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死者の尊厳などお構いなしの鬼たち
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目的の場所に着いたのは翌25日の午前2時ごろ。
それは車一台がやっと通れるほどの林道を進んだ先にあり、両脇はうっそうと茂る山林。
須弥代はタオルで目隠しをされており、小島ら男3人は外に出て道から7メートルほど奥に入った場所で懐中電灯を照らしながら死体を埋めるための穴を掘り始める。
そのころ、車中に待機していた龍造寺は「なんか最後にしてほしいことあったら言やーて」と須弥代に聞いた。
もうここまで来た以上、生かして帰すつもりがないことを隠す必要はないのだ。
すると、「お兄ちゃんの顔が見たいです。お兄ちゃんと一緒に埋めてください」と、弱々しく悲しい答えが返って来た。
金城ふ頭で海に飛び込もうとしたくらいだから、とっくに覚悟を決めていたのである。
だが、「あっそ」「もうええて、そういうの」と不良少女二人は冷淡だった。
一時間後、大人の男女を十分埋められるだけの穴かできた。
作業を終わって車まで戻って来た徳丸は須弥代に「最後の飯だで、食べや」と途中で買った握り飯と缶ジュースを渡す。
徳丸は三回も須弥代を犯したことから分かるとおり、自分勝手にもお気に入りにしていたらしい。
ここへ来るまでの車中でも自分の膝の上にのせていたりしていた。
嫌らしさがふんだんに混じったやさしさである。
それに対して須弥代は「私と一緒に埋めてください。天国でお兄ちゃんと食べます」と涙ながらに答え、改めて「お兄ちゃんの顔を見せてください」とお願いしてきた。
「見せたれ」
鬼の小島は鼻白みながらも徳丸に車のトランクを開けさせて昭善の死体を懐中電灯で照らすと、目隠しを外されてそれを見た須弥代は死体にすがりついて泣き始めた。
昭善の死体はまだ縛られたままだったので須弥代がそれをほどこうとしていたが、「勝手なことすなて!」と無情にも阻止されてしまう。
午前3時ごろ、小島は厳寒にもかかわらず須弥代を裸にして再びタオルで目隠し、掘った穴の前に座らせた。
この時、須弥代はずっと無抵抗でされるがままだった彼女らしからぬことを犯人たちに言っている。
「どうしてこんなひどいことするんですか?警察に捕まらないと思っているんですか?」これはきっと非道な犯人たちへ発した彼女なりに精一杯の抗議だったんだろう。
そして「やるなら、ひとおもいにやってください」と言った。
暴虐の限りを尽くされた結果、命乞いするほどの生きる気力はもう残っていなかったようだ。
小島と徳丸は昭善の時と同じように焼き切っておいたビニールひもを須弥代の首に二重に巻き付け、高志に懐中電灯で照らさせて互いに引っ張る。
須弥代は「やるならひとおもいに」と言っていたが、望み通りにはいかなかった。
ビニールひもが外れるなどのハプニングがあったりして苦しむ時間は昭善より長引くことになる。
しかも一回殺人をクリアしている小島と徳丸はすでに慣れてしまっており、「がぁぁぁぁ~げぇぇぇぇ~」と、若い女性が発しているとは思えないほどグロテスクなうめき声を上げて苦しむ須弥代の首を絞め続けながら「綱引きだぜ」と笑みすら浮かべて前回同様ふざけはじめ、高志にも「お前もやってみろや」とか言って余裕ですらあった。
殺人を一回犯して度胸がついたらしく、ただでさえ悪い奴らが余計に悪くなってしまっていたのである。
結局30分もかかって須弥代は死んだ。
殺してしまった後も犯行グループの悪ノリは止まらない。
誰が言い出したかは分からないが、穴に須弥代の死体を生前の願いどおり昭善の死体とともに入れた後、カップルの死体なんだからと、お互い抱き合っているような状態にしたのだ。
二人とも理不尽に命を奪われてなおも弄ばれたのである。
もはや人間として扱わなくてもよいほどの鬼畜ぶりである。
「へぼいお兄ちゃんと一緒に埋めてもらえてよかったな」「もう天国着いたかな?」「ハメ合ってるように埋めればよかったんちゃう?」「ハハハ!悪い女やな~」などとふざけたことを言い合い、全く悪びれていない。
午前3時30分、死体を埋め終わって落ち葉などをかけ、現場に遺留品が残っていないことを確かめた悪魔たちは現場を離れた。
それは車一台がやっと通れるほどの林道を進んだ先にあり、両脇はうっそうと茂る山林。
須弥代はタオルで目隠しをされており、小島ら男3人は外に出て道から7メートルほど奥に入った場所で懐中電灯を照らしながら死体を埋めるための穴を掘り始める。
そのころ、車中に待機していた龍造寺は「なんか最後にしてほしいことあったら言やーて」と須弥代に聞いた。
もうここまで来た以上、生かして帰すつもりがないことを隠す必要はないのだ。
すると、「お兄ちゃんの顔が見たいです。お兄ちゃんと一緒に埋めてください」と、弱々しく悲しい答えが返って来た。
金城ふ頭で海に飛び込もうとしたくらいだから、とっくに覚悟を決めていたのである。
だが、「あっそ」「もうええて、そういうの」と不良少女二人は冷淡だった。
一時間後、大人の男女を十分埋められるだけの穴かできた。
作業を終わって車まで戻って来た徳丸は須弥代に「最後の飯だで、食べや」と途中で買った握り飯と缶ジュースを渡す。
徳丸は三回も須弥代を犯したことから分かるとおり、自分勝手にもお気に入りにしていたらしい。
ここへ来るまでの車中でも自分の膝の上にのせていたりしていた。
嫌らしさがふんだんに混じったやさしさである。
それに対して須弥代は「私と一緒に埋めてください。天国でお兄ちゃんと食べます」と涙ながらに答え、改めて「お兄ちゃんの顔を見せてください」とお願いしてきた。
「見せたれ」
鬼の小島は鼻白みながらも徳丸に車のトランクを開けさせて昭善の死体を懐中電灯で照らすと、目隠しを外されてそれを見た須弥代は死体にすがりついて泣き始めた。
昭善の死体はまだ縛られたままだったので須弥代がそれをほどこうとしていたが、「勝手なことすなて!」と無情にも阻止されてしまう。
午前3時ごろ、小島は厳寒にもかかわらず須弥代を裸にして再びタオルで目隠し、掘った穴の前に座らせた。
この時、須弥代はずっと無抵抗でされるがままだった彼女らしからぬことを犯人たちに言っている。
「どうしてこんなひどいことするんですか?警察に捕まらないと思っているんですか?」これはきっと非道な犯人たちへ発した彼女なりに精一杯の抗議だったんだろう。
そして「やるなら、ひとおもいにやってください」と言った。
暴虐の限りを尽くされた結果、命乞いするほどの生きる気力はもう残っていなかったようだ。
小島と徳丸は昭善の時と同じように焼き切っておいたビニールひもを須弥代の首に二重に巻き付け、高志に懐中電灯で照らさせて互いに引っ張る。
須弥代は「やるならひとおもいに」と言っていたが、望み通りにはいかなかった。
ビニールひもが外れるなどのハプニングがあったりして苦しむ時間は昭善より長引くことになる。
しかも一回殺人をクリアしている小島と徳丸はすでに慣れてしまっており、「がぁぁぁぁ~げぇぇぇぇ~」と、若い女性が発しているとは思えないほどグロテスクなうめき声を上げて苦しむ須弥代の首を絞め続けながら「綱引きだぜ」と笑みすら浮かべて前回同様ふざけはじめ、高志にも「お前もやってみろや」とか言って余裕ですらあった。
殺人を一回犯して度胸がついたらしく、ただでさえ悪い奴らが余計に悪くなってしまっていたのである。
結局30分もかかって須弥代は死んだ。
殺してしまった後も犯行グループの悪ノリは止まらない。
誰が言い出したかは分からないが、穴に須弥代の死体を生前の願いどおり昭善の死体とともに入れた後、カップルの死体なんだからと、お互い抱き合っているような状態にしたのだ。
二人とも理不尽に命を奪われてなおも弄ばれたのである。
もはや人間として扱わなくてもよいほどの鬼畜ぶりである。
「へぼいお兄ちゃんと一緒に埋めてもらえてよかったな」「もう天国着いたかな?」「ハメ合ってるように埋めればよかったんちゃう?」「ハハハ!悪い女やな~」などとふざけたことを言い合い、全く悪びれていない。
午前3時30分、死体を埋め終わって落ち葉などをかけ、現場に遺留品が残っていないことを確かめた悪魔たちは現場を離れた。
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