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第1章
秘められた過去 9
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「この話はずっとあの世まで、自分だけの秘密として抱えていくつもりだった。だが毎晩のように、あの王が現れ、夢の中でも俺を犯すんだ!俺は……もう疲れた。一度でいいから穢れなき頃のように幼子のように何も考えずにぐっすり眠りたい。あぁ……この先をお前に話すのが躊躇われる」
「なっ何てことだ!」
まさか……まさか、この王国一強いと言われている武将のヨウにこんな凄まじい過去があったなんて。
男にとって無理やり男に犯されるなんて、この上ない屈辱であっただろう。しかも相手が王では抵抗ひとつ出来なかったはずだ。
耐えることしか出来なかっただろう。我ら家臣にとって、王命は絶対だから。
どうして私は気が付いてやれなかったのか。
深い後悔の念で心がねじれ壊れそうになるのを我慢し、ヨウの震える肩にそっと両手を置いた。
「ヨウ……恐れないで、その先も話して欲しい」
ヨウは私の顔を恐る恐る見つめた後、更に暗く侘しい表情で独り言のような長い告白を始めた。
****
恐ろしいことに、俺の身体はだんだん前王の愛撫に慣れてきて……心は拒否しているのに、身体は受け入れてしまう。そんな状態に陥ってしまったのだ。
俺は三年もの間、前王に飼いならされ、その呪縛から今も逃れられていない。
犯されて以来、穢れた肌を誰にも見せられなくなった。
嫉妬深い前王のしつこい接吻の痕、爪の痕、きつく縛られた痕……とても人目にさらせない身体になっていった。
そして、他の誰かが俺の身体に触れるのに恐れと嫌悪感を感じるようになってしまった。
だから俺は他のものに悟られないよう、知られないように、一人強がって生きてきた。
そんな中、ジョウ……お前は俺に初めて優しく触れてくれた人だった。
あの日、近衛隊の検診に来たお前が脈を測るために俺の手首に優しくそっと触れてくれた。手首に触れただけだったのに、俺にとってはお前の穢れない優しい視線、声、温かい手……そのどれもが心を癒してやまぬものだった。
それからどんどん惹かれていった。いつもそっと見つめていた。気がつかれぬよう、そっと。
だからお前がさっき俺に口づけをしてくれた時、一瞬驚いたがとても嬉しかった。あんなに優しく口づけをしてもらったことは、俺の記憶にはないから。いつも乱暴に扱われ、無理矢理だった。
ジョウとの口づけは俺が今まで味わったことのない甘美なもので、俺の心臓は高鳴ったよ。
だが長年辱めを受けてきた俺の身体が、その……口づけより先の、お前のことをきちんと受け入れられるのかは分からない。
先ほどお前が進もうとした時、前王との記憶が蘇り恐れを感じてしまったから思わず拒否してしまったんだ。
許せ!
だが、このままではジョウは自分の行為を責めるだろう。
ジョウを嫌っているのではない!
それだけは誤解されたくなくて、俺の過去の秘密を打ち明けた。
俺の告白はここまでだ。
****
想像を絶する悲惨な話の衝撃とこの三年間、ヨウの一体何を見守ってきたのかという自責の念から、私は一瞬どう声を掛けていいのか戸惑ってしまったんだ。
しばしの沈黙、ヨウはそれを私の拒絶と受け止めたのか、寂しげな笑みを浮かべた。
「だからジョウ……俺はお前が愛するに値する人間ではないんだよ。身体も心も汚れきっているから。今宵は世話になったな、この話はどうか忘れてくれ。今までありがとう……」
そう言いながらヨウは私の腕をすり抜け、立ち去ろうとした。
「なっ何てことだ!」
まさか……まさか、この王国一強いと言われている武将のヨウにこんな凄まじい過去があったなんて。
男にとって無理やり男に犯されるなんて、この上ない屈辱であっただろう。しかも相手が王では抵抗ひとつ出来なかったはずだ。
耐えることしか出来なかっただろう。我ら家臣にとって、王命は絶対だから。
どうして私は気が付いてやれなかったのか。
深い後悔の念で心がねじれ壊れそうになるのを我慢し、ヨウの震える肩にそっと両手を置いた。
「ヨウ……恐れないで、その先も話して欲しい」
ヨウは私の顔を恐る恐る見つめた後、更に暗く侘しい表情で独り言のような長い告白を始めた。
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恐ろしいことに、俺の身体はだんだん前王の愛撫に慣れてきて……心は拒否しているのに、身体は受け入れてしまう。そんな状態に陥ってしまったのだ。
俺は三年もの間、前王に飼いならされ、その呪縛から今も逃れられていない。
犯されて以来、穢れた肌を誰にも見せられなくなった。
嫉妬深い前王のしつこい接吻の痕、爪の痕、きつく縛られた痕……とても人目にさらせない身体になっていった。
そして、他の誰かが俺の身体に触れるのに恐れと嫌悪感を感じるようになってしまった。
だから俺は他のものに悟られないよう、知られないように、一人強がって生きてきた。
そんな中、ジョウ……お前は俺に初めて優しく触れてくれた人だった。
あの日、近衛隊の検診に来たお前が脈を測るために俺の手首に優しくそっと触れてくれた。手首に触れただけだったのに、俺にとってはお前の穢れない優しい視線、声、温かい手……そのどれもが心を癒してやまぬものだった。
それからどんどん惹かれていった。いつもそっと見つめていた。気がつかれぬよう、そっと。
だからお前がさっき俺に口づけをしてくれた時、一瞬驚いたがとても嬉しかった。あんなに優しく口づけをしてもらったことは、俺の記憶にはないから。いつも乱暴に扱われ、無理矢理だった。
ジョウとの口づけは俺が今まで味わったことのない甘美なもので、俺の心臓は高鳴ったよ。
だが長年辱めを受けてきた俺の身体が、その……口づけより先の、お前のことをきちんと受け入れられるのかは分からない。
先ほどお前が進もうとした時、前王との記憶が蘇り恐れを感じてしまったから思わず拒否してしまったんだ。
許せ!
だが、このままではジョウは自分の行為を責めるだろう。
ジョウを嫌っているのではない!
それだけは誤解されたくなくて、俺の過去の秘密を打ち明けた。
俺の告白はここまでだ。
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想像を絶する悲惨な話の衝撃とこの三年間、ヨウの一体何を見守ってきたのかという自責の念から、私は一瞬どう声を掛けていいのか戸惑ってしまったんだ。
しばしの沈黙、ヨウはそれを私の拒絶と受け止めたのか、寂しげな笑みを浮かべた。
「だからジョウ……俺はお前が愛するに値する人間ではないんだよ。身体も心も汚れきっているから。今宵は世話になったな、この話はどうか忘れてくれ。今までありがとう……」
そう言いながらヨウは私の腕をすり抜け、立ち去ろうとした。
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