1,179 / 1,865
小学生編
実りの秋 2
しおりを挟む
「じゃあ早速、青山に連絡してみるよ。向こうも都内に勤めているから近々実現させよう」
「管野、あの、ありがとう……僕を誘ってくれて」
振り返れば中学から高校にかけて、僕はどこまでも後ろ向きだった。
10歳で函館の家に引き取られ、年齢を重ねるにつれ自分が置かれている状況に苦しみを抱くようになった。どれだけの負担と迷惑をかけて置いてもらっているのかと勝手に嘆き、息を潜め、目立たずに、ただ時が過ぎていくのを待った。
本当に、ひとりよがりだった。
あの頃の僕に宗吾さんが逢ったら、きっとこんな風に言うだろう。
……
瑞樹は馬鹿だなぁ、そんなに他人行儀になるな!
どうしてそんなに頑ななんだ?
時をやり過ごすのではなく、ちゃんと息を吸って周りを見渡して見ろ! 世界は生きている!
……
函館のお母さんも広樹兄さんも潤も、僕を家族の一員として迎えてくれたのに、いつまでも僕がそんな調子だから、結局何も得られず、上手くいかなくなった。
人との間に高い壁を作ったのは、僕自身だ。
高校時代は、心から笑うことはなかった。何となく皆に会わせて、何となく同調して、それが染みついて。
だから卒業後の進路も明かさずに故郷を捨てた僕には、中高の友人と呼べる人はいないんだよ。
管野には、この複雑な気持ちを、きちんと伝えておきたい。
「瑞樹ちゃん、どうした? 何を考え込んでいる?」
「僕には……高校時代、自分のせいで友人と呼べる友人がいなかったから、誘ってもらえて嬉しくて」
「よせやい! むしろ付き合ってくれてありがとう! 俺一人で会うより、瑞樹ちゃんと一緒の方が断然楽しいよ」
僕といるのが楽しい?
それって、嬉しい言葉だよ。
管野はいつも嬉しい言葉をハッキリ口に出して伝えてくれるので、励まされる。
出逢った頃から何も変わらない、優しくおおらかな人柄。
僕は何度も何度も、管野に救われた。
「じゃあ遠慮なく、僕も参加するよ」
「それがいい! それに白石と瑞樹ちゃんってさ、気が合いそうだぞ」
「えっ……そうなの? 白石 想くんだったよね」
貧血で倒れた彼は、端正で上品な雰囲気の男性だった。着ているスーツも腕時計も鞄も何もかも上質で、一目で育ちが良い人だと分かった。お母さんへの花束といい、きっと両親の愛情を一身に受けた人なのだろう。
眩しいような、親しい感じがする。
僕が、まだよく知らない人に、柔らかな感情を抱くのは珍しい。
「僕で大丈夫かな?」
「あぁ瑞樹ちゃんは、俺のお墨付きだ。天使と天使、最高の組み合わせだ」
「くすっ、ありがとう。あ、もう始業時間だ。行こう!」
部署に入ると、突然拍手が鳴り響いた。
ええっ何事!?
管野と顔を見合わせると、リーダーに呼ばれた。
「管野、葉山、お帰り! 二人とも一ヶ月よく頑張ったな!」
リーダーの力強い声に、感激した。
「ありがとうございます。今日からまたここで働きます。宜しくお願いします」
「あぁ、みんな二人の帰りを待っていたぞ」
同僚や先輩、後輩の笑顔や労いの声に囲まれて、やっぱりここが僕のホームだと実感する!
「それから昨日、会長から直々に電話があったぞ」
「えっ、そうなんですか」
「あぁ、べた褒めだった。『二人の働きぶりは完璧だった。特に仲間を大切にする心が良かった。我が社の社員の誇りだ』と仰っていたぞ」
「あ……ありがたいお言葉です」
「『本店に引き抜きたいが、土壌との相性を考えて我慢する。その代わりに、次の社内コンクールには、二人とも是非応募するように』とのお達しだ」
会長の信頼をそこまで得られたのが照れ臭くも嬉しくて、管野とハイタッチをした。
お互い一ヶ月がむしゃらに働き抜いたから、少しやつれて日焼けしていた。
それがまたよかった。
同じ場所にいた証しだからね。
管野とチームを組めて良かった。
これからもずっと一緒に仕事をしよう!
切磋琢磨していこう!
帰り支度をしていると、宗吾さんから電話があった。
「瑞樹、お疲れさん。そろそろ上がれそうか」
「はい、今から出ますので、芽生くんのお迎えは僕が行きますね」
「ありがとう。芽生、喜ぶよ。それで悪いが、そのまま実家に寄ってもらえるか。俺も後から合流するから」
「分かりました」
何だろう?
宗吾さんの実家に行くのも、一ヶ月ぶりだ。
僕が不在の間、一週間、宗吾さんと芽生くんがお世話なった。あの時は僕も飛んで帰りたくなった。皆の団欒に混ざりたくて、心が乱れてしまった。
見方を変えれば、最近の僕は感情をあまり溜め込まずに、外に出せるようになったという事なのかな?
まだ慣れない感情をつれて帰路に着いた。
****
「芽生くん、今日は朝からずっとご機嫌なのね。いつもなら疲れちゃう時間なのに」
「先生、あのね、お兄ちゃんがオオサカから帰ってきたんだよ」
「まぁ! あの綺麗なお兄さんが? よかったわね」
「そう! だからうれしくって!」
ほうかごスクールの先生って、だいすき! ボクのお兄ちゃんのことを、いつもほめてくれるから。
「それにしても大好きなお兄ちゃんが一ヶ月もいなかったら、さみしかったでしょう」
「うん……でも、もうダイジョウブだよ」(昨日おふろで赤ちゃんみたいに抱っこしてもらったのは、ヒミツだよ)
「あ、ほら、いらしたわよ、きゃー」
きゃー?って、せんせ?
「芽生くん! お迎えに来たよ」
スーツ姿のお兄ちゃんは少しひやけしたせいか、カッコいいよ!
きれいでカッコいいお兄ちゃんって、すごいかも。
せんせいが「キャー」っていうのも、わかるなぁ。
「芽生くん、今日はおばあちゃんの所に行くんだよ」
「わぁ! おばあちゃんもね、お兄ちゃんに会いたがっていたよ」
「本当に?」
「うん! マスコット作ってもらう時、お兄ちゃんの写真を見て『元気にやっているかしら』って、さみしそうだったもん。だから、よろこぶよ」
「嬉しいな。お兄ちゃんもお母さんに、とても会いたかったよ」
会いたいなって思うのって、ステキだね。
会いたいなって思ってもらうのも、いいなぁ。
「お兄ちゃん『会いたい』と『会いたい』とが、ごっつんこすると、なにができるでしょーか」
「うーん、なんだろう?」
「えへへ、かんたんだよ」
ニコッ! と笑うと、お兄ちゃんもにっこりしてくれたよ。
「あっ、笑顔かな?」
「あたりー! だって、どっちも、うれしいもんね。だからお兄ちゃん、笑って、いっぱい笑ってね」
「うん! うん! そうするよ」
お兄ちゃんの笑顔が見たくて、おねだりしちゃった。
今日からお兄ちゃんは、ずーっとお家にいるんだ。
ボクの会いたいとお兄ちゃんの会いたいも、ちゃんとごっつんこできてよかった!
今日からまたよろしくね。
ボクのだいすきなお兄ちゃん。
あとがき
****
運動会の話と並行して「今も初恋、この先も初恋」https://estar.jp/novels/25931194 の駿と想と近々ランチをする予定です。想と瑞樹を触れ合わせてあげたくなりました。未読でも分かるように書いていきますので、お付き合いのほど宜しくお願いします。
「管野、あの、ありがとう……僕を誘ってくれて」
振り返れば中学から高校にかけて、僕はどこまでも後ろ向きだった。
10歳で函館の家に引き取られ、年齢を重ねるにつれ自分が置かれている状況に苦しみを抱くようになった。どれだけの負担と迷惑をかけて置いてもらっているのかと勝手に嘆き、息を潜め、目立たずに、ただ時が過ぎていくのを待った。
本当に、ひとりよがりだった。
あの頃の僕に宗吾さんが逢ったら、きっとこんな風に言うだろう。
……
瑞樹は馬鹿だなぁ、そんなに他人行儀になるな!
どうしてそんなに頑ななんだ?
時をやり過ごすのではなく、ちゃんと息を吸って周りを見渡して見ろ! 世界は生きている!
……
函館のお母さんも広樹兄さんも潤も、僕を家族の一員として迎えてくれたのに、いつまでも僕がそんな調子だから、結局何も得られず、上手くいかなくなった。
人との間に高い壁を作ったのは、僕自身だ。
高校時代は、心から笑うことはなかった。何となく皆に会わせて、何となく同調して、それが染みついて。
だから卒業後の進路も明かさずに故郷を捨てた僕には、中高の友人と呼べる人はいないんだよ。
管野には、この複雑な気持ちを、きちんと伝えておきたい。
「瑞樹ちゃん、どうした? 何を考え込んでいる?」
「僕には……高校時代、自分のせいで友人と呼べる友人がいなかったから、誘ってもらえて嬉しくて」
「よせやい! むしろ付き合ってくれてありがとう! 俺一人で会うより、瑞樹ちゃんと一緒の方が断然楽しいよ」
僕といるのが楽しい?
それって、嬉しい言葉だよ。
管野はいつも嬉しい言葉をハッキリ口に出して伝えてくれるので、励まされる。
出逢った頃から何も変わらない、優しくおおらかな人柄。
僕は何度も何度も、管野に救われた。
「じゃあ遠慮なく、僕も参加するよ」
「それがいい! それに白石と瑞樹ちゃんってさ、気が合いそうだぞ」
「えっ……そうなの? 白石 想くんだったよね」
貧血で倒れた彼は、端正で上品な雰囲気の男性だった。着ているスーツも腕時計も鞄も何もかも上質で、一目で育ちが良い人だと分かった。お母さんへの花束といい、きっと両親の愛情を一身に受けた人なのだろう。
眩しいような、親しい感じがする。
僕が、まだよく知らない人に、柔らかな感情を抱くのは珍しい。
「僕で大丈夫かな?」
「あぁ瑞樹ちゃんは、俺のお墨付きだ。天使と天使、最高の組み合わせだ」
「くすっ、ありがとう。あ、もう始業時間だ。行こう!」
部署に入ると、突然拍手が鳴り響いた。
ええっ何事!?
管野と顔を見合わせると、リーダーに呼ばれた。
「管野、葉山、お帰り! 二人とも一ヶ月よく頑張ったな!」
リーダーの力強い声に、感激した。
「ありがとうございます。今日からまたここで働きます。宜しくお願いします」
「あぁ、みんな二人の帰りを待っていたぞ」
同僚や先輩、後輩の笑顔や労いの声に囲まれて、やっぱりここが僕のホームだと実感する!
「それから昨日、会長から直々に電話があったぞ」
「えっ、そうなんですか」
「あぁ、べた褒めだった。『二人の働きぶりは完璧だった。特に仲間を大切にする心が良かった。我が社の社員の誇りだ』と仰っていたぞ」
「あ……ありがたいお言葉です」
「『本店に引き抜きたいが、土壌との相性を考えて我慢する。その代わりに、次の社内コンクールには、二人とも是非応募するように』とのお達しだ」
会長の信頼をそこまで得られたのが照れ臭くも嬉しくて、管野とハイタッチをした。
お互い一ヶ月がむしゃらに働き抜いたから、少しやつれて日焼けしていた。
それがまたよかった。
同じ場所にいた証しだからね。
管野とチームを組めて良かった。
これからもずっと一緒に仕事をしよう!
切磋琢磨していこう!
帰り支度をしていると、宗吾さんから電話があった。
「瑞樹、お疲れさん。そろそろ上がれそうか」
「はい、今から出ますので、芽生くんのお迎えは僕が行きますね」
「ありがとう。芽生、喜ぶよ。それで悪いが、そのまま実家に寄ってもらえるか。俺も後から合流するから」
「分かりました」
何だろう?
宗吾さんの実家に行くのも、一ヶ月ぶりだ。
僕が不在の間、一週間、宗吾さんと芽生くんがお世話なった。あの時は僕も飛んで帰りたくなった。皆の団欒に混ざりたくて、心が乱れてしまった。
見方を変えれば、最近の僕は感情をあまり溜め込まずに、外に出せるようになったという事なのかな?
まだ慣れない感情をつれて帰路に着いた。
****
「芽生くん、今日は朝からずっとご機嫌なのね。いつもなら疲れちゃう時間なのに」
「先生、あのね、お兄ちゃんがオオサカから帰ってきたんだよ」
「まぁ! あの綺麗なお兄さんが? よかったわね」
「そう! だからうれしくって!」
ほうかごスクールの先生って、だいすき! ボクのお兄ちゃんのことを、いつもほめてくれるから。
「それにしても大好きなお兄ちゃんが一ヶ月もいなかったら、さみしかったでしょう」
「うん……でも、もうダイジョウブだよ」(昨日おふろで赤ちゃんみたいに抱っこしてもらったのは、ヒミツだよ)
「あ、ほら、いらしたわよ、きゃー」
きゃー?って、せんせ?
「芽生くん! お迎えに来たよ」
スーツ姿のお兄ちゃんは少しひやけしたせいか、カッコいいよ!
きれいでカッコいいお兄ちゃんって、すごいかも。
せんせいが「キャー」っていうのも、わかるなぁ。
「芽生くん、今日はおばあちゃんの所に行くんだよ」
「わぁ! おばあちゃんもね、お兄ちゃんに会いたがっていたよ」
「本当に?」
「うん! マスコット作ってもらう時、お兄ちゃんの写真を見て『元気にやっているかしら』って、さみしそうだったもん。だから、よろこぶよ」
「嬉しいな。お兄ちゃんもお母さんに、とても会いたかったよ」
会いたいなって思うのって、ステキだね。
会いたいなって思ってもらうのも、いいなぁ。
「お兄ちゃん『会いたい』と『会いたい』とが、ごっつんこすると、なにができるでしょーか」
「うーん、なんだろう?」
「えへへ、かんたんだよ」
ニコッ! と笑うと、お兄ちゃんもにっこりしてくれたよ。
「あっ、笑顔かな?」
「あたりー! だって、どっちも、うれしいもんね。だからお兄ちゃん、笑って、いっぱい笑ってね」
「うん! うん! そうするよ」
お兄ちゃんの笑顔が見たくて、おねだりしちゃった。
今日からお兄ちゃんは、ずーっとお家にいるんだ。
ボクの会いたいとお兄ちゃんの会いたいも、ちゃんとごっつんこできてよかった!
今日からまたよろしくね。
ボクのだいすきなお兄ちゃん。
あとがき
****
運動会の話と並行して「今も初恋、この先も初恋」https://estar.jp/novels/25931194 の駿と想と近々ランチをする予定です。想と瑞樹を触れ合わせてあげたくなりました。未読でも分かるように書いていきますので、お付き合いのほど宜しくお願いします。
11
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
生まれ変わりは嫌われ者
青ムギ
BL
無数の矢が俺の体に突き刺さる。
「ケイラ…っ!!」
王子(グレン)の悲痛な声に胸が痛む。口から大量の血が噴きその場に倒れ込む。意識が朦朧とする中、王子に最後の別れを告げる。
「グレン……。愛してる。」
「あぁ。俺も愛してるケイラ。」
壊れ物を大切に包み込むような動作のキス。
━━━━━━━━━━━━━━━
あの時のグレン王子はとても優しく、名前を持たなかった俺にかっこいい名前をつけてくれた。いっぱい話しをしてくれた。一緒に寝たりもした。
なのにー、
運命というのは時に残酷なものだ。
俺は王子を……グレンを愛しているのに、貴方は俺を嫌い他の人を見ている。
一途に慕い続けてきたこの気持ちは諦めきれない。
★表紙のイラストは、Picrew様の[見上げる男子]ぐんま様からお借りしました。ありがとうございます!
僕の幸せは
春夏
BL
【完結しました】
【エールいただきました。ありがとうございます】
【たくさんの“いいね”ありがとうございます】
【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】
恋人に捨てられた悠の心情。
話は別れから始まります。全編が悠の視点です。
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~
青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」
その言葉を言われたのが社会人2年目の春。
あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。
だが、今はー
「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」
「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」
冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。
貴方の視界に、俺は映らないー。
2人の記念日もずっと1人で祝っている。
あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。
そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。
あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。
ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー
※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。
表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる