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65 挨拶
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64話と65話を重複して載せていました。
2024年7月22日に修正していますので、それ以前に読まれた方は申し訳ありませんがもう一度お読みください。
話が繋がらないまま進めてしまい申し訳ありませんでした。
----------------
「アイザックっ! ど、どうしてここに?」
「街に行くって言ってたから追いかけてきた。場所までわからないから、かなり探したけど」
彼は手で赤い頬を隠しながらそう言った。
「い、い、いつからいたの?」
「私は彼の婚約者だし……くらいから」
――そんなところから! 絶対に最後の聞かれてるじゃない。
なんとなく気まずくて、二人とも真っ赤になったまま俯いてしまう。
「うわ……この甘ったるい空気に吐き気がしそうだ。アイザックの喜んだ顔なんてこれ以上見たくないから、私はお暇するよ」
そう言って、ブライアンは私の傍に来てよしよしと頭を撫でた。
「婚約者に飽きたらいつでも私を呼んでくれ」
じゃあまたね、と私の髪にキスをして移動魔法で去って行った。
「リリーごめん。俺、嫉妬してわけわかんなくなって」
「強引で……怖かったんだから」
「そうだよな。もう絶対にあんな傷付けるようなことしない」
「許すよ。私もごめん。キスされてしまって……」
アイザックは私をギュッと抱きしめ、髪と唇に軽いキスをした。
「君が誰に好かれたって、俺は負けないから。俺が一番って思ってもらえる男になるから」
「う、うん」
「……一緒に帰ろう?」
「うん」
それから手を繋いで家に帰った。祝福を受けた彼は魔力が強くなってるため、二人でも移動魔法もなんの負担でもないとのこと。
フッと一瞬でスティアート家の中で前に着いた。
「移動魔法って便利だよね」
「そうだな。でも、あまりに一瞬で着くから俺はあんまり使いたくない。寂しいし」
「へ?」
「リリーと一緒なら移動時間も楽しいから」
「そ、そうね」
アイザックの言葉に、私は頬を染めた。移動時間も二人にとっては一緒にいられる大事な時間だ。
しかし、移動魔法について頭の中にある一つの疑問が浮かんできた。
「これって何処へでも行けるの?」
「行ったことのある場所とか詳しい住所のわかっている場所なら行ける」
「え!」
「なに?」
「じ、じゃあアイザックは私の部屋にもいつでも来れるってことなの? それは困るわ」
だって、予告もなしにいきなり部屋にアイザックが現れたら恥ずかしいし困ってしまう。
「部屋……リリーの?」
彼はそう呟きぼーっとしていたが、意味を理解したのかぶわぁと一気に顔が赤くなる。
「そりゃあ可能だけど……勝手に入るわけないだろ」
「だ、だよね。良かった! ごめん変なこと聞いて」
私が安心してホッとしていると、彼は少し面白くなさそうに耳元に口を寄せた。
「でもリリーが俺に部屋に来て欲しいって思った時は、すぐに行くから言って欲しい。行こうと思えばいつでも行けるんだから」
「え?」
「じゃあな、また」
彼はそれだけ言って家に帰っていった。
自宅に戻ると「遅かったね」と怖い笑顔のお父様が玄関で待ち構えていた……なんか怒ってる?
「我が家の馬車が君を乗せずに帰ってきたから焦ったよ」
「ごめんなさい。移動魔法で街まで移動して」
「移動魔法で? 君も一緒に?」
「ええ。行きはブライアン、帰りはアイザックに魔法で送ってもらったの」
「チッ……あいつら好き勝手しやがって」
お父様は舌打ちしてイライラしている。
「大丈夫、君の部屋には私が強力な防御かけているから安心して。この家にいる間は必ず私が守るから」
そうニッコリと笑った。はは……アイザック、これで絶対に私の部屋には来れなくなったわよ。さすがお父様だ。危険予知が完璧だわ、と感心した。
「移動魔法ってそんなにみんな使えるものなの? 誰でも好きな場所に来れるなんて、なんだか怖いわ」
「いや、魔力消費がすごいから並の魔法使いではそうそう使えない。だが、今のあの二人は魔力が膨大だからな……気をつけないと」
その後、お父様は私の部屋にそれはそれは強いバリアをかけ直し「これで安心」と満足していた。
♢♢♢
今日はきちんとした身なりのアイザックがおじ様と共に、我が家に婚約の挨拶に来てくれている。お互い知っている仲なので今更感があるが、大事なことは省いてはいけないとお父様が言うので堅苦しくなっている。
「アイザック、おじ様……わざわざ時間を割いてもらってごめんなさい。お互い知ってるんだから、こんなことしなくていいと思うんだけど。お父様がどうしても正式にするって譲らなくて」
来てくれた彼等に私は小声で謝った。
「何言ってるんだ。挨拶に来るのは当たり前だ」
「そうだぞ。デュークにとって大事な娘の婚約だ。正式にすることを彼も俺達も望んでる」
笑顔のおじ様に、いつものようにわしわしと頭を撫でられくすぐったい。
「親父、リリーに気安く触るな」
「あーやだやだ。お前の婚約者は狭量で困るな。こんなに心が狭いなんて信じられないな。親の顔が見てみたいもんだ」
ハッハッハと笑っている。いやいや、貴方が親ですから……と私はくすくすと笑ってしまった。
そのまま二人を客間に案内し、座ってもらった。みんなの前で挨拶をしたいと言うことで、部屋にはお母様もアーサーも座っている。
アーサーは私が正式に婚約することにショックを受けて、ここ数日はとても落ち込んでいた。心配になるがしょうがない。アイザックはアーサーにもきちんと受け止めて欲しいから、話を聞いてもらいたいと言っていた。
2024年7月22日に修正していますので、それ以前に読まれた方は申し訳ありませんがもう一度お読みください。
話が繋がらないまま進めてしまい申し訳ありませんでした。
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「アイザックっ! ど、どうしてここに?」
「街に行くって言ってたから追いかけてきた。場所までわからないから、かなり探したけど」
彼は手で赤い頬を隠しながらそう言った。
「い、い、いつからいたの?」
「私は彼の婚約者だし……くらいから」
――そんなところから! 絶対に最後の聞かれてるじゃない。
なんとなく気まずくて、二人とも真っ赤になったまま俯いてしまう。
「うわ……この甘ったるい空気に吐き気がしそうだ。アイザックの喜んだ顔なんてこれ以上見たくないから、私はお暇するよ」
そう言って、ブライアンは私の傍に来てよしよしと頭を撫でた。
「婚約者に飽きたらいつでも私を呼んでくれ」
じゃあまたね、と私の髪にキスをして移動魔法で去って行った。
「リリーごめん。俺、嫉妬してわけわかんなくなって」
「強引で……怖かったんだから」
「そうだよな。もう絶対にあんな傷付けるようなことしない」
「許すよ。私もごめん。キスされてしまって……」
アイザックは私をギュッと抱きしめ、髪と唇に軽いキスをした。
「君が誰に好かれたって、俺は負けないから。俺が一番って思ってもらえる男になるから」
「う、うん」
「……一緒に帰ろう?」
「うん」
それから手を繋いで家に帰った。祝福を受けた彼は魔力が強くなってるため、二人でも移動魔法もなんの負担でもないとのこと。
フッと一瞬でスティアート家の中で前に着いた。
「移動魔法って便利だよね」
「そうだな。でも、あまりに一瞬で着くから俺はあんまり使いたくない。寂しいし」
「へ?」
「リリーと一緒なら移動時間も楽しいから」
「そ、そうね」
アイザックの言葉に、私は頬を染めた。移動時間も二人にとっては一緒にいられる大事な時間だ。
しかし、移動魔法について頭の中にある一つの疑問が浮かんできた。
「これって何処へでも行けるの?」
「行ったことのある場所とか詳しい住所のわかっている場所なら行ける」
「え!」
「なに?」
「じ、じゃあアイザックは私の部屋にもいつでも来れるってことなの? それは困るわ」
だって、予告もなしにいきなり部屋にアイザックが現れたら恥ずかしいし困ってしまう。
「部屋……リリーの?」
彼はそう呟きぼーっとしていたが、意味を理解したのかぶわぁと一気に顔が赤くなる。
「そりゃあ可能だけど……勝手に入るわけないだろ」
「だ、だよね。良かった! ごめん変なこと聞いて」
私が安心してホッとしていると、彼は少し面白くなさそうに耳元に口を寄せた。
「でもリリーが俺に部屋に来て欲しいって思った時は、すぐに行くから言って欲しい。行こうと思えばいつでも行けるんだから」
「え?」
「じゃあな、また」
彼はそれだけ言って家に帰っていった。
自宅に戻ると「遅かったね」と怖い笑顔のお父様が玄関で待ち構えていた……なんか怒ってる?
「我が家の馬車が君を乗せずに帰ってきたから焦ったよ」
「ごめんなさい。移動魔法で街まで移動して」
「移動魔法で? 君も一緒に?」
「ええ。行きはブライアン、帰りはアイザックに魔法で送ってもらったの」
「チッ……あいつら好き勝手しやがって」
お父様は舌打ちしてイライラしている。
「大丈夫、君の部屋には私が強力な防御かけているから安心して。この家にいる間は必ず私が守るから」
そうニッコリと笑った。はは……アイザック、これで絶対に私の部屋には来れなくなったわよ。さすがお父様だ。危険予知が完璧だわ、と感心した。
「移動魔法ってそんなにみんな使えるものなの? 誰でも好きな場所に来れるなんて、なんだか怖いわ」
「いや、魔力消費がすごいから並の魔法使いではそうそう使えない。だが、今のあの二人は魔力が膨大だからな……気をつけないと」
その後、お父様は私の部屋にそれはそれは強いバリアをかけ直し「これで安心」と満足していた。
♢♢♢
今日はきちんとした身なりのアイザックがおじ様と共に、我が家に婚約の挨拶に来てくれている。お互い知っている仲なので今更感があるが、大事なことは省いてはいけないとお父様が言うので堅苦しくなっている。
「アイザック、おじ様……わざわざ時間を割いてもらってごめんなさい。お互い知ってるんだから、こんなことしなくていいと思うんだけど。お父様がどうしても正式にするって譲らなくて」
来てくれた彼等に私は小声で謝った。
「何言ってるんだ。挨拶に来るのは当たり前だ」
「そうだぞ。デュークにとって大事な娘の婚約だ。正式にすることを彼も俺達も望んでる」
笑顔のおじ様に、いつものようにわしわしと頭を撫でられくすぐったい。
「親父、リリーに気安く触るな」
「あーやだやだ。お前の婚約者は狭量で困るな。こんなに心が狭いなんて信じられないな。親の顔が見てみたいもんだ」
ハッハッハと笑っている。いやいや、貴方が親ですから……と私はくすくすと笑ってしまった。
そのまま二人を客間に案内し、座ってもらった。みんなの前で挨拶をしたいと言うことで、部屋にはお母様もアーサーも座っている。
アーサーは私が正式に婚約することにショックを受けて、ここ数日はとても落ち込んでいた。心配になるがしょうがない。アイザックはアーサーにもきちんと受け止めて欲しいから、話を聞いてもらいたいと言っていた。
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