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3章 ムワキという名の巫女
14話 ムワキの儀式
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更に30分後。
私はベッドの上にいた。
もちろんシャーマンの部屋のベッドの上。
そして足を伸ばして座る私の後ろには・・・。
「Raama-o Sia Sie-a shi-rati-ma. Wa-ni Tani Yuma Rakia-a shi-rati-ma.」
耳元に、シャーマンの、いやムワキの低い声が聞こえて、傍らに置いたスマホを見ると、「力を抜いて、私に身を預けなさい」と表示されていて。
後ろから抱きしめられる温もりに、溶けだしそうになりながら従った。
えっと、まずなんでこんな状況になっているかの説明が必要だよね。
私自身もよく分かってないから、説明がてら思い出してみよう。
シャーマンの部屋で、彼女と翻訳アプリ越しに話をしていたんだけど、そこで彼女がとてもとても楽しい話をしてくれたんだ。
なんでも、儀式の内容は儀式を受ける人の悩みによって変えるのだという内容で、その悩みの事を「穢れ」と呼んでいるとの事。
観光客こと「来訪者」の穢れは大体が美子への儀式と同じで良いらしく、「他も見たいですか?」と聞かれた。
思わず身を乗り出しながらお願いすると、シャーマンは上着を脱ぎながら「私をムワキと呼びなさい」と言った。
翻訳アプリによると、ムワキは「巫女」って意味らしい。なので「ムワキ」と呼ばせてもらう事にした。
ムワキは、上着を壁にかけると、あの巨大香炉を手に取って、蓋を開けた。
思わず覗き込むと、香木がセットされていて、そこにムワキが火を付けた。
焚き付けが入っていたのかすぐに火がつき、甘く重厚な香りが広がり始める。
ムワキが蓋を閉めると、蓋に空いた幾つもの穴から煙が立ち上り、ゆらゆら揺れて綺麗だった。
その香炉を持って、ムワキはベッドへ向かった。
何をするのか見たくて、私もついて行った。
ベッド脇のサイドボードの上に香炉を置き、ムワキはベッドに上がる。
そこで初めて彼女が下駄のような靴を履いていたことに気づいた。
「来なさい」と彼女は言った。
疑問も抱かずにベッドに上がった私の前で、彼女は足を投げ出して座った。
手を引かれ、その足の間に収まり、その拍子に持っていたスマホがパタリとベッドに落ちて。
驚きから固まる私にムワキは言ったのだ。
「Muru Tani-o Luan Tani-a shi-luan-rati.」
彼女の両手が私を引き寄せながら抱きしめて、体が密着して。
でも困惑しながらスマホを見ると「儀式を始めます」と書いてたから。
だから身を預けた。そうしてもいい人だと、思ったから。
「Rina, Ni-a ima Warina Tani-Laka-ni wali-de Warina.」
ムワキの声はゆっくりと響く子守唄のようで、心地よかった。
「Warina Tani-de, Rina-o Nia Tani-a shi-Tani Lun Nai-mo nai-de Warina.」
チラリとスマホを見ると、「貴女は安全な場所にいる」上に「傷付けるものは何もない」らしくて、ただその文字を見ただけなのに、彼女の言葉をあっさりと受け入れる事ができた。
私は安全な場所にいて、誰も私を傷つけない。
ムワキの温もりは暖かくて、彼女の体は私の一部のようで、微睡みのような心地良さが体を満たす。
凄く、心地良かった。
これ程心地好いのは生まれて初めてじゃないかって、思った。
「Rina, Warina Sia-de Warina. Ni-a totmo Warina Sia-de Warina.」
囁きながらムワキが私の腕を撫でる。
羽毛で撫でられてるみたいにふわふわと優しい感触が、腕から手の先までを撫でて。
気持ち良かった。
もっと触れて欲しいと思った。
「Wali Tani-o, Azuu Sie-a shi-luan-rati-ka?」
離れていってしまった心地好い手のひらに、不満を感じてムワキを見た。
彼女は、スマホを指さしていて、スマホの画面には「服を脱いで」の文字があって。
でもその一つ前、「リナ、いい子。とてもいい子」の文字も見えて。
じんわりと喜びが体を駆け上がる。
その熱を覚ますために、何も考えずにシャツを脱いでいた。
「Sor-mo Azuu Sie-a shi-rati-ma.」
キャミソール姿の私に、ムワキはこれも脱げと言っているようで。
それにはさすがに抵抗感があった。
女性相手とはいえ、親しい仲という訳でもなく、窓から差し込む明かりで産毛すら見えてしまうくらいなのに。
「Rina.」
ムワキの腕が、また私を抱きしめる。
シャツがなくなっただけで密着感が鮮明になって、苦しいのに心地よくて、自然と吐息が漏れてしまった。
私はベッドの上にいた。
もちろんシャーマンの部屋のベッドの上。
そして足を伸ばして座る私の後ろには・・・。
「Raama-o Sia Sie-a shi-rati-ma. Wa-ni Tani Yuma Rakia-a shi-rati-ma.」
耳元に、シャーマンの、いやムワキの低い声が聞こえて、傍らに置いたスマホを見ると、「力を抜いて、私に身を預けなさい」と表示されていて。
後ろから抱きしめられる温もりに、溶けだしそうになりながら従った。
えっと、まずなんでこんな状況になっているかの説明が必要だよね。
私自身もよく分かってないから、説明がてら思い出してみよう。
シャーマンの部屋で、彼女と翻訳アプリ越しに話をしていたんだけど、そこで彼女がとてもとても楽しい話をしてくれたんだ。
なんでも、儀式の内容は儀式を受ける人の悩みによって変えるのだという内容で、その悩みの事を「穢れ」と呼んでいるとの事。
観光客こと「来訪者」の穢れは大体が美子への儀式と同じで良いらしく、「他も見たいですか?」と聞かれた。
思わず身を乗り出しながらお願いすると、シャーマンは上着を脱ぎながら「私をムワキと呼びなさい」と言った。
翻訳アプリによると、ムワキは「巫女」って意味らしい。なので「ムワキ」と呼ばせてもらう事にした。
ムワキは、上着を壁にかけると、あの巨大香炉を手に取って、蓋を開けた。
思わず覗き込むと、香木がセットされていて、そこにムワキが火を付けた。
焚き付けが入っていたのかすぐに火がつき、甘く重厚な香りが広がり始める。
ムワキが蓋を閉めると、蓋に空いた幾つもの穴から煙が立ち上り、ゆらゆら揺れて綺麗だった。
その香炉を持って、ムワキはベッドへ向かった。
何をするのか見たくて、私もついて行った。
ベッド脇のサイドボードの上に香炉を置き、ムワキはベッドに上がる。
そこで初めて彼女が下駄のような靴を履いていたことに気づいた。
「来なさい」と彼女は言った。
疑問も抱かずにベッドに上がった私の前で、彼女は足を投げ出して座った。
手を引かれ、その足の間に収まり、その拍子に持っていたスマホがパタリとベッドに落ちて。
驚きから固まる私にムワキは言ったのだ。
「Muru Tani-o Luan Tani-a shi-luan-rati.」
彼女の両手が私を引き寄せながら抱きしめて、体が密着して。
でも困惑しながらスマホを見ると「儀式を始めます」と書いてたから。
だから身を預けた。そうしてもいい人だと、思ったから。
「Rina, Ni-a ima Warina Tani-Laka-ni wali-de Warina.」
ムワキの声はゆっくりと響く子守唄のようで、心地よかった。
「Warina Tani-de, Rina-o Nia Tani-a shi-Tani Lun Nai-mo nai-de Warina.」
チラリとスマホを見ると、「貴女は安全な場所にいる」上に「傷付けるものは何もない」らしくて、ただその文字を見ただけなのに、彼女の言葉をあっさりと受け入れる事ができた。
私は安全な場所にいて、誰も私を傷つけない。
ムワキの温もりは暖かくて、彼女の体は私の一部のようで、微睡みのような心地良さが体を満たす。
凄く、心地良かった。
これ程心地好いのは生まれて初めてじゃないかって、思った。
「Rina, Warina Sia-de Warina. Ni-a totmo Warina Sia-de Warina.」
囁きながらムワキが私の腕を撫でる。
羽毛で撫でられてるみたいにふわふわと優しい感触が、腕から手の先までを撫でて。
気持ち良かった。
もっと触れて欲しいと思った。
「Wali Tani-o, Azuu Sie-a shi-luan-rati-ka?」
離れていってしまった心地好い手のひらに、不満を感じてムワキを見た。
彼女は、スマホを指さしていて、スマホの画面には「服を脱いで」の文字があって。
でもその一つ前、「リナ、いい子。とてもいい子」の文字も見えて。
じんわりと喜びが体を駆け上がる。
その熱を覚ますために、何も考えずにシャツを脱いでいた。
「Sor-mo Azuu Sie-a shi-rati-ma.」
キャミソール姿の私に、ムワキはこれも脱げと言っているようで。
それにはさすがに抵抗感があった。
女性相手とはいえ、親しい仲という訳でもなく、窓から差し込む明かりで産毛すら見えてしまうくらいなのに。
「Rina.」
ムワキの腕が、また私を抱きしめる。
シャツがなくなっただけで密着感が鮮明になって、苦しいのに心地よくて、自然と吐息が漏れてしまった。
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