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本編
18 親友⑤
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恥ずかしい……恥ずかしい……恥ずかしい。昨日はエルと別々に休んだはずだったのだが、朝起きると彼は自分の部屋にも夫婦の寝室にもいなかった。
オリバーに尋ねると、昨夜はジェフリー様と夜通し飲み明かしていらっしゃったようですよと教えてくれた。
「数年ぶりですから、久々にお会いされて旦那様も嬉しかったのでしょう。許してあげてください」
「まあ、許すだなんて。エルにそんな大事なご友人がいらっしゃるのは、私にとっても嬉しいことだわ」
彼は騎士団のみんなとも仲が良いが、やはり上司と部下……それに辺境伯として治めるべき立場から対等の関係とは言えない。エルは常に頼られ守る立場なのだ。だから、あんな風に気さくに冗談を言い合える仲のジェフ様の存在を知って嬉しかった。
「きっとジェフリー様の使われている客間にいらっしゃると思います」
楽しむのは良いことだが、彼はハードな仕事を終えてきたばかりだ。少しはベッドでゆっくり休んで欲しい。
「ジェフ様にもご迷惑かもしれませんわね。エルを起してきます」
「私がいきましょうか?」
「いえ、大丈夫よ。ありがとう」
ここでオリバーに任せておけば良かったのだ。しかし、私は何を思ったか自分で起しに行った。
トントントン
扉をノックすると「はーい、どうぞ」とジェフ様のお声がした。
「おはようございます」
ニコリと微笑むと、彼は私だと思っていなかったようで少し意外そうな顔をした。
「おはよう、クリスティンちゃん。旦那がいるのに、別の男の部屋に来るなんて君は悪い子だね」
揶揄うようにケラケラと笑っている。この人はこの手の冗談が好きなようだ。本気言っていないことがわかる。
「ふふ、残念ながら愛する旦那様を迎えに来ましたの」
「おや、振られてしまったな。残念だ」
エルはソファーにもたれながら、スースーと寝息をたてている。机にはすごい量の酒瓶が置かれており……だいぶ飲んだのがわかる。
「だいぶ飲んだから、起きないかもしれないぞ」
「まあ、困りましたわね。エル……エル……起きてくださいませ」
私は彼の肩をトントンと叩く。
「エル……エル……」
すると彼はとろんとした目で私を見た。しかし、まだ夢心地らしくぼーっとしたまま私の頬にそっと手を当てた。
「かわい……」
「……はい?」
「可愛い……可愛い俺だけの天使」
なんか恥ずかしい台詞が聞こえてきて私は焦った。後ろでジェフ様はポカンとしている。
しかしそんなことお構いなしのエルは私の唇に激しく吸い付いた。ぴちゃぴちゃといういやらしい音が部屋に響きわたる。キスは強いアルコールの味がして、頭がクラクラする。
「ふっ……んんっ……やめ……て!」
私は必死に抵抗した。ジェフ様に見られながらこんなこと恥ずかしすぎる。しかしおそらく意識がはっきりしていないエルは、私をさらに強引に引き寄せ唇を甘噛みし……唇が腫れるほど濃厚なキスを散々繰り返した。そして満足したのか、パタリと力が抜けまたスースーと寝入った。
私は全身真っ赤になって、あまりの恥ずかしさに震えていた。だって彼とのキスを全部……ジェフ様に見られていたのだから。
「くっくっく……あはははは」
彼はお腹を抱えて爆笑している。わ、わ、笑い事ではない。
「これはいい。妻が天使だなんて……俺の親友は本当に幸せ者だな」
彼は涙を指で拭って、まだケラケラと笑っている。
「お見苦しいところ……申し訳ありません……」
私は俯いたまま小声で謝罪した。うう、あんな激しいキスをするなんて。エルの馬鹿。
「いや、でも冗談でなく本音だ。エルはご両親が亡くなってから一人で必死に頑張ってきた。だから……彼の最愛の女性が奥さんになってくれたこと嬉しく思うよ。ありがとう」
ジェフ様は真剣な顔で私を見つめた。
「いえ、私など何も。与えてもらうばかりで」
「そんなことはない。君がいるからこいつは頑張れるんだ」
エルを見ると幸せそうに寝ている。彼には私の前では頑張らずにゆっくりと過ごして欲しい。私はエルの髪をそっと撫でた。
「くっくっく、それにしてもエルは君の前ではあんな甘い声を出すとは! 無愛想で無口でクールな騎士も君の前では形なしだ。クリスティンちゃんも、こういう時こそあの教えた護身術が役立つから使わないと。君にとって一番危険なのは旦那だな。くっくっく……」
そう言われて私はまた恥ずかしさが戻ってきた。うっ……ここにいるのが辛い。
「うっ……うっ……エルの馬鹿ぁ! ジェフ様……もう彼はここに置いておいてくださいませ」
私は両手で顔を隠し、部屋から逃げた。もうあそこに居続けるのは無理だ。思い出して恥ずかしいし、ジェフ様のお顔もまともに見れない。
バタバタと走り自室に戻った。様子のおかしな私にノエルは驚いて、部屋に入ってきた。
「奥様、どうなさいましたか?」
「うわーん、ノエルーっ!」
私は彼女に泣いて抱きつき、ことの顛末を話した。彼女は「はぁ」とため息をついた。
「それは旦那様が悪いです。では、気分転換に私と街へお出かけしましょう。きっと旦那様はその様子ではしばらく起きてこられませんから」
「……お出かけ」
「はい。しばらく旦那様の顔を見たくないでしょう? こういう時はすぐに会うと、喧嘩になりますから一旦落ち着いた方がいいです。ジェフリー様は客人ですが、あの方はもう昔から旦那様のご家族のようなものです。放置してても勝手にのびのび過ごされますから大丈夫です」
確かにそうかもしれない。今、彼の顔を見たら恥ずかしくて怒って避けてしまいそうだ。
「そうね、行くわ!」
「ではバッチリお洒落して、楽しみましょう」
それからノエルは気分を上げるために気合の入ったお化粧やヘアセットをしてくれて、私はあっと言う間に可愛くなった。
「クリスティンちゃん、お出かけかい? とっても可愛いね」
ジェフ様の声が聞こえて振り向くと、彼はエルを担ぎ上げていた。かなり大柄な彼を一人で担ぐとは……やはり彼も騎士なんだなと感心する。
「こいつがいると邪魔だから、部屋に放り投げとこうと思ってさ」
「あ……すみません。彼がご迷惑をおかけして」
「いいの、いいの。こいつがこんな潰れるの珍しいし疲れてたんだろ。エルのことは任せな? 行ってらっしゃい」
ジェフ様はヒラヒラと手を振って、見送ってくれた。私はペコリと頭を下げて、そのまま出掛けることにした。
オリバーに尋ねると、昨夜はジェフリー様と夜通し飲み明かしていらっしゃったようですよと教えてくれた。
「数年ぶりですから、久々にお会いされて旦那様も嬉しかったのでしょう。許してあげてください」
「まあ、許すだなんて。エルにそんな大事なご友人がいらっしゃるのは、私にとっても嬉しいことだわ」
彼は騎士団のみんなとも仲が良いが、やはり上司と部下……それに辺境伯として治めるべき立場から対等の関係とは言えない。エルは常に頼られ守る立場なのだ。だから、あんな風に気さくに冗談を言い合える仲のジェフ様の存在を知って嬉しかった。
「きっとジェフリー様の使われている客間にいらっしゃると思います」
楽しむのは良いことだが、彼はハードな仕事を終えてきたばかりだ。少しはベッドでゆっくり休んで欲しい。
「ジェフ様にもご迷惑かもしれませんわね。エルを起してきます」
「私がいきましょうか?」
「いえ、大丈夫よ。ありがとう」
ここでオリバーに任せておけば良かったのだ。しかし、私は何を思ったか自分で起しに行った。
トントントン
扉をノックすると「はーい、どうぞ」とジェフ様のお声がした。
「おはようございます」
ニコリと微笑むと、彼は私だと思っていなかったようで少し意外そうな顔をした。
「おはよう、クリスティンちゃん。旦那がいるのに、別の男の部屋に来るなんて君は悪い子だね」
揶揄うようにケラケラと笑っている。この人はこの手の冗談が好きなようだ。本気言っていないことがわかる。
「ふふ、残念ながら愛する旦那様を迎えに来ましたの」
「おや、振られてしまったな。残念だ」
エルはソファーにもたれながら、スースーと寝息をたてている。机にはすごい量の酒瓶が置かれており……だいぶ飲んだのがわかる。
「だいぶ飲んだから、起きないかもしれないぞ」
「まあ、困りましたわね。エル……エル……起きてくださいませ」
私は彼の肩をトントンと叩く。
「エル……エル……」
すると彼はとろんとした目で私を見た。しかし、まだ夢心地らしくぼーっとしたまま私の頬にそっと手を当てた。
「かわい……」
「……はい?」
「可愛い……可愛い俺だけの天使」
なんか恥ずかしい台詞が聞こえてきて私は焦った。後ろでジェフ様はポカンとしている。
しかしそんなことお構いなしのエルは私の唇に激しく吸い付いた。ぴちゃぴちゃといういやらしい音が部屋に響きわたる。キスは強いアルコールの味がして、頭がクラクラする。
「ふっ……んんっ……やめ……て!」
私は必死に抵抗した。ジェフ様に見られながらこんなこと恥ずかしすぎる。しかしおそらく意識がはっきりしていないエルは、私をさらに強引に引き寄せ唇を甘噛みし……唇が腫れるほど濃厚なキスを散々繰り返した。そして満足したのか、パタリと力が抜けまたスースーと寝入った。
私は全身真っ赤になって、あまりの恥ずかしさに震えていた。だって彼とのキスを全部……ジェフ様に見られていたのだから。
「くっくっく……あはははは」
彼はお腹を抱えて爆笑している。わ、わ、笑い事ではない。
「これはいい。妻が天使だなんて……俺の親友は本当に幸せ者だな」
彼は涙を指で拭って、まだケラケラと笑っている。
「お見苦しいところ……申し訳ありません……」
私は俯いたまま小声で謝罪した。うう、あんな激しいキスをするなんて。エルの馬鹿。
「いや、でも冗談でなく本音だ。エルはご両親が亡くなってから一人で必死に頑張ってきた。だから……彼の最愛の女性が奥さんになってくれたこと嬉しく思うよ。ありがとう」
ジェフ様は真剣な顔で私を見つめた。
「いえ、私など何も。与えてもらうばかりで」
「そんなことはない。君がいるからこいつは頑張れるんだ」
エルを見ると幸せそうに寝ている。彼には私の前では頑張らずにゆっくりと過ごして欲しい。私はエルの髪をそっと撫でた。
「くっくっく、それにしてもエルは君の前ではあんな甘い声を出すとは! 無愛想で無口でクールな騎士も君の前では形なしだ。クリスティンちゃんも、こういう時こそあの教えた護身術が役立つから使わないと。君にとって一番危険なのは旦那だな。くっくっく……」
そう言われて私はまた恥ずかしさが戻ってきた。うっ……ここにいるのが辛い。
「うっ……うっ……エルの馬鹿ぁ! ジェフ様……もう彼はここに置いておいてくださいませ」
私は両手で顔を隠し、部屋から逃げた。もうあそこに居続けるのは無理だ。思い出して恥ずかしいし、ジェフ様のお顔もまともに見れない。
バタバタと走り自室に戻った。様子のおかしな私にノエルは驚いて、部屋に入ってきた。
「奥様、どうなさいましたか?」
「うわーん、ノエルーっ!」
私は彼女に泣いて抱きつき、ことの顛末を話した。彼女は「はぁ」とため息をついた。
「それは旦那様が悪いです。では、気分転換に私と街へお出かけしましょう。きっと旦那様はその様子ではしばらく起きてこられませんから」
「……お出かけ」
「はい。しばらく旦那様の顔を見たくないでしょう? こういう時はすぐに会うと、喧嘩になりますから一旦落ち着いた方がいいです。ジェフリー様は客人ですが、あの方はもう昔から旦那様のご家族のようなものです。放置してても勝手にのびのび過ごされますから大丈夫です」
確かにそうかもしれない。今、彼の顔を見たら恥ずかしくて怒って避けてしまいそうだ。
「そうね、行くわ!」
「ではバッチリお洒落して、楽しみましょう」
それからノエルは気分を上げるために気合の入ったお化粧やヘアセットをしてくれて、私はあっと言う間に可愛くなった。
「クリスティンちゃん、お出かけかい? とっても可愛いね」
ジェフ様の声が聞こえて振り向くと、彼はエルを担ぎ上げていた。かなり大柄な彼を一人で担ぐとは……やはり彼も騎士なんだなと感心する。
「こいつがいると邪魔だから、部屋に放り投げとこうと思ってさ」
「あ……すみません。彼がご迷惑をおかけして」
「いいの、いいの。こいつがこんな潰れるの珍しいし疲れてたんだろ。エルのことは任せな? 行ってらっしゃい」
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