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25年前の過ち
隆斗の母、由美子side
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「なんで…なんであんたが父親なのよお!!
うああぁあぁあぁああぁあ」
幸子さんが、母親にしがみつきながら、実父である隆を罵倒し、泣き叫んでいた。
彼女の腹は隠せない程度に膨らんでおり、年明けの頃に産む事になるだろう。
間違いが無けれはその赤子は我が子隆斗の子供、私の孫となり、本来ならば諸手を挙げて喜ぶところだ。
しかし、隆斗の父親は幸子さんの父親でもある、隆だ。
――――――――――――――――――――――
26年前、俗に言うお嬢様学校の高等部に私は在学していた。
月に一度の外出許可日に彼……隆に出会った。
世間知らずで男知らずの私は、隆の口八丁に乗せられ、初対面でそのままベッドを共にした。今思えば、世間知らずにも程がある。
次の外出許可日に会おうと約束して、その日は別れた。約束の日に約束の場所に赴いても、彼は来なかった。
元々月のモノが不規則的で軽い事もあり、遅れていた事に気付かず、検査により出来ていた事が判明した頃には四ヶ月を過ぎており、既に降ろせなくなっていた。
学校を通して大学に問い合わせたが、その名前の人物は在学していないと返された。
従兄弟から、彼と同じ特徴を持つ男性を見つけたと連絡があり、その場所に行くと彼が居た。
彼にお腹の子の責任を問うたが、彼は知らぬ損ぜぬを貫き通し、逃げた。
その時彼の落とし物から大学が判明した。
その次の外出許可日にその大学に向かうと、彼は既に在学していなかった。
両親からも、従兄弟を含む親戚からも非難された。
すぐさま学校を辞めさせられ、家からも追い出された。
流石に外聞もあるのか、着の身着のままとはされず、アパートを借りる保証人と、半年分の生活費だけは出してくれた。
それを最後に連絡は取れていない。
半年とはいえ衣食住を得られたものの、箱入り故にお金の稼ぎ方も知らなかった私は、当時学院の生活指導員だった先生の助けが無ければ、半年を待たずに餓死していただろう。
その先生は当時から高齢だった事もあり、今はもう亡くなってはいるが……。
うああぁあぁあぁああぁあ」
幸子さんが、母親にしがみつきながら、実父である隆を罵倒し、泣き叫んでいた。
彼女の腹は隠せない程度に膨らんでおり、年明けの頃に産む事になるだろう。
間違いが無けれはその赤子は我が子隆斗の子供、私の孫となり、本来ならば諸手を挙げて喜ぶところだ。
しかし、隆斗の父親は幸子さんの父親でもある、隆だ。
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26年前、俗に言うお嬢様学校の高等部に私は在学していた。
月に一度の外出許可日に彼……隆に出会った。
世間知らずで男知らずの私は、隆の口八丁に乗せられ、初対面でそのままベッドを共にした。今思えば、世間知らずにも程がある。
次の外出許可日に会おうと約束して、その日は別れた。約束の日に約束の場所に赴いても、彼は来なかった。
元々月のモノが不規則的で軽い事もあり、遅れていた事に気付かず、検査により出来ていた事が判明した頃には四ヶ月を過ぎており、既に降ろせなくなっていた。
学校を通して大学に問い合わせたが、その名前の人物は在学していないと返された。
従兄弟から、彼と同じ特徴を持つ男性を見つけたと連絡があり、その場所に行くと彼が居た。
彼にお腹の子の責任を問うたが、彼は知らぬ損ぜぬを貫き通し、逃げた。
その時彼の落とし物から大学が判明した。
その次の外出許可日にその大学に向かうと、彼は既に在学していなかった。
両親からも、従兄弟を含む親戚からも非難された。
すぐさま学校を辞めさせられ、家からも追い出された。
流石に外聞もあるのか、着の身着のままとはされず、アパートを借りる保証人と、半年分の生活費だけは出してくれた。
それを最後に連絡は取れていない。
半年とはいえ衣食住を得られたものの、箱入り故にお金の稼ぎ方も知らなかった私は、当時学院の生活指導員だった先生の助けが無ければ、半年を待たずに餓死していただろう。
その先生は当時から高齢だった事もあり、今はもう亡くなってはいるが……。
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