王族の言葉は鉛より重い

Vitch

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『義妹』によって変わったこと

2026年3月2日
『王兄』に『元王太子』を追加しました。
最後の一行にルビを加えました。

――――――――――――――――――――――

 長期休暇を残す事1週間、僕は商会の王都支部へ戻った。
 王都を離れていた1ヶ月、その間に王都支店長が纏めてくれていた情報を見ると、色々な事が変わっていた。

 まず、ジェームス殿下が王太子でなくなった。

 この国では王族は平民と婚姻出来ず、また国王の正室になれるのは、伯爵家以上かつ爵位継承権保持者のみ、となっている。
 五十年くらい前は出来たらしいけど、当時の王兄(元王太子)と婚姻した平民が色々やらかしたらしく、身分のハッキリしている貴族でないと認められなくなったと。

 現在条件を満たす令嬢は、フォークライン公爵家のマリーナ嬢を除けば、軒並み婚約者がいる。殿下が婚約破棄した当時なら何人か婚約可能な令嬢が居たはずだけど……。この1か月で各家が対策したのかな。
 その為ジェームス殿下の派閥が混沌しているらしい。

 派閥は……
 最大手のジェームス王子派閥。
 側室殿下の第一子であるジェームス殿下を支持する派。フォークライン公爵家が筆頭。
 でも上記の理由で王位を継げなくなりそうで……上から下までてんやわんや。

 最小のジェイミー王女殿下派閥。
 ジェイミー王女はジェームスの双子の妹。
 王国法では王女も王位を継げるんだけど、女性即位に反対する有力貴族が多くて。
 そうそう、マリーナ嬢がこっちに入ったらしいけど……フォークライン公爵家はジェームス派じゃなかったかな?

 ……と思ったんだけど、その公爵がご逝去せいきょなされたと。
 階段を落ちたらしい。なんともおマヌケな最後だなぁ。

 そんな訳で、マリーナ嬢は公爵位を継ぐため、半月前から公爵領に帰っていると。その半月を含めて1年間休学する事となった。
 通常なら学び遅れで留年になるが、流石はマリーナ嬢、以前から教師陣に飛び級を提案されていた様で、1年後に復学しても留年は無いと。
 元貴族の従業員から聞いた話では、爵位継承に関する諸々もろもろの手続き等は半端なく多いらしい。1年で終わるなんて、彼女はやっぱり優秀なんだなぁ。

 ジェームス殿下はマリーナ嬢と再婚約を結ぼうとしたようだけど、「解消」ならまだしも「破棄」だから復縁は出来なかった。
 できたとしても、マリーナ嬢は公爵になるから、ジェームス殿下は 婿入りするしか王太子に戻れ無い んだよね。
感想 12

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