道端の花にだって、人生はある。

保科ゆみ

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私の名前はクレア・ガーネット。
この王国の王族に仕える貴族ガーネット家の長女として産まれました。長女ではありますが、上に兄が2人いますので、3人兄弟の末っ子という立場になります。

女性というものは、先祖代々受け継いできた家名を廃らせることなく、より良い血縁関係を広げていく為に、名家に嫁ぐもの。それが貴族であるガーネット家の一員であり、長女の使命と言われ育ってきました。

実際に、ダイアン家と呼ばれる名家の長男であるマイケル様と幼少期の頃より婚姻が約束されていました。

小さい頃から、マイケル様のお嫁さんになるのだと思い、勉学や花嫁修行にも励んできたつもりです。マイケル様もとてもお優しい方で、私は、気付いたらマイケル様のことを好きになっていきました。

マイケル様と一緒になれる日を少しずつ楽しみにしていましたし、マイケル様も愛のある家庭を築こうと言ってくださり、たとえ、始めは政略結婚だったとしても、幸せな人生を歩めると思っていたのです。


ですが、先日のこと。
お父様が仕事から帰宅後、とある舞踏会の招待状を持って帰ってきて、こう言ったのです。


「お前の花婿となる男性を探すいい機会となるだろう。」


一瞬何を言ったのかわかりませんでした。ですので、すぐに、お父様に言ったのです。

「私にはマイケル様という婚約者がいますわ。」

すると、


「何もマイケルだけが、婚約者というわけでもあるまい。この舞踏会はマイケルと一緒に行くことは許さん。勿論欠席することも出来ん。心して準備するように。」


私は、ショックを受けてしまい、その場でもう何も言えなくなってしまったのです。

舞踏会の日まで時間はありますが、マイケルと連絡を取ろうにもすれ違いばかりで。

私も悩んだのです。確かに幼少期よりマイケル様しか知らぬ身。様々な知見を広げ、一族にとって、より良い繋がりを見つけに行くべきだと。

ですが、恋は盲目とはよく言ったものですね。舞踏会への出席は、わたくしの心が許してはくれませんでした。他の殿方を見たとしても、マイケル様の方が絶対に良いと思っているのです。
それに、ガーネット家の一員として、浮気のような行動をすることが、何よりも嫌だったのです。


心を決めてから何度かお父様に伝えようとしましたが、お話しをする機会を中々得られず、刻々と期限が迫ってきてしまい、色々考えた結果。

私の代わりに舞踏会に出席してもらう方を探すことにしました。

両親には内緒だったものですから、毎日必死に時間を作って探し歩きました。
普段歩き回ることも中々なかったので、日々疲労が蓄積されてしまい、今日はたまたまこのお店の前で倒れてしまったのです。


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