BEAT’n UP！！

第二話

「まずはキホン中のキホン！この花に攻撃を当ててみろ！」
プレストはバッと振り向き、小さい花を指さした。
『？どういうことだ？』
俺は頭の中がハテナでいっぱいになったので、仕方がなく
「…プレスト、教えてくれ」
と頼んだ。するとプレストは待ってましたと言わんばかりに
「まあそうだろうとは思ったけどな！」
と言ってきた。
「そうだなぁ…どこからわからないか？」
「え…そりゃ、攻撃方法とかいろいろ」
「え？！そんなことまでわからないのかよ！」
「あたりめーだろ、まだ起きてから１０分くらいしか経ってねーよ！それではい攻撃しますとか分かったら逆に怖いだろ！」
「あ、そっか。お前『転生者』だもんな。」
急に我帰ったかのように話すプレストを見て、
『こいつバカなのか…？』
と疑い始めた。
「じゃあしょーがねーなあ、今回だけ特別に教えてやるよ」
「まず、『ミュージックゾーン』について知ってるか？」
「…いや、知らない」
「『ミュージックゾーン』っていうのはな、うーん、ざっくりいうと、お前が【相手の命を操れる】唯一の方法だ」
「命を…操れる？」
「そうさ！例えば木の実を取るときは生っている木に、家を建てるときには使用する木材とかに対して『ゾーンバトル』を挑むことができるんだ。その時に必要になるのが、お互いの『ミュージックゾーン』！」
「ちなみに『ゾーンバトル』に勝った場合のみ相手の行動や思考を思うように操れるようになるんだ！どうだ、すごいだろ？」
俺はごくりと唾をのんだ。え？そんな恐ろしい世界に転生してしまったのか？
「じ、自分が負けたらどうなるんだ…？」
「バトルにもよるけど、相手の要求に従わなくちゃいけなくなるぜ」
『うわ…やばいな』
そんなプレストはビビってる俺を見て、
「だーいじょうぶだって！まずこのプレスト様がついてれば間違いなく勝てるから！」
わはは、と笑いながら言った。
「はは…」
俺は苦笑いしかできなかった。
「よーし、じゃあ次はお前の『ミュージックゾーン』を作ってみろ！」
「自分で作るの？」
「おう！ただ１年に１回しか更新ができねーから気をつけろよな！」
「それはわかったけど…どうやって作るの？」
「ふっふっふ…よくぞ聞いてくれた！それはな、おいらとお前が通信すればできるぜ！」
「へえ～、じゃあ早速しようよ」
「んなっ…！…まあ、いいだろう。ほんじゃ、おいらの手とお前の親指をくっつけろ！」
言われるがままに、親指をプレストの手にくっつけた。
すると、ブォンッといいながら何かが開いた。
「使い方はまあ触ればわかる！さあ、お前の好きなように創ってみるといい！」
『なんかこのレーン、見覚えがあるな…まさか』
そう。そのまさかだった。
俺が前世でやりこんでいた音ゲーとそっくりだったのだ。
「えっと…これがタップで、これがフリック。これがスライドか」
「おっ、飲み込みはえーなぁ」
「ま、まあね」
『完全に音ゲーじゃねーか！！嘘だろ、もしかして…』
「…音ゲーで生き抜けってこと―？！」