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2章 不思議な男の子
12話 案内された先
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「Lun Azuu Wali-de ne.」
年配の女性の呟きは、また翻訳できなかった。
多分距離が離れているからだろう。
彼女達とも会話したかったので、近くに行って同じように地べたに座り込んだ。
「何を作っているんですか?」と話しかけたスマホの画面を彼女達に見せる。
画面を見て、女の人達は口々に何か言っていた。
少ししか驚いてないって事は、このアプリについては知っていたのだろうか?
「Kor-a Sia Wali-ri Wali Tani.」
年配の女性、と言うかおばちゃんが、持っていた布を掲げる。「これ子ども服」と言っているらしい。
「Athi-a Raama Wali-ri to, Sia Ne-ri to, at Tani Lun Lun-de yo.」
お喋りなのか、おばちゃんは他の人の縫っているものも教えてくれた。
ウンウンと頷きながら聞いていると、「ここでやるは修理」で、「新しいのはあっち」と言う事も教えてくれた。
ここではほつれ直しだけで、新しいものは室内で作ると言う事のようで、なぜ分けているのか聞いてみた。
すると、「こっちは土の精霊がいる」かららしく、聞く感じ汚れた布は外で扱っているようだ。
メモも写真も許可を貰ったので、ここでも沢山書いて沢山撮った。
私が書いた絵に女の人達は関心してくれたし、写真は嬉しそうだった。
途中から、私もほつれ直しを手伝ったけど、そうしているとあっという間に昼食の時間になっていた。
昼食は、朝食と同じように宿で食べた。
チェックアウトした後の、掃除も完了しているであろう部屋で食べるのは少し心苦しかったけど、特別待遇で残らせてもらっているのだから仕方がない。
それに、昼食は旅行者用のものじゃなくキニータ族の食事だった。
鶏肉と野菜が入っているスープと硬いパンで、パンをスープに浸すととても美味しかった。
美子には食事前にメールを送ったから、ネットが使えるようになったら返信をくれるだろう。
あ、そうそう。教授からは返信が来てたんだ。
添付した写真へのお褒めの言葉と「陶器と布製品なら恐らく大丈夫でしょうが、念のためアズーラ連峰国に確認しておきますね」との事で、教授のマイペースっぷりが爆発していた。
そのメールに、「もう少し滞在する事になりました。ネットが使えるので何かあったら連絡します」とさらに返信しておいたから、各所への連絡は完璧。
あと何日滞在させてもらえるか分からないけど、心残りがないようにたくさん取材をしよう・・・!
そんな感じでいろいろ考えつつ昼食後の一服をしていると、先ほど宿に案内してくれた女の子がまたやって来た。
「Tani Luan-a shi-de.」
ちゃんと声を掛けてから部屋に入ってきてくれたその子は、空の食器を確認してから私の荷物を示した。
「Raama Lun-o Tani Sie-a Azuu Laka-a shi-ma.」
「あ、ちょっと待って」
1人だからとポケットにしまっていたスマホを慌てて取り出して、急いで翻訳アプリを起動する。
「もう一回言って」
画面に翻訳が表示されたのを確認してから女の子に向けると、彼女もスマホに向かってしゃべってくれた。
「Raama Lun-o Tani Sie-a Azuu Laka-a shi-ma.」
画面を確認すると、「持ち物を持ってついて来て」の文字。
頷いてから荷物を手に取ると、言葉が伝わったのが嬉しかったのか、女の子は嬉しそうに笑ってくれた。
女の子に連れられて行った先は、儀式用の建物だった。
「なぜ?」と疑問符を頭に浮かべながら着いて行くと、建物入ってすぐの入口は右じゃなく左の方に案内された。
ちょっとした廊下の先、突き当たったところに部屋があるのは役場の作りと似ている。
奥の方が重要な部屋なんだろうけど・・・。
「Koc-ni Tana Yu-a shi-ma.」
仕切り布を暖簾のようにかき分けて、女の子が入室を促す。
部屋の中からは不思議な香りが流れ出てきた。
嫌な香りじゃなくて、安心するような優しい甘い香り。
知らない場所への怖さはほんの少しあったけど、好奇心と不思議な安心感から部屋の中に足を踏み入れていた。
部屋の中は、思ったより広かった。
宿と同じで横長の窓からは明るい日が差し込んでいて、部屋の中を仕切る布の向こうもよく見えた。
手前は机と椅子があってリビングのようだけど、向こう側には大きなベッドがあるから寝室らしい。
つまり、思い切りプライベートな部屋だ。
私みたいな部外者が勝手に立ち入ったらいけない感じの部屋だ。
でも・・・今回は連れて来られたから仕方がないか。女の子も戻って行っちゃったみたいだし。
チェストの上の香炉も、見えてしまっているから見ちゃっても仕方ないか。
手のひらに収まらないくらいの大きな香炉は、昨日見た食器よりも黒かったけど、やっぱり陶器の手触りだった。
より鉄分を含んだ土で作るのか、それとも上薬を使っているのか。
聞いたら教えてくれるだろうか?
香炉の形自体も変わっていて、模様は食器とは違う意匠だ。
4つに分かれているから、4種類の何かしらを表していそう。
中も見たいけど、勝手に触って壊しでもしたら大変だし、そもそも触っちゃいけないものかもしれない。
さっき指の腹で撫でたのは・・・あれくらいなら、許されるはず・・・!
年配の女性の呟きは、また翻訳できなかった。
多分距離が離れているからだろう。
彼女達とも会話したかったので、近くに行って同じように地べたに座り込んだ。
「何を作っているんですか?」と話しかけたスマホの画面を彼女達に見せる。
画面を見て、女の人達は口々に何か言っていた。
少ししか驚いてないって事は、このアプリについては知っていたのだろうか?
「Kor-a Sia Wali-ri Wali Tani.」
年配の女性、と言うかおばちゃんが、持っていた布を掲げる。「これ子ども服」と言っているらしい。
「Athi-a Raama Wali-ri to, Sia Ne-ri to, at Tani Lun Lun-de yo.」
お喋りなのか、おばちゃんは他の人の縫っているものも教えてくれた。
ウンウンと頷きながら聞いていると、「ここでやるは修理」で、「新しいのはあっち」と言う事も教えてくれた。
ここではほつれ直しだけで、新しいものは室内で作ると言う事のようで、なぜ分けているのか聞いてみた。
すると、「こっちは土の精霊がいる」かららしく、聞く感じ汚れた布は外で扱っているようだ。
メモも写真も許可を貰ったので、ここでも沢山書いて沢山撮った。
私が書いた絵に女の人達は関心してくれたし、写真は嬉しそうだった。
途中から、私もほつれ直しを手伝ったけど、そうしているとあっという間に昼食の時間になっていた。
昼食は、朝食と同じように宿で食べた。
チェックアウトした後の、掃除も完了しているであろう部屋で食べるのは少し心苦しかったけど、特別待遇で残らせてもらっているのだから仕方がない。
それに、昼食は旅行者用のものじゃなくキニータ族の食事だった。
鶏肉と野菜が入っているスープと硬いパンで、パンをスープに浸すととても美味しかった。
美子には食事前にメールを送ったから、ネットが使えるようになったら返信をくれるだろう。
あ、そうそう。教授からは返信が来てたんだ。
添付した写真へのお褒めの言葉と「陶器と布製品なら恐らく大丈夫でしょうが、念のためアズーラ連峰国に確認しておきますね」との事で、教授のマイペースっぷりが爆発していた。
そのメールに、「もう少し滞在する事になりました。ネットが使えるので何かあったら連絡します」とさらに返信しておいたから、各所への連絡は完璧。
あと何日滞在させてもらえるか分からないけど、心残りがないようにたくさん取材をしよう・・・!
そんな感じでいろいろ考えつつ昼食後の一服をしていると、先ほど宿に案内してくれた女の子がまたやって来た。
「Tani Luan-a shi-de.」
ちゃんと声を掛けてから部屋に入ってきてくれたその子は、空の食器を確認してから私の荷物を示した。
「Raama Lun-o Tani Sie-a Azuu Laka-a shi-ma.」
「あ、ちょっと待って」
1人だからとポケットにしまっていたスマホを慌てて取り出して、急いで翻訳アプリを起動する。
「もう一回言って」
画面に翻訳が表示されたのを確認してから女の子に向けると、彼女もスマホに向かってしゃべってくれた。
「Raama Lun-o Tani Sie-a Azuu Laka-a shi-ma.」
画面を確認すると、「持ち物を持ってついて来て」の文字。
頷いてから荷物を手に取ると、言葉が伝わったのが嬉しかったのか、女の子は嬉しそうに笑ってくれた。
女の子に連れられて行った先は、儀式用の建物だった。
「なぜ?」と疑問符を頭に浮かべながら着いて行くと、建物入ってすぐの入口は右じゃなく左の方に案内された。
ちょっとした廊下の先、突き当たったところに部屋があるのは役場の作りと似ている。
奥の方が重要な部屋なんだろうけど・・・。
「Koc-ni Tana Yu-a shi-ma.」
仕切り布を暖簾のようにかき分けて、女の子が入室を促す。
部屋の中からは不思議な香りが流れ出てきた。
嫌な香りじゃなくて、安心するような優しい甘い香り。
知らない場所への怖さはほんの少しあったけど、好奇心と不思議な安心感から部屋の中に足を踏み入れていた。
部屋の中は、思ったより広かった。
宿と同じで横長の窓からは明るい日が差し込んでいて、部屋の中を仕切る布の向こうもよく見えた。
手前は机と椅子があってリビングのようだけど、向こう側には大きなベッドがあるから寝室らしい。
つまり、思い切りプライベートな部屋だ。
私みたいな部外者が勝手に立ち入ったらいけない感じの部屋だ。
でも・・・今回は連れて来られたから仕方がないか。女の子も戻って行っちゃったみたいだし。
チェストの上の香炉も、見えてしまっているから見ちゃっても仕方ないか。
手のひらに収まらないくらいの大きな香炉は、昨日見た食器よりも黒かったけど、やっぱり陶器の手触りだった。
より鉄分を含んだ土で作るのか、それとも上薬を使っているのか。
聞いたら教えてくれるだろうか?
香炉の形自体も変わっていて、模様は食器とは違う意匠だ。
4つに分かれているから、4種類の何かしらを表していそう。
中も見たいけど、勝手に触って壊しでもしたら大変だし、そもそも触っちゃいけないものかもしれない。
さっき指の腹で撫でたのは・・・あれくらいなら、許されるはず・・・!
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