1,011 / 1,865
小学生編
にこにこ、にっこり 2
しおりを挟む
「わぁぁ、ドーナッツがいっぱい!」
お母さんが大きな丸いお皿に、買ってきたドーナッツをずらりと並べてくれた。
「あのね、これ、ボクがえらんだの! おさとうのぼうしをかぶっているんだよ」
「とても可愛いね」
「あー! パパたちのは、チョコレートがかかっているよ」
「芽生くん、チョコ好きだから、これにしたんだ」
「うれしいよ。どっちもおいしそうだなぁ」
お皿の隅っこには、半分になったドーナッツが載っていた。
「そうか。おばあちゃんは、おじいちゃんと『はんぶんこ』したんだね」
「まぁ、よく気付いたわね」
「えへっ、おじいちゃんもいっしょが楽しいよね。おじいちゃん、おいしいですかー」
芽生くんが嬉しそうに、亡くなったお父さんの写真に向かって、手を振った。
芽生くんの言葉は、周りをいつも和ませてくれるね。
「ねぇねぇお兄ちゃん、ボクと『はんぶんこ』してくれる?」
「うん? いいよ」
「あのね、カレーライスがおいしかったから、2つはおなかいっぱいなんだ。でもどっちもたべてみたくて。いい?」
芽生くんの好奇心旺盛で積極的な性格が、可愛い。
それにしても……半分こって、懐かしい響きだ。
夏樹もよく、おやつを半分こしてくれた。
『おにいちゃん、なつきの、はんぶんあげるね』
『じゃあ、僕のも半分あげるよ』
『おにいちゃん、だいすき! はんぶんとはんぶんで、くっつけるとまんまるだね』
『うん!』
同じおやつでも半分こしてもらったものは、格別だったよ。
「あのね……」
「ん?」
「『はんぶんこ』って、『なかよしのしるし』なんだよ」
「そうだね。芽生くんに分けてもらえて……お兄ちゃん嬉しいよ」
そんな話をしていると、憲吾さんが咳払いをした。
「あーコホン、ところで芽生はもうすぐ2年生になるな」
「うん! いちねんせいがはいってくるから、ボクがんばるよ」
「そこでだな」
憲吾さんの一言一言は重みがある。
「私が進級お祝いをしてあげよう」
「『しんきゅう』って?」
「芽生くん、2年生になったのをお祝いしてくれるって」
優しく教えてあげると、芽生くんはくすぐったそうに笑っていた。
「実はだな、皆で行ってみたい場所がある」
「兄さん? また何を思いついたんですか」
宗吾さんも好奇心旺盛な顔で、身を乗り出す。
芽生くんと同じ表情だ。
「芽生は『丸』が好きそうだから、円卓がある店に連れて行ってやりたくなった」
「えっと? あぁそれって中華ですか」
「その……コホン、横浜の中華街なんてどうだ? 彩芽も皆と一緒に出かけられるようになったし」
「いいですね。いい店を知っているんですか」
「いや知らない。宗吾が探してくれ」
「はは、丸投げですか。いいですよ」
「悪いな。おごってやるから」
「やった!」
わぁ……団欒ってすごいな。
輪の中から、次々と楽しい話題が飛び出してくる。
宗吾さんと憲吾さんの兄弟仲も、ますます良好だ。
一人一人の心がちゃんと繋がっているって、とても素敵なこと。
僕もその一員になれたことに、感謝しよう。
****
3月下旬の日曜日。
僕は潤の熱いコールを受けて、芽生くんと一緒に軽井沢に遊びに行くことにした。
潤の結婚相手の菫さんといっくんに会うのが、待ち遠しいよ。
「じゃあ、行ってきます」
「悪いな、今日は付き合えなくて」
「いえ、急な仕事、お疲れ様です。芽生くんをお預かりしますね」
「ふたりで楽しんで来い」
休日出勤の宗吾さんとは、新幹線のホームでお別れだ。
「……瑞樹、本当に大丈夫か」
「はい、もう大丈夫です。今日は芽生くんが一緒ですし」
「……」
宗吾さんは、それでも尚、心配そうな顔をしていた。
「あの? 僕って信用ないですか」
「そうだなぁ、もしもキタキツネが現れても、勝手についていくなよ」
「あ、それは……はい」
確かに大沼で崖から落ちた前科があると、苦笑してしまった。
「パパ、そんなにシンパイしなくてもダイジョウブだよ。ボクがついているもん」
「いやいや、それも心配だ」
「ボクがキシさんになるからだいじょうぶだもん!」
「うぉー 息子にいいところ持って行かれる。あぁ……やっぱり俺もくっついて行きたい」
「宗吾さん、あの……僕も残念です。出来たら一緒に行けたら良かったのですが。今度は絶対一緒に行きましょう」
「ううう、相変わらず瑞樹のフォローは天使だなぁ」
新幹線が動き出すと、宗吾さんはいつまでも手を振っていた。
日帰りなので、すぐに帰ってくるのに……
でも、少し嬉しい。
「わぁい、お兄ちゃんとデートだね」
「くすっ、よろしくね」
「いっくんって、どんな子かな? ボクいっぱいあそんであげるんだ」
ところが窓の外が田園風景になってくると、ほんの少しだけ心細くなった。
「あっ……」
「お兄ちゃん? どうかした?」
「ううん、何でもないよ」
「……ボクが手をつないであげる」
「……あ、ありがとう」
可愛い手、温かい手。
あの日……
真っ青になって震えていた僕は、もういない。
今は小さな温もりが、僕の手を掴んでくれている。
****
「いっくん、どうした?」
「えっとね、いっくんね、みつけたの」
「?」
兄さんと芽生くんを迎えに駅まで行こうとしたら、いっくんが道端で立ち止まった。
「何かいいものあったのか」
「あったよぅ!」
「ああ、いっくんってばお手々が汚れちゃうじゃない。もう駄目よ」
「菫さん、駅で洗えばいいよ」
「あ……うん、そうよね」
いっくんの手には、小さな葉っぱが二枚のっていた。
「これね、めーくんの」
「可愛い葉っぱだな。これは何の葉だろう?」
「こっちはね、みーくんの」
「綺麗な葉っぱだな」
へぇ、『みーくん』と『めーくん』か。
可愛いコンビだな。
そんな風に呼ばれたら、兄さんはどんな顔するかな?
きっと優しい甘い笑顔を浮かべるのだろう。
「さぁ、いっくん、行くぞ!」
「ぱぱぁ……だっこ、だめ?」
「いいよ。飛行機になろう!」
「わー!」
「それっ、ビューン!」
大好きな兄にもうすぐ会えると思うと、ハイテンションになってしまうよ。
「待って待って……潤くんって、もしかして」
「ん?」
「かなりのブラコン?」
「わ! 会う前から分かる?」
「くすっ、素直に認めるのね」
「ごめん」
「いいのよ。家族愛って大事だもん。潤くんのそんな所……スキよ!」
菫さんのとっておきスマイルを浴びると、途端に締まりのない顔になってしまう。
ふと、滝沢さんのデレ顔を思い出して、同類だなと苦笑した。
今のオレって、かなりの幸せ者だ!
こんな笑顔を兄さんに見せたかった。
だから嬉しい。
お母さんが大きな丸いお皿に、買ってきたドーナッツをずらりと並べてくれた。
「あのね、これ、ボクがえらんだの! おさとうのぼうしをかぶっているんだよ」
「とても可愛いね」
「あー! パパたちのは、チョコレートがかかっているよ」
「芽生くん、チョコ好きだから、これにしたんだ」
「うれしいよ。どっちもおいしそうだなぁ」
お皿の隅っこには、半分になったドーナッツが載っていた。
「そうか。おばあちゃんは、おじいちゃんと『はんぶんこ』したんだね」
「まぁ、よく気付いたわね」
「えへっ、おじいちゃんもいっしょが楽しいよね。おじいちゃん、おいしいですかー」
芽生くんが嬉しそうに、亡くなったお父さんの写真に向かって、手を振った。
芽生くんの言葉は、周りをいつも和ませてくれるね。
「ねぇねぇお兄ちゃん、ボクと『はんぶんこ』してくれる?」
「うん? いいよ」
「あのね、カレーライスがおいしかったから、2つはおなかいっぱいなんだ。でもどっちもたべてみたくて。いい?」
芽生くんの好奇心旺盛で積極的な性格が、可愛い。
それにしても……半分こって、懐かしい響きだ。
夏樹もよく、おやつを半分こしてくれた。
『おにいちゃん、なつきの、はんぶんあげるね』
『じゃあ、僕のも半分あげるよ』
『おにいちゃん、だいすき! はんぶんとはんぶんで、くっつけるとまんまるだね』
『うん!』
同じおやつでも半分こしてもらったものは、格別だったよ。
「あのね……」
「ん?」
「『はんぶんこ』って、『なかよしのしるし』なんだよ」
「そうだね。芽生くんに分けてもらえて……お兄ちゃん嬉しいよ」
そんな話をしていると、憲吾さんが咳払いをした。
「あーコホン、ところで芽生はもうすぐ2年生になるな」
「うん! いちねんせいがはいってくるから、ボクがんばるよ」
「そこでだな」
憲吾さんの一言一言は重みがある。
「私が進級お祝いをしてあげよう」
「『しんきゅう』って?」
「芽生くん、2年生になったのをお祝いしてくれるって」
優しく教えてあげると、芽生くんはくすぐったそうに笑っていた。
「実はだな、皆で行ってみたい場所がある」
「兄さん? また何を思いついたんですか」
宗吾さんも好奇心旺盛な顔で、身を乗り出す。
芽生くんと同じ表情だ。
「芽生は『丸』が好きそうだから、円卓がある店に連れて行ってやりたくなった」
「えっと? あぁそれって中華ですか」
「その……コホン、横浜の中華街なんてどうだ? 彩芽も皆と一緒に出かけられるようになったし」
「いいですね。いい店を知っているんですか」
「いや知らない。宗吾が探してくれ」
「はは、丸投げですか。いいですよ」
「悪いな。おごってやるから」
「やった!」
わぁ……団欒ってすごいな。
輪の中から、次々と楽しい話題が飛び出してくる。
宗吾さんと憲吾さんの兄弟仲も、ますます良好だ。
一人一人の心がちゃんと繋がっているって、とても素敵なこと。
僕もその一員になれたことに、感謝しよう。
****
3月下旬の日曜日。
僕は潤の熱いコールを受けて、芽生くんと一緒に軽井沢に遊びに行くことにした。
潤の結婚相手の菫さんといっくんに会うのが、待ち遠しいよ。
「じゃあ、行ってきます」
「悪いな、今日は付き合えなくて」
「いえ、急な仕事、お疲れ様です。芽生くんをお預かりしますね」
「ふたりで楽しんで来い」
休日出勤の宗吾さんとは、新幹線のホームでお別れだ。
「……瑞樹、本当に大丈夫か」
「はい、もう大丈夫です。今日は芽生くんが一緒ですし」
「……」
宗吾さんは、それでも尚、心配そうな顔をしていた。
「あの? 僕って信用ないですか」
「そうだなぁ、もしもキタキツネが現れても、勝手についていくなよ」
「あ、それは……はい」
確かに大沼で崖から落ちた前科があると、苦笑してしまった。
「パパ、そんなにシンパイしなくてもダイジョウブだよ。ボクがついているもん」
「いやいや、それも心配だ」
「ボクがキシさんになるからだいじょうぶだもん!」
「うぉー 息子にいいところ持って行かれる。あぁ……やっぱり俺もくっついて行きたい」
「宗吾さん、あの……僕も残念です。出来たら一緒に行けたら良かったのですが。今度は絶対一緒に行きましょう」
「ううう、相変わらず瑞樹のフォローは天使だなぁ」
新幹線が動き出すと、宗吾さんはいつまでも手を振っていた。
日帰りなので、すぐに帰ってくるのに……
でも、少し嬉しい。
「わぁい、お兄ちゃんとデートだね」
「くすっ、よろしくね」
「いっくんって、どんな子かな? ボクいっぱいあそんであげるんだ」
ところが窓の外が田園風景になってくると、ほんの少しだけ心細くなった。
「あっ……」
「お兄ちゃん? どうかした?」
「ううん、何でもないよ」
「……ボクが手をつないであげる」
「……あ、ありがとう」
可愛い手、温かい手。
あの日……
真っ青になって震えていた僕は、もういない。
今は小さな温もりが、僕の手を掴んでくれている。
****
「いっくん、どうした?」
「えっとね、いっくんね、みつけたの」
「?」
兄さんと芽生くんを迎えに駅まで行こうとしたら、いっくんが道端で立ち止まった。
「何かいいものあったのか」
「あったよぅ!」
「ああ、いっくんってばお手々が汚れちゃうじゃない。もう駄目よ」
「菫さん、駅で洗えばいいよ」
「あ……うん、そうよね」
いっくんの手には、小さな葉っぱが二枚のっていた。
「これね、めーくんの」
「可愛い葉っぱだな。これは何の葉だろう?」
「こっちはね、みーくんの」
「綺麗な葉っぱだな」
へぇ、『みーくん』と『めーくん』か。
可愛いコンビだな。
そんな風に呼ばれたら、兄さんはどんな顔するかな?
きっと優しい甘い笑顔を浮かべるのだろう。
「さぁ、いっくん、行くぞ!」
「ぱぱぁ……だっこ、だめ?」
「いいよ。飛行機になろう!」
「わー!」
「それっ、ビューン!」
大好きな兄にもうすぐ会えると思うと、ハイテンションになってしまうよ。
「待って待って……潤くんって、もしかして」
「ん?」
「かなりのブラコン?」
「わ! 会う前から分かる?」
「くすっ、素直に認めるのね」
「ごめん」
「いいのよ。家族愛って大事だもん。潤くんのそんな所……スキよ!」
菫さんのとっておきスマイルを浴びると、途端に締まりのない顔になってしまう。
ふと、滝沢さんのデレ顔を思い出して、同類だなと苦笑した。
今のオレって、かなりの幸せ者だ!
こんな笑顔を兄さんに見せたかった。
だから嬉しい。
22
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
生まれ変わりは嫌われ者
青ムギ
BL
無数の矢が俺の体に突き刺さる。
「ケイラ…っ!!」
王子(グレン)の悲痛な声に胸が痛む。口から大量の血が噴きその場に倒れ込む。意識が朦朧とする中、王子に最後の別れを告げる。
「グレン……。愛してる。」
「あぁ。俺も愛してるケイラ。」
壊れ物を大切に包み込むような動作のキス。
━━━━━━━━━━━━━━━
あの時のグレン王子はとても優しく、名前を持たなかった俺にかっこいい名前をつけてくれた。いっぱい話しをしてくれた。一緒に寝たりもした。
なのにー、
運命というのは時に残酷なものだ。
俺は王子を……グレンを愛しているのに、貴方は俺を嫌い他の人を見ている。
一途に慕い続けてきたこの気持ちは諦めきれない。
★表紙のイラストは、Picrew様の[見上げる男子]ぐんま様からお借りしました。ありがとうございます!
僕の幸せは
春夏
BL
【完結しました】
【エールいただきました。ありがとうございます】
【たくさんの“いいね”ありがとうございます】
【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】
恋人に捨てられた悠の心情。
話は別れから始まります。全編が悠の視点です。
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~
青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」
その言葉を言われたのが社会人2年目の春。
あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。
だが、今はー
「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」
「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」
冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。
貴方の視界に、俺は映らないー。
2人の記念日もずっと1人で祝っている。
あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。
そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。
あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。
ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー
※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。
表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる