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5章 アズー君
30話 元キターニ
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先導してくれるムルさんの後を追いかける。
シアちゃんも、不安そうな顔でだったけど着いて来てくれて、3人で役場の方へ向かった。
役場の前にはアズー君がいた。族長もいた。
護衛みたいな男の人と、洋服の、知らない男の人もいた。
「Ko Yuma-de Warina Nai-de. Wa Luan-a Kitaani Noa Yuma-ni Yuma Azuu Shi-luan-de.」
洋服の人はキターニ族の言葉を喋っているようだった。
公用語じゃないキターニ族の言葉は、通訳の人であってもだいたいカタコトで、だからそのおじさんは元々キターニ族の人だったのかもと思った。
「Tani Warina-no Yuma Lun Noa-a wali-de. Sore ni Ni-a Luan-ta Azuu Laka Tani Wali-de Warina.」
洋服のおじさんに答えるアズー君はムワキの姿だった。フードで半分顔を隠していたけれど、彼だと分かった。
「あれ何の話してるの?」
翻訳できない距離だったから何を話しているかは分からなかった。でも不穏な空気に見えて、ムルさんに聞いてみた。
そしたら、難しい顔のムルさんより先に、シアちゃんが「Wali Azuu-a shi-luan Nai-Sia Wali-de Warina.(行かない方が良いです)」と言った。
「喧嘩?」
語気は荒くないけれど、冷静に話し合っているようにも見えなくて。
でもアズー君が、儀式でもないのにムワキとして喋る姿は、少し嫌だった。
「Azuu Laka Tani Wali-ga Sia Nia Tani Noa Yuma-a Tani Noa Yuma Luan-o Luan Nai-a shi-luan.(外の人間が半端に関わらないで)」
そう言いながらも、ムルさんは私を止める気がないように見えた。
いや。私に、何かを期待しているように見えた。
「Yuma Wali Ka.(それとも)」
ムルさんの声がトーンダウンして、彼女の瞳が私を真っ直ぐに捉える。
タレ目の目元が、しっかりと真正面から私を見ていて。向き合うと、彼女の茶色い目には私が映っていた。
「アズーSia Wali-no Yuma Wali-o Muru Yuma Rakia-de ra-ka?」
スマホは見なかった。
見なくても、彼女の言いたい事が分かった。
あれはアズー君が何度も私に訴えてくれた言葉だから。
だからもう発音だってちゃんと覚えたよ。
「Muru Yuma Rakia.アズー君の事、Muru Yuma Rakia.」
私の言葉を聞いて、ムルさんは嬉しそうに頷いた。
「Warina Noa Tani-a shi-te Rakia アズーSia Wali-o.」
彼女が指さしたのは、アズー君の方。
「行きなさい」と言われてるのが分かって、しっかりと頷き返して見せた。
「うん!」
私の姿に最初に気づいたのは洋服のおじさんだった。
おじさんは、怪訝そうな顔で「Na Wali-de?(誰だ)」とアズー君に聞いた。
アズー君は、フードの下でとても驚いた顔をしていた。
「Azuu Laka Tani Wali-ga wali-de ra-ka?(外の人間がいる?)」
やっぱりキターニ族の言葉のようで、翻訳アプリがあればおじさんとも会話ができそう。
おじさんが、文字が読める人なら、だけど。
「Kon Ni Wali-a Ni-ri Warina Tani Yuma-o Yuma Tani-ta no-ka?(こいつは知ってるか?お前の正体を)」
嫌な感じで言うおじさん。反射的に、この人はアズー君の敵だと思った。
「知ってますよ?って言うか、あなたも外の人間ですよね?」
スマホの画面を見せると、おじさんは怪訝そうな顔で、でも文字はちゃんと読めたらしい
「Wa Luan-a Luan-ta Kitaani de Wali-de.(俺は前はキターニ)」
予想通り村を出た人か。
でもそんなドヤ顔をされても1ミリも格好良くは無いけどね。
「今は、外の人間ですよね??」
ムッとした顔を向けると、ムッとした顔を返される。
でも私は口喧嘩なら自信があった。
「Na-de ra Kon Ni Wali-a?(何だこの女?)」
私より背も高く、体もがっしりとしているおじさん。
力で解決しようとされたら絶対に敵わないだろう。
でも引く気はなかった。だってアズー君の敵だから。
「おじさん何の用で来たんですか?」
おじさんはスマホの画面は見たけど何も言わずにアズー君の方を見た、そして私の手元の草の包みを見て、私の顔を見た。
「Tani Yuma-ka...(そういう事か)」
ニタリって感じの嫌な笑み。
「Kitaani-ri Azuu Lun Yuma-o Luan Azuu-ta no-ka, Nia Sia-de ra.(キターニのLun Yumaの流れを繰り返すか、Nia Siaだ)」
呪詛みたいに胸がザワザワする嫌な言葉。
全部翻訳できなくてもおじさんが嫌な事を言ったのだけは分かった。
分かって、怯みそうになってしまった。ふがいない事に。
そんな私をおじさんから庇うように口を開いてくれたのは、族長だった。
「Ni-a Raama Luan Wali Azuu-ta no Nai-de.(彼女は無理に連れきてない)」
「Shi Luan-Yuma Wali-a Wali Lun-de ralo.(やっているのは同じ意味)」
「Nai. Ni-a Yuma Noa-a shi-luan Kok-ni Wali-de.(違う。彼女は望んでここにいる)」
族長は偉いはずなのに、もうキターニ族ではないおじさんは族長にも逆らう事ができるらしい。
ハッと小馬鹿にした笑いが凄く嫌な感じだった。
シアちゃんも、不安そうな顔でだったけど着いて来てくれて、3人で役場の方へ向かった。
役場の前にはアズー君がいた。族長もいた。
護衛みたいな男の人と、洋服の、知らない男の人もいた。
「Ko Yuma-de Warina Nai-de. Wa Luan-a Kitaani Noa Yuma-ni Yuma Azuu Shi-luan-de.」
洋服の人はキターニ族の言葉を喋っているようだった。
公用語じゃないキターニ族の言葉は、通訳の人であってもだいたいカタコトで、だからそのおじさんは元々キターニ族の人だったのかもと思った。
「Tani Warina-no Yuma Lun Noa-a wali-de. Sore ni Ni-a Luan-ta Azuu Laka Tani Wali-de Warina.」
洋服のおじさんに答えるアズー君はムワキの姿だった。フードで半分顔を隠していたけれど、彼だと分かった。
「あれ何の話してるの?」
翻訳できない距離だったから何を話しているかは分からなかった。でも不穏な空気に見えて、ムルさんに聞いてみた。
そしたら、難しい顔のムルさんより先に、シアちゃんが「Wali Azuu-a shi-luan Nai-Sia Wali-de Warina.(行かない方が良いです)」と言った。
「喧嘩?」
語気は荒くないけれど、冷静に話し合っているようにも見えなくて。
でもアズー君が、儀式でもないのにムワキとして喋る姿は、少し嫌だった。
「Azuu Laka Tani Wali-ga Sia Nia Tani Noa Yuma-a Tani Noa Yuma Luan-o Luan Nai-a shi-luan.(外の人間が半端に関わらないで)」
そう言いながらも、ムルさんは私を止める気がないように見えた。
いや。私に、何かを期待しているように見えた。
「Yuma Wali Ka.(それとも)」
ムルさんの声がトーンダウンして、彼女の瞳が私を真っ直ぐに捉える。
タレ目の目元が、しっかりと真正面から私を見ていて。向き合うと、彼女の茶色い目には私が映っていた。
「アズーSia Wali-no Yuma Wali-o Muru Yuma Rakia-de ra-ka?」
スマホは見なかった。
見なくても、彼女の言いたい事が分かった。
あれはアズー君が何度も私に訴えてくれた言葉だから。
だからもう発音だってちゃんと覚えたよ。
「Muru Yuma Rakia.アズー君の事、Muru Yuma Rakia.」
私の言葉を聞いて、ムルさんは嬉しそうに頷いた。
「Warina Noa Tani-a shi-te Rakia アズーSia Wali-o.」
彼女が指さしたのは、アズー君の方。
「行きなさい」と言われてるのが分かって、しっかりと頷き返して見せた。
「うん!」
私の姿に最初に気づいたのは洋服のおじさんだった。
おじさんは、怪訝そうな顔で「Na Wali-de?(誰だ)」とアズー君に聞いた。
アズー君は、フードの下でとても驚いた顔をしていた。
「Azuu Laka Tani Wali-ga wali-de ra-ka?(外の人間がいる?)」
やっぱりキターニ族の言葉のようで、翻訳アプリがあればおじさんとも会話ができそう。
おじさんが、文字が読める人なら、だけど。
「Kon Ni Wali-a Ni-ri Warina Tani Yuma-o Yuma Tani-ta no-ka?(こいつは知ってるか?お前の正体を)」
嫌な感じで言うおじさん。反射的に、この人はアズー君の敵だと思った。
「知ってますよ?って言うか、あなたも外の人間ですよね?」
スマホの画面を見せると、おじさんは怪訝そうな顔で、でも文字はちゃんと読めたらしい
「Wa Luan-a Luan-ta Kitaani de Wali-de.(俺は前はキターニ)」
予想通り村を出た人か。
でもそんなドヤ顔をされても1ミリも格好良くは無いけどね。
「今は、外の人間ですよね??」
ムッとした顔を向けると、ムッとした顔を返される。
でも私は口喧嘩なら自信があった。
「Na-de ra Kon Ni Wali-a?(何だこの女?)」
私より背も高く、体もがっしりとしているおじさん。
力で解決しようとされたら絶対に敵わないだろう。
でも引く気はなかった。だってアズー君の敵だから。
「おじさん何の用で来たんですか?」
おじさんはスマホの画面は見たけど何も言わずにアズー君の方を見た、そして私の手元の草の包みを見て、私の顔を見た。
「Tani Yuma-ka...(そういう事か)」
ニタリって感じの嫌な笑み。
「Kitaani-ri Azuu Lun Yuma-o Luan Azuu-ta no-ka, Nia Sia-de ra.(キターニのLun Yumaの流れを繰り返すか、Nia Siaだ)」
呪詛みたいに胸がザワザワする嫌な言葉。
全部翻訳できなくてもおじさんが嫌な事を言ったのだけは分かった。
分かって、怯みそうになってしまった。ふがいない事に。
そんな私をおじさんから庇うように口を開いてくれたのは、族長だった。
「Ni-a Raama Luan Wali Azuu-ta no Nai-de.(彼女は無理に連れきてない)」
「Shi Luan-Yuma Wali-a Wali Lun-de ralo.(やっているのは同じ意味)」
「Nai. Ni-a Yuma Noa-a shi-luan Kok-ni Wali-de.(違う。彼女は望んでここにいる)」
族長は偉いはずなのに、もうキターニ族ではないおじさんは族長にも逆らう事ができるらしい。
ハッと小馬鹿にした笑いが凄く嫌な感じだった。
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