っていて、まさか波那を女性と間違えていたと考える者など誰も居なかった。
四日振りに出勤した沼口は、転勤早々仕事に穴を開けてしまった事を課長に謝罪した。たまにはそう言う事もあるさ。とあっさり許してもらい、ホッとしてデスクに戻ると、『波那ちゃん』が、おはようございます。と声を掛けてきた。しかし勘違いで女性と思い込んだ気まずさから、つい視線を逸らしてしまう。
「あぁ……。おはようございます」
「お体、もう大丈夫ですか?」
やましい事など何も無いのに、彼と距離を置き、何か用?と素っ気ない口の聞き方をする。
「いえ、きちんとご挨拶をしてなかったので……。小泉波那です、よろしくお願いします」
「ぬ、沼口昇です。この前の焼き菓子、美味しく頂きました……」
先日食べた焼き菓子の礼を言うと彼は、良かった。と笑顔を見せる。これが中途半端に可愛くてやりづらい。そう思うと一人で気まずくなって、宜しく。とだけ返すと仕事に取り掛かる。『波那ちゃん』はそんな態度を気にする事無く、一礼して自身のデスクに戻っていった。
それからあっと言う間に十日ほどが経ったのだが、沼口はまだ勘違いモードから脱却出来ていなかった。その日の午後、波那がタブレットを持って彼のデスクへやって来る。
「あの、来週末の会議の資料が出来上がりましたのでご確認頂きたいのですが」
へ?男性の波那が事務仕事をしていると思わず、何となく顔を見つめてしまう。
「君、もしかして一般職?」
その問いに、ハイ。と頷く彼に対し、仕事出来ない系?と一瞬思ったのだが、先ずは仕事振りを見てみようとタブレットを受け取った。
へぇ、良いの作るじゃない。そう思いながら資料の出来を見ていると、課長が、今日は上がって良いぞ。と波那に声を掛ける。時計を見ると四時少し前、就業時間は六時までなのに何故?と彼の顔を見る。
「今日は早退して病院に行くんです」
「へぇ、どこか悪いのか?」
沼口は訊ねてから、しまった!と罰の悪そうな顔をする。しかし波那は気にせずに、循環器系の持病がある。とあっさり答えてきた。それでか……。彼が一般職を選んでいる理由が分かり、タブレットの資料をチェックしてOKを出す。
「転送は来週頭にお願い。俺のタブレットまだ無いから、アドレスは届き次第教えるよ」
「分かりました、お先に失礼します」
お疲れさん。この時を境に波那に対する気まずさは払拭され、仕事仲間として信頼し始めていた。以来二人は公私共に親しくなり、波那にとって良き兄貴分となっていく。
そろそろ中元期という事で、営業部全員参加による決起集会が開かれる。この日は普段なかなか接する事の無い他の課の社員たちとの親睦を深める目的もあり、一課から五課まで総勢百名ほどが集合した。そんな中、一課の隣のエリアを担当する二課の女性社員と話をしていた波那の所に、パンツスーツ姿の長身美女がやって来る。
「紹介するね、こちら南愛梨さん。ウチの看板セールスレディよ」
波那はいかにも仕事の出来そうな美女を前に少々緊張してしまう。隣の課にこんな綺麗な人居たんだ……。聞くと昨年福岡支社から転勤してきて、麗未が通っていた大学の卒業生と分かる。彼女は大学院まで通っており、英語を始めとした八か国語を操る才女だそうだ。
「看板だなんて大袈裟な……。初めまして、南愛梨です」
「小泉波那です」
理想の妻像を目の前にして一人ときめいている波那だったが、それを隠して握手を交わす。
「実はウチの姉も同じ大学の卒業生なんです」
波那は麗未を利用して話を繋ぐと、意外とあっさり食いついてくる。
「お姉さんとはいくつ違うんですか?」
「双子なんです。建築学部で、確か四十八期生だったと思います」
彼女たちが通った大学は全国でも最大規模級を誇る学校で、キャンパスも数ヶ所点在していて面識が無い事も十分考えられた。愛梨は少し考える仕草を見せて、四十八期生なら多分同い年です。と言った。
「建築学部で同期生なら小泉麗未さんの事かしら?キャンパスが違ったから直接お会いした事は無いのですが、彼女有名人でしたから」
え?波那は嫌な予感がして笑顔が固まってしまう。麗未は近所で評判の才女であると同時に、男性もあっさり打ち負かしてしまうほどの怪力としても有名なのだ。
「彼女建築学部では史上初の女性主席卒業と言う事で結構話題になったんです」
そうですか。波那は余計な武勇伝ではなかった事に心の中でホッとする。ここで麗未の悪行?を知られるのはマズイ。となるべく成績優秀路線の内容で乗り切る事にする。
「麗未さんのお話は中等部から通っている友人から多少伺っていたんです。ただこれまで酒の飲み比べで負けた事が無い体育学部の男性の先輩を酔い潰した。って話を聞いた時は驚きましたが……」
やっぱりあった……。波那は心の中で泣きそうになりながらも何とか笑ってごまかしていた。しかしこの事がきっかけで二人は親しくなり、近日中に友人を誘って遊びに行く約束をしたのだった。
約束の当日、波那と愛梨はそれぞれ二人の友人を誘ってグループデートをする。波那は丞尉と、彼の高校の同級生である正木大輔という男性を連れて行く。愛梨も大学時代のサークル仲間を連れて来ていた。そのデート中波那は愛梨には丞尉との方が気が合う様に見受けられた。語学が堪能だったり嗜好が似ていたりして、午後からは二人で行動する様になり、波那と正木は友人二人の相手をするとだけとなっていた。
この日はそれで別れ、それからひと月ほど経って愛梨と丞尉の交際がスタートした。波那はまたも仕切り直しとなったのだが、友達に恋人が出来たのは喜ばしい事であった。
グループデートの後、波那は二つのお見合いに参加した。
一つ目は四十代前半の外資系企業勤務、二つ目は三十代後半のテレビ局勤務の女性だった。二人共仕事優先を容認してくれる男性という点で波那に興味を持ったらしいのだが、家庭的なタイプではなく同志の様なタイプを求めていた。乙メンの波那では女友達扱いで、結婚相手として見てもらえなかったのだった。
彼は憧れの『主夫』への道のりがこんなに厳しいものなのか、と婚活の難しさを妙に痛感させられている状態だ。
そんな中、波那の職場の上司でまさにそれを実行している男性社員が居る。彼は営業一課課長代理の小田原淳二四十五歳、二十歳の娘を筆頭に、九歳、五歳、三歳の息子が居るために育児勤務状態を十年近く続けている。この会社では男性も育児に参加できるよう、女性の社会復帰がいち早くスムーズに行えるよう全社員に一子につき最大六年の育児休暇ないしは勤務制度が設けられており、彼は妻に代わってこの制度を最大限利用して積極的に育児に奮闘しているのだ。
小田原の妻は官僚勤務の才媛であり、夫よりもはるかに給料が良いので一家の大黒柱となって家計を支えている。よって彼は毎日午後三時に退社して、子供の幼稚園へのお迎え、日々の買い物、家に帰れば洗濯物を取り込んだり、夕食を作ったり。彼に言わせると家事の方が忙しいそうで、仕事ではほぼ窓際状態となっている。それでも本来は優秀な人材である事を裏付けるかの様に、社内では物凄い人脈を持っていて何かと人望は厚い人だ。
「ところで波那ちゃん、婚活は順調?」
この日波那は小田原と屋上へ上がり、自作のお弁当を広げている。
「いえ、なかなかうまくいかなくて……」
「そんなに焦らなくて良いと思うよ。出逢う時にちゃんと出逢える様になってるから」
だと良いのですが……。このところ撃沈続きの彼は少しばかり落ち込んでいた。しかし小田原は、まだ若いんだから。と笑っており、慰めるかのように背中をポンポンと叩いてきた。
「大丈夫大丈夫、今がっつくとかえって変なの捕まえちゃうよ」
「はい、そうですよね」
波那はようやく笑顔を見せ、二人はお弁当のおかずを交換しあって和やかなランチタイムを過ごしていた。
「この花はどなたが?」
「きっと『波那ちゃん』ですよ。彼社内では有名な乙メンなんです」
彼?沼口は我が耳を疑った。
「乙メン、なんですか……?」
「えぇ。最初はキモい人なのかと思ってましたが、慣れるとむしろ癒されますよ」
すると少し離れた所を歩いている男性社員に向けて、おはよう、波那ちゃん。と声を掛けた。
おはようございます。彼『波那ちゃん』は可愛らしい笑顔を見せて挨拶を返し、女性社員グループのデスクに落ち着いた。確かに色白で細身の小柄な男性で、見様によっては女性にも見えなくもない。
男だったの?まぁ可愛いけどさぁ……。膨らみすぎた妄想のせいで彼のショックは凄まじく、翌日から三日間疲労性の高熱で寝込んでしまう。ところがここの社員たちは、ハードスケジュールからの疲労では、と思っていて、まさか波那を女性と間違えていたと考える者など誰も居なかった。
四日振りに出勤した沼口は、転勤早々仕事に穴を開けてしまった事を課長に謝罪した。たまにはそう言う事もあるさ。とあっさり許してもらい、ホッとしてデスクに戻ると、『波那ちゃん』が、おはようございます。と声を掛けてきた。しかし勘違いで女性と思い込んだ気まずさから、つい視線を逸らしてしまう。
「あぁ……。おはようございます」
「お体、もう大丈夫ですか?」
やましい事など何も無いのに、彼と距離を置き、何か用?と素っ気ない口の聞き方をする。
「いえ、きちんとご挨拶をしてなかったので……。小泉波那です、よろしくお願いします」
「ぬ、沼口昇です。この前の焼き菓子、美味しく頂きました……」
先日食べた焼き菓子の礼を言うと彼は、良かった。と笑顔を見せる。これが中途半端に可愛くてやりづらい。そう思うと一人で気まずくなって、宜しく。とだけ返すと仕事に取り掛かる。『波那ちゃん』はそんな態度を気にする事無く、一礼して自身のデスクに戻っていった。
それからあっと言う間に十日ほどが経ったのだが、沼口はまだ勘違いモードから脱却出来ていなかった。その日の午後、波那がタブレットを持って彼のデスクへやって来る。
「あの、来週末の会議の資料が出来上がりましたのでご確認頂きたいのですが」
へ?男性の波那が事務仕事をしていると思わず、何となく顔を見つめてしまう。
「君、もしかして一般職?」
その問いに、ハイ。と頷く彼に対し、仕事出来ない系?と一瞬思ったのだが、先ずは仕事振りを見てみようとタブレットを受け取った。
へぇ、良いの作るじゃない。そう思いながら資料の出来を見ていると、課長が、今日は上がって良いぞ。と波那に声を掛ける。時計を見ると四時少し前、就業時間は六時までなのに何故?と彼の顔を見る。
「今日は早退して病院に行くんです」
「へぇ、どこか悪いのか?」
沼口は訊ねてから、しまった!と罰の悪そうな顔をする。しかし波那は気にせずに、循環器系の持病がある。とあっさり答えてきた。それでか……。彼が一般職を選んでいる理由が分かり、タブレットの資料をチェックしてOKを出す。
「転送は来週頭にお願い。俺のタブレットまだ無いから、アドレスは届き次第教えるよ」
「分かりました、お先に失礼します」
お疲れさん。この時を境に波那に対する気まずさは払拭され、仕事仲間として信頼し始めていた。以来二人は公私共に親しくなり、波那にとって良き兄貴分となっていく。
そろそろ中元期という事で、営業部全員参加による決起集会が開かれる。この日は普段なかなか接する事の無い他の課の社員たちとの親睦を深める目的もあり、一課から五課まで総勢百名ほどが集合した。そんな中、一課の隣のエリアを担当する二課の女性社員と話をしていた波那の所に、パンツスーツ姿の長身美女がやって来る。
「紹介するね、こちら南愛梨さん。ウチの看板セールスレディよ」
波那はいかにも仕事の出来そうな美女を前に少々緊張してしまう。隣の課にこんな綺麗な人居たんだ……。聞くと昨年福岡支社から転勤してきて、麗未が通っていた大学の卒業生と分かる。彼女は大学院まで通っており、英語を始めとした八か国語を操る才女だそうだ。
「看板だなんて大袈裟な……。初めまして、南愛梨です」
「小泉波那です」
理想の妻像を目の前にして一人ときめいている波那だったが、それを隠して握手を交わす。
「実はウチの姉も同じ大学の卒業生なんです」
波那は麗未を利用して話を繋ぐと、意外とあっさり食いついてくる。
「お姉さんとはいくつ違うんですか?」
「双子なんです。建築学部で、確か四十八期生だったと思います」
彼女たちが通った大学は全国でも最大規模級を誇る学校で、キャンパスも数ヶ所点在していて面識が無い事も十分考えられた。愛梨は少し考える仕草を見せて、四十八期生なら多分同い年です。と言った。
「建築学部で同期生なら小泉麗未さんの事かしら?キャンパスが違ったから直接お会いした事は無いのですが、彼女有名人でしたから」
え?波那は嫌な予感がして笑顔が固まってしまう。麗未は近所で評判の才女であると同時に、男性もあっさり打ち負かしてしまうほどの怪力としても有名なのだ。
「彼女建築学部では史上初の女性主席卒業と言う事で結構話題になったんです」
そうですか。波那は余計な武勇伝ではなかった事に心の中でホッとする。ここで麗未の悪行?を知られるのはマズイ。となるべく成績優秀路線の内容で乗り切る事にする。
「麗未さんのお話は中等部から通っている友人から多少伺っていたんです。ただこれまで酒の飲み比べで負けた事が無い体育学部の男性の先輩を酔い潰した。って話を聞いた時は驚きましたが……」
やっぱりあった……。波那は心の中で泣きそうになりながらも何とか笑ってごまかしていた。しかしこの事がきっかけで二人は親しくなり、近日中に友人を誘って遊びに行く約束をしたのだった。
約束の当日、波那と愛梨はそれぞれ二人の友人を誘ってグループデートをする。波那は丞尉と、彼の高校の同級生である正木大輔という男性を連れて行く。愛梨も大学時代のサークル仲間を連れて来ていた。そのデート中波那は愛梨には丞尉との方が気が合う様に見受けられた。語学が堪能だったり嗜好が似ていたりして、午後からは二人で行動する様になり、波那と正木は友人二人の相手をするとだけとなっていた。
この日はそれで別れ、それからひと月ほど経って愛梨と丞尉の交際がスタートした。波那はまたも仕切り直しとなったのだが、友達に恋人が出来たのは喜ばしい事であった。
グループデートの後、波那は二つのお見合いに参加した。
一つ目は四十代前半の外資系企業勤務、二つ目は三十代後半のテレビ局勤務の女性だった。二人共仕事優先を容認してくれる男性という点で波那に興味を持ったらしいのだが、家庭的なタイプではなく同志の様なタイプを求めていた。乙メンの波那では女友達扱いで、結婚相手として見てもらえなかったのだった。
彼は憧れの『主夫』への道のりがこんなに厳しいものなのか、と婚活の難しさを妙に痛感させられている状態だ。
そんな中、波那の職場の上司でまさにそれを実行している男性社員が居る。彼は営業一課課長代理の小田原淳二四十五歳、二十歳の娘を筆頭に、九歳、五歳、三歳の息子が居るために育児勤務状態を十年近く続けている。この会社では男性も育児に参加できるよう、女性の社会復帰がいち早くスムーズに行えるよう全社員に一子につき最大六年の育児休暇ないしは勤務制度が設けられており、彼は妻に代わってこの制度を最大限利用して積極的に育児に奮闘しているのだ。
小田原の妻は官僚勤務の才媛であり、夫よりもはるかに給料が良いので一家の大黒柱となって家計を支えている。よって彼は毎日午後三時に退社して、子供の幼稚園へのお迎え、日々の買い物、家に帰れば洗濯物を取り込んだり、夕食を作ったり。彼に言わせると家事の方が忙しいそうで、仕事ではほぼ窓際状態となっている。それでも本来は優秀な人材である事を裏付けるかの様に、社内では物凄い人脈を持っていて何かと人望は厚い人だ。
「ところで波那ちゃん、婚活は順調?」
この日波那は小田原と屋上へ上がり、自作のお弁当を広げている。
「いえ、なかなかうまくいかなくて……」
「そんなに焦らなくて良いと思うよ。出逢う時にちゃんと出逢える様になってるから」
だと良いのですが……。このところ撃沈続きの彼は少しばかり落ち込んでいた。しかし小田原は、まだ若いんだから。と笑っており、慰めるかのように背中をポンポンと叩いてきた。
「大丈夫大丈夫、今がっつくとかえって変なの捕まえちゃうよ」
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