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1 前途多難な異世界生活
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「杏奈、愛してる。照れている君も可愛いけれど、いい加減恥ずかしがらないで僕のこと受け入れてくれないかな?」
「……何度も断っているでしょ?私あなたみたいな男性好みじゃないの。あまりにしつこいとストーカーで警察に通報するわよ。もう二度と近付かないで」
私はこの男からの告白を何度も断っている。上田健斗は何故か昔から私のことを好きだと言ってくる。遠くからジッと見られていたり、帰り道に待ち伏せされていたり本当に気持ちが悪い。
この男は当然のように私の個人情報を徹底的に調べ上げており、下手をしたら私以上に私のことを知っているかもしれない。教えていないのに、家もメッセージアプリのIDもばれている。
「……何が不満なんだい?僕ほどいい男はいないと思うけど」
いやいや、そういうところよ。その自信満々なところが最悪。上田健斗のことを気持ちが悪いと言ったが、彼は世間一般的にはものすごく人気がある男だった。
ハーフだかクォーターだか知らないが、色素の薄い髪色にグリーンがかった瞳。甘いマスクの中世的な美少年で、程よく筋肉のついたスタイルの良い長身は目を惹く見た目だ。しかも頭も良くてスポーツもできる……まるで漫画のヒーローのように出来すぎた男。
芸能界からスカウトが来たなんて噂も聞いたことがある。彼は学校一の人気者であり、ファンクラブも作られている。
――だけど、全然好みじゃない!
私は何を隠そう筋肉質の身体の大きな男性が好きだ。筋肉隆々でおおらかで豪快で……いつでもケラケラと明るく笑って細かいことは気にしないような逞しい男性が好きなのだ。
線の細い美少年な上に、メンヘラちっくで神経質そうなこの男は全く好みじゃない。
「そんな酷いことを言って、僕の気を惹こうとしなくていいよ。僕は君しか愛せないから安心して欲しい」
彼は嬉しそうにすりすりと私の手を撫で始めた。ニコニコと微笑む男を見て、ゾクッと背中に寒気が走る。
「杏奈の手はすべすべだね。綺麗だし気持ちいい」
私は触れてほしくないので、拒否するように思い切り手を引っ込めた。
うわー……相変わらず話が通じない。何度断ってもこんな調子だ。友人達からは『格好いい健斗に愛されるなんて幸せじゃん』とか『まだ付き合ってなかったの?』なんて言われるが、私はこんな男絶対に嫌だ。
「……警察に通報する。本気よ」
「杏奈!」
「今日までは見逃すわ。さようなら」
私は最終通告をして、彼に背を向けた。これで諦めてくれなかったら、本当にもう警察を頼るより他はないだろう。
しかし、そう決めたらスッキリした。もうこの男にまとわりつかれるのも疲れてしまった。
「僕から逃げられると思っているの?」
恐ろしく低い声が後ろから聞こえてきて、驚いて振り向くと眉を吊り上げて瞳がギラギラと赤く光っている上田健斗がいた。
――なに、その瞳。
さっきまでグリーンの瞳だったはずだ。意味がわからない。よくわからないが、絶対にここから逃げた方がいい気がする。
そう思うのに、ガタガタと足が震えて走ることができない。その時、ドンと思いきり突き飛ばされた。
ぐらりと身体が傾いて、階段から勢いよく落ちた。全身が痛い……血の嫌な匂いがして、ぬるりと生温かいものがドクドクとたくさん流れているのがわかる。
目も霞んできて、ああ……私死ぬんだなと思った。こんな大嫌いな男に殺されるなんて最悪だわ。まだ恋もしていないのに。
「これで永遠に僕のものだね」
朦朧とする意識の中で、上田健斗はニィッと気持ち悪く微笑んでいた。
「ああ、真っ赤な血に染まった杏奈も美しい」
この男は頭がおかしい。最期に聞く声がこんな男の声だなんて最悪だ。
「愛しているよ」
――まだ死にたくない。こんな男に……殺……されたく……ない。
そう思いながら、私はゆっくりと意識を手放した。
♢♢♢
「ア……ナ……アンナ」
なんか私の名前を呼ぶ声が聞こえて、ガバリと起き上がった。あれ?身体が痛くない。私、階段から落ちたよね?
「アンナ、残念ながらあなたは先程死にました。ケントをどうにかしないとあなたは何度でも死にます」
「……あなた誰?ここはどこ?」
「私は女神で、ここは天界ですね」
女神……?天界……?ニコニコ微笑みながら、ふわふわ浮いている美しい女性がいる。なんかスケルトンだけど。
「あなたは何度生まれ変わっても、ケントに殺されます。だから何処かでこの運命を断ち切らねばなりません」
ケントって……あの上田健斗のことよね?なんで告白を断っただけで殺されなきゃいけないのよ。
「どうしてあの男は私を狙うの?」
「わかりません。でもあなたへの執着はすごいものです。しかもケントは禍々しい魔力を持っています。魅了の魔法を使って皆の気持ちを意のままに操り生活しています」
魔力!?魔力って何よ。それってゲームとかアニメの話じゃないの?
いや、でも……そういえばあの男の目が真っ赤に光っていた。確かにあれは普通の人間のものではなかったわ。あの男が人気なのは魔力によるものだったのか。
「あの……すごくすごく不本意だけど、もしあの男と私が付き合ったらどうなるの?死なないの?」
「死にます」
「結局死ぬの!?」
じゃあどうしたらいいのか。告白を断っても死ぬ、告白を受け入れても死ぬ。
「付き合っても、あなたは彼の酷い束縛からすぐに逃げ出します。そしてケントは『裏切りだ』と結局あなたを殺します」
うわぉ、相変わらずあいつはとんでもないクレイジー野郎だ。
「あなたを救いたいのです。最強の男がいるところに転生させるので、ケントから無事に生き延びてください。一度生き延びれたら未来は変わるはずです」
「は?転生ってどういうこと!?」
「アンナは気が付いていませんが、あなたには元々特別な力があります。だから大丈夫。運命を変えるのです」
特別な力ってなんなの?意味がわからなさすぎる。
「行けばわかります。最強の男に守ってもらうのですよ。いいですね?」
「うわっ……!」
目が覚めたら、私は沢山の木々に囲まれた草むらに寝転んでいた。真っ青な空にチチチ、と小鳥が飛んでいてすごくのどかだ。
「何処なの?ここ」
キョロキョロと周りを見渡していると、遠くからものすごいスピードで私に向かって駆けてくる真っ黒な大型犬が見えた。
あのワンコはどうやら様子がおかしい。このままだと私にぶつかるじゃないか。意を決して、両手を広げワンコを受け止めた。
「ワフッ!」
衝撃がくると思ったのに、意外にもそのワンコは私の前で急に失速した後に飛びついてきて嬉しそうにペロペロと私の顔を舐めだした。
「ひゃあ、やめて……ふふ、くすぐったいよ」
「ワフッ!」
なんかよくわからないけど、可愛い。私はワシワシと首周りや耳の後ろを撫でてやると、気持ちが良さそうに目を細めている。
「あなたどこから来たの?」
ワンコに私の言葉が通じるわけもないが、知らない場所に一人という不安から話しかけてみる。
すると、いきなり横からヌッと大きな影が現れて鋭い剣を首に突きつけられた。
「お前は誰だ?どこから来た?」
感情のこもっていない低く恐ろしい声に、血の気が引いていく。
「五秒以内に答えろ。答えなければ殺す」
私はカタカタと身体が震える。
「嘘をついても殺す」
ねぇ、女神様。私を助けてくれるために転生させるたって言いましたよね?なぜまた殺されそうになっているの!?なんでこんな物騒な世界に転生させたの!?
これじゃあ、ケントにたどり着く前に命がないじゃないか。私の前途多難な異世界生活はこうして幕を開けた。
「……何度も断っているでしょ?私あなたみたいな男性好みじゃないの。あまりにしつこいとストーカーで警察に通報するわよ。もう二度と近付かないで」
私はこの男からの告白を何度も断っている。上田健斗は何故か昔から私のことを好きだと言ってくる。遠くからジッと見られていたり、帰り道に待ち伏せされていたり本当に気持ちが悪い。
この男は当然のように私の個人情報を徹底的に調べ上げており、下手をしたら私以上に私のことを知っているかもしれない。教えていないのに、家もメッセージアプリのIDもばれている。
「……何が不満なんだい?僕ほどいい男はいないと思うけど」
いやいや、そういうところよ。その自信満々なところが最悪。上田健斗のことを気持ちが悪いと言ったが、彼は世間一般的にはものすごく人気がある男だった。
ハーフだかクォーターだか知らないが、色素の薄い髪色にグリーンがかった瞳。甘いマスクの中世的な美少年で、程よく筋肉のついたスタイルの良い長身は目を惹く見た目だ。しかも頭も良くてスポーツもできる……まるで漫画のヒーローのように出来すぎた男。
芸能界からスカウトが来たなんて噂も聞いたことがある。彼は学校一の人気者であり、ファンクラブも作られている。
――だけど、全然好みじゃない!
私は何を隠そう筋肉質の身体の大きな男性が好きだ。筋肉隆々でおおらかで豪快で……いつでもケラケラと明るく笑って細かいことは気にしないような逞しい男性が好きなのだ。
線の細い美少年な上に、メンヘラちっくで神経質そうなこの男は全く好みじゃない。
「そんな酷いことを言って、僕の気を惹こうとしなくていいよ。僕は君しか愛せないから安心して欲しい」
彼は嬉しそうにすりすりと私の手を撫で始めた。ニコニコと微笑む男を見て、ゾクッと背中に寒気が走る。
「杏奈の手はすべすべだね。綺麗だし気持ちいい」
私は触れてほしくないので、拒否するように思い切り手を引っ込めた。
うわー……相変わらず話が通じない。何度断ってもこんな調子だ。友人達からは『格好いい健斗に愛されるなんて幸せじゃん』とか『まだ付き合ってなかったの?』なんて言われるが、私はこんな男絶対に嫌だ。
「……警察に通報する。本気よ」
「杏奈!」
「今日までは見逃すわ。さようなら」
私は最終通告をして、彼に背を向けた。これで諦めてくれなかったら、本当にもう警察を頼るより他はないだろう。
しかし、そう決めたらスッキリした。もうこの男にまとわりつかれるのも疲れてしまった。
「僕から逃げられると思っているの?」
恐ろしく低い声が後ろから聞こえてきて、驚いて振り向くと眉を吊り上げて瞳がギラギラと赤く光っている上田健斗がいた。
――なに、その瞳。
さっきまでグリーンの瞳だったはずだ。意味がわからない。よくわからないが、絶対にここから逃げた方がいい気がする。
そう思うのに、ガタガタと足が震えて走ることができない。その時、ドンと思いきり突き飛ばされた。
ぐらりと身体が傾いて、階段から勢いよく落ちた。全身が痛い……血の嫌な匂いがして、ぬるりと生温かいものがドクドクとたくさん流れているのがわかる。
目も霞んできて、ああ……私死ぬんだなと思った。こんな大嫌いな男に殺されるなんて最悪だわ。まだ恋もしていないのに。
「これで永遠に僕のものだね」
朦朧とする意識の中で、上田健斗はニィッと気持ち悪く微笑んでいた。
「ああ、真っ赤な血に染まった杏奈も美しい」
この男は頭がおかしい。最期に聞く声がこんな男の声だなんて最悪だ。
「愛しているよ」
――まだ死にたくない。こんな男に……殺……されたく……ない。
そう思いながら、私はゆっくりと意識を手放した。
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「ア……ナ……アンナ」
なんか私の名前を呼ぶ声が聞こえて、ガバリと起き上がった。あれ?身体が痛くない。私、階段から落ちたよね?
「アンナ、残念ながらあなたは先程死にました。ケントをどうにかしないとあなたは何度でも死にます」
「……あなた誰?ここはどこ?」
「私は女神で、ここは天界ですね」
女神……?天界……?ニコニコ微笑みながら、ふわふわ浮いている美しい女性がいる。なんかスケルトンだけど。
「あなたは何度生まれ変わっても、ケントに殺されます。だから何処かでこの運命を断ち切らねばなりません」
ケントって……あの上田健斗のことよね?なんで告白を断っただけで殺されなきゃいけないのよ。
「どうしてあの男は私を狙うの?」
「わかりません。でもあなたへの執着はすごいものです。しかもケントは禍々しい魔力を持っています。魅了の魔法を使って皆の気持ちを意のままに操り生活しています」
魔力!?魔力って何よ。それってゲームとかアニメの話じゃないの?
いや、でも……そういえばあの男の目が真っ赤に光っていた。確かにあれは普通の人間のものではなかったわ。あの男が人気なのは魔力によるものだったのか。
「あの……すごくすごく不本意だけど、もしあの男と私が付き合ったらどうなるの?死なないの?」
「死にます」
「結局死ぬの!?」
じゃあどうしたらいいのか。告白を断っても死ぬ、告白を受け入れても死ぬ。
「付き合っても、あなたは彼の酷い束縛からすぐに逃げ出します。そしてケントは『裏切りだ』と結局あなたを殺します」
うわぉ、相変わらずあいつはとんでもないクレイジー野郎だ。
「あなたを救いたいのです。最強の男がいるところに転生させるので、ケントから無事に生き延びてください。一度生き延びれたら未来は変わるはずです」
「は?転生ってどういうこと!?」
「アンナは気が付いていませんが、あなたには元々特別な力があります。だから大丈夫。運命を変えるのです」
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「ワフッ!」
衝撃がくると思ったのに、意外にもそのワンコは私の前で急に失速した後に飛びついてきて嬉しそうにペロペロと私の顔を舐めだした。
「ひゃあ、やめて……ふふ、くすぐったいよ」
「ワフッ!」
なんかよくわからないけど、可愛い。私はワシワシと首周りや耳の後ろを撫でてやると、気持ちが良さそうに目を細めている。
「あなたどこから来たの?」
ワンコに私の言葉が通じるわけもないが、知らない場所に一人という不安から話しかけてみる。
すると、いきなり横からヌッと大きな影が現れて鋭い剣を首に突きつけられた。
「お前は誰だ?どこから来た?」
感情のこもっていない低く恐ろしい声に、血の気が引いていく。
「五秒以内に答えろ。答えなければ殺す」
私はカタカタと身体が震える。
「嘘をついても殺す」
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