偽勇者は救世主である。

Vitch

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追放された囮勇者

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 国王達による囮勇者デコイの追放を聞き、教皇を始めとする『囮勇者計画』のメンバーたちは焦った。
 囮勇者を筆頭に、剣士、魔道士、回復士たちとでパーティを組ませる予定だった。彼らは囮勇者を捜索しパーティと合流させようとしたが、見つからないまま数年が過ぎた。

 囮勇者の捜索と平行し、魔王軍に発覚しないことを祈りながら勇者を育成していた。

 勇者が下級の魔物を単独討伐出来るようになった頃、「勇者が魔王の配下を討伐している」という噂が流れた。

 彼らは希望を持った、囮勇者ヤミが生存しており、その役目を果たしていると。
 調査によると囮勇者 ~ 彼女はこの数年間、裏組織の助けを得て生き永らえていた。また、裏組織のメンバーと共に魔物討伐をしていると。

 裏社会の賢者と呼ばれる頭領は、本来王国が教えるはずだった闘い方をヤミに教えたという。

 教皇は国王に『囮勇者計画』を話し、裏組織を通して囮勇者ヤミを支援するよう申請した。裏組織とはいえ、魔王に人間社会を滅ぼされて困るのは同じ。宰相を含め反対はあったものの押し切った。
 しかし、いざ支援の準備が整った頃、裏組織の壊滅の報せと共に、再び囮勇者ヤミは行方知れずとなった。

 そして囮勇者ヤミが見つからないまま数年が経過し、勇者ヒカリは完成した。
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