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第2章
赤い髪の女 1
しおりを挟むジョウと深い縁を結んでから、俺の毎日が色づいた。
ずっと我慢して隠してきた秘密をジョウの前だけでは、さらけ出すことが出来る。
もう一人で耐えなくてもいい。
俺の忌々しい傷に、そっと優しく触れ、癒してくれる人がいる。
そう思うだけで、こんなにも違うものなのか。
****
「王様、いかがいたしました?」
「あっ……ヨウ!」
「どうされましたか」
俺が今仕える王は、まだ12歳の少年だ。
俺のことを無理矢理犯したあの憎き王がクーデターにより失脚して、重臣が担ぎ上げたあの王の甥っ子にあたる少年だ。最初は前王の甥っ子という事で警戒していたが、今度の王は心根が優しく、まだビクビクと急に置かれたその地位に怯えている幼い子供だった。
「ヨウこっちに来て」
「ヨウ怖い夢をみるんだ」
俺のことを兄のように親しみを込めて、呼んでくれる。
俺には兄弟がいないので新鮮な関係だった。
そんな王に朝から内密に呼ばれ、寝所へ案内された。近衛隊といえども寝所の中に入るのは憚られるのに、一体どうしたのだ?
「ヨウ……あのね、僕の脚をちょっと見て」
そうやって差し出した足の大腿骨の下端辺りが真っ赤に腫れていた。その異様な腫れ方にヒヤッとする。
「王様! これはいつから?」
「分からないけど……走ったり跳んだりした後に、ここが凄く痛むんだよ。昨夜はとうとう痛くて眠れなかったの。ねぇヨウどうしよう?」
「……少々お待ちを! 医官のジョウを呼んできます」
なんとなく嫌な予感がして、慌ててジョウを探す。
どこだ! どこにいる? ジョウ!
今王様に何かあっては大変なんだ。
やっと安息の時間を過ごせているのに……俺の弟のような大切な王様なのに。
心ばかりが焦ってしまう。
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