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第3章
優しい音 3
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「ヨウ待たせたな」
「ジョウ……俺は待ったよ。昨日も今日も……毎日……お前のことばかり、ずっと考えていた」
ジョウの広い胸に額をあて、その温もりを確認しすると、温かい心臓の力強い鼓動が規則正しく聴こえてくる。
俺のジョウだ。あの日俺の腕の中で冷たくなっていたのに、こうやってまた温もりを感じることが出来る日が来るなんて夢みたいだ。良かった。本当に良かった……
「知っている。全部伝わって来た。この月輪を通して、ヨウの気持ちは全部分かっていた」
「そうか……では俺の身に何が起きたか……お前はすべて知っているのだな」
キチは王命という権力を振りかざし、俺を何度も抱いた。
嫌々ながらも俺は応じるしかなかった。それが俺の生きる術だったというのは言い訳にしか過ぎない。抱かれながら俺はずっとジョウのことを考えていたから……伝わっていたんだ。
恥ずかしい。ジョウはこんな俺を汚いと思わないのか。
急にジョウに触れることが申し訳なく感じ、そっと躰を離そうとするとジョウの手が優しく阻止した。
「……ヨウ、そのことで自分を責めるのはよせ」
「だが……」
「責められるのは私自身の方だ。また……ヨウを助けられなかった。本当に不甲斐ない」
「ジョウ……お前は何も悪くない。命を懸けて俺を救ってくれた」
「そうだ……王様も無事治療を終え、完治されて帰国された」
「何、本当か。王様に会わせてくれ!何処にいる?」
トントンー
「ヨウ……そろそろ入っていい?」
すると扉を叩く音と共に、俺が慈しんできた幼い王の可愛い声が聞こえて来た。
「王様!」
扉が開くと健康そうに頬を上気させた王様がしっかりと立っていた。俺は王様に駆け寄り、腫瘍が出来ていた脚に触れてみると、もう跡形もなくなっていた。
「本当に治られたのですね」
「うん! 僕、凄く頑張ったよ」
ぎゅっと抱きしめると、王様も小さな手を背中にまわして俺にしがみついて来た。
「良かった……本当に良かった! 」
小さな命が失われずに済んで、本当に良かった。熱いものが込み上げて、視界が霞む。
「ふふっ、僕の近衛隊長のヨウだ。やっとまた会えた。向こうの洋はずいぶん可愛いお兄さんって感じだったけど、僕のヨウはやっぱり強くてかっこいいな」
「……可愛いお方でしたか。あちらの俺は? 」
「うん、とても可愛くて、綺麗な人だったよ」
「そうですか……」
「でも僕のヨウはやっぱりお前だ。ずっと傍にいて僕を守ってほしい。あとジョウと幸せになってほしい」
「なっ何をおっしゃるのですか」
「隠さないでいいよ。その……ジョウとヨウは亡き父上と母上のような恋人同士なのだろう?向こうの世界で、そういうのを理解できたよ。僕が認めるんだからもう隠さなくていいんだよ」
「王様……」
いつの間にこんなにも頼もしくなったのか。
王様が戻られたのならキチには王位を退いてもらわねばならぬ。元々行方不明の王様の代理でなったのだから。この幼き王様のことを守るためになら俺はなんでもする。全力で守ってみせる!
「ヨウ、ひと悶着ありそうだな」
カイもいつの間にか俺の部屋に入って来た。
「あぁ。キチが簡単に王位を手放すとは思えない。カイ、俺たちはこの王様を全力で守ろう」
「もちろんだ。ヨウ、良かったな。王様が戻られて」
俺はカイの真剣な眼差しを受けて、無言で頷いた。
腰の剣に手を掛け、覚悟を決めた。
「ジョウ……俺は待ったよ。昨日も今日も……毎日……お前のことばかり、ずっと考えていた」
ジョウの広い胸に額をあて、その温もりを確認しすると、温かい心臓の力強い鼓動が規則正しく聴こえてくる。
俺のジョウだ。あの日俺の腕の中で冷たくなっていたのに、こうやってまた温もりを感じることが出来る日が来るなんて夢みたいだ。良かった。本当に良かった……
「知っている。全部伝わって来た。この月輪を通して、ヨウの気持ちは全部分かっていた」
「そうか……では俺の身に何が起きたか……お前はすべて知っているのだな」
キチは王命という権力を振りかざし、俺を何度も抱いた。
嫌々ながらも俺は応じるしかなかった。それが俺の生きる術だったというのは言い訳にしか過ぎない。抱かれながら俺はずっとジョウのことを考えていたから……伝わっていたんだ。
恥ずかしい。ジョウはこんな俺を汚いと思わないのか。
急にジョウに触れることが申し訳なく感じ、そっと躰を離そうとするとジョウの手が優しく阻止した。
「……ヨウ、そのことで自分を責めるのはよせ」
「だが……」
「責められるのは私自身の方だ。また……ヨウを助けられなかった。本当に不甲斐ない」
「ジョウ……お前は何も悪くない。命を懸けて俺を救ってくれた」
「そうだ……王様も無事治療を終え、完治されて帰国された」
「何、本当か。王様に会わせてくれ!何処にいる?」
トントンー
「ヨウ……そろそろ入っていい?」
すると扉を叩く音と共に、俺が慈しんできた幼い王の可愛い声が聞こえて来た。
「王様!」
扉が開くと健康そうに頬を上気させた王様がしっかりと立っていた。俺は王様に駆け寄り、腫瘍が出来ていた脚に触れてみると、もう跡形もなくなっていた。
「本当に治られたのですね」
「うん! 僕、凄く頑張ったよ」
ぎゅっと抱きしめると、王様も小さな手を背中にまわして俺にしがみついて来た。
「良かった……本当に良かった! 」
小さな命が失われずに済んで、本当に良かった。熱いものが込み上げて、視界が霞む。
「ふふっ、僕の近衛隊長のヨウだ。やっとまた会えた。向こうの洋はずいぶん可愛いお兄さんって感じだったけど、僕のヨウはやっぱり強くてかっこいいな」
「……可愛いお方でしたか。あちらの俺は? 」
「うん、とても可愛くて、綺麗な人だったよ」
「そうですか……」
「でも僕のヨウはやっぱりお前だ。ずっと傍にいて僕を守ってほしい。あとジョウと幸せになってほしい」
「なっ何をおっしゃるのですか」
「隠さないでいいよ。その……ジョウとヨウは亡き父上と母上のような恋人同士なのだろう?向こうの世界で、そういうのを理解できたよ。僕が認めるんだからもう隠さなくていいんだよ」
「王様……」
いつの間にこんなにも頼もしくなったのか。
王様が戻られたのならキチには王位を退いてもらわねばならぬ。元々行方不明の王様の代理でなったのだから。この幼き王様のことを守るためになら俺はなんでもする。全力で守ってみせる!
「ヨウ、ひと悶着ありそうだな」
カイもいつの間にか俺の部屋に入って来た。
「あぁ。キチが簡単に王位を手放すとは思えない。カイ、俺たちはこの王様を全力で守ろう」
「もちろんだ。ヨウ、良かったな。王様が戻られて」
俺はカイの真剣な眼差しを受けて、無言で頷いた。
腰の剣に手を掛け、覚悟を決めた。
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