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第一章 学園生活
第二十四話 『血呪纏装』
しおりを挟むさて、今ここで兄としての威厳を見せておかなくちゃいけないな。
「凉花は確か、解放までしか出来なかったよな?」
「何を言ってるの?解放以上のものなんてないでしょ?」
たしかに解放以上のものは存在しないとされている。
一般的には、なのだが。
実は、〝十二天翼〟、もとい魔刀だけは、もう一段階上の状態にすることができるのだ。
「実はできるんだよ。今日は禁じられてるから駄目だけど。まー、その代わりに、この新術式の全力で我慢してくれ。いくぞ?」
うー、ホントは『弐式』をすっ飛ばして『参式』を使うのは、身体に負担がかかりすぎるから嫌なんだけど、仕方ない。
『参式・禁忌〝殲血纏装〟』
すると、燐の手の傷から、あり得ないほどの血液が吹き出し、燐を包み込む。
そして、その血からどんどん深紅の装備が形成されていった。
大天使を想像させるような六枚の真っ赤な羽、その後ろには真っ赤な輪。さらに、燐の身体にピッタリと合った鎧。
「この状態は長くは維持できないんだ。だから凉花、悪いけどもう決めるな?」
それは、一瞬だった。
『殲血花葬』
血液を作り続け、無限に等しい血の剣を降らせ続ける。
それがこの『殲血花葬』なのだ。
凉花を倒した頃には、ステージ内が血の海と化していた。
『…しょ、勝者!!泡沫燐ー!!しかし、ステージ内は、泡沫燐の血で、血の海になっている!!』
【控え室】
ふー、キツかったな。
一試合目からハード過ぎだわ。
それからどんどん進んでいき、予選決勝まで上り詰めた。
「次の相手は澪姉だなー…。」
ぶっちゃけキツいとかそんなレベルじゃねぇ。
笑えないぐらい、厳しいし。
だって霊装と魔刀使えないし…。
だけど頑張んないと、あのバカ神にどやされるしさー。
くそが!!
「荒れていますね。」
背後から声をかけられた。
「…月詠か。絶望将であるお前が、こんなところに来て良いのか?」
すると、立っていた背の高い男は、語りかける。
「それは貴方も同じでしょう?堕天将。そもそも、貴方を知っているのは私と虚無将、憤怒将だけなのですよ?それなのに孤独将は勝手に飛び出して突っ込んでいってしまいましたし、それなりに私も大変だったんですよ?」
「お前らの仲間になったつもりはない。俺は、〝十二天翼〟だぞ?」
そうオレが言い放つと、男は笑いながら声だけを残して影へと消えていった。
『あなたがどう思おうと関係ないですよ。何故なら貴方はもう既に、堕天しているのだから。それではまた。』
たく、ここの結界は緩すぎやしないか??
そろそろ行こうと思ったその時、一番来てほしくなかった人物が入ってきたのだった。
「今の話…どう言うこと…?」
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