黒の陰陽師

文月くー

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第一章 学園生活

第二十五話 走り始めた亀裂

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「今の話…どう言うこと…?」

くそっ…!
沙耶か…!!
本当に今回ばかりはタイミングが悪い。
それに、いつもならば話してもいいけど、今回は事情が違いすぎるんだ。
これを沙耶が知ったら、まずいことになる。
間違いなく今までのようにはいられなくなるだろう。

「…別に良いだろ。なんでも。沙耶には関係ない…。」

「…関係ないって何…?!私は燐のこと、信じてたのに…!!」

と、出ていってしまった。

(ごめん沙耶。これだけは言えないんだ…。)

しかし、無情にも決勝戦が始まるのだった。


 【スタジアム】

『うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!これが初日の最終戦だぁぁぁぁ!!その対戦カードは!泡沫澪ー!! vs  泡沫燐ー!!またもや姉弟対決になった!!さぁ!その対戦ステージはぁ…『深海神殿』だぁぁ!!まさかの、深海神殿とは!圧倒的に泡沫姉に有利なステージであるが、泡沫弟は、大丈夫なのかぁぁ?!それでは始めぇぇぇ!!』



【深海神殿ステージ】


 ブクブクブク…。

流石にこのステージは嫌だな。
水の中なんて、圧倒的に不利だし。
俺は、術式を展開させる。
 
「ブクブクブク!!(滅水灼火!!)」

一瞬で身体を覆っていた水が

「…え?」  

そりゃ急に水がなくなったんだ。
驚くだろう。

「…澪姉。ちょっと急がなくちゃいけないからもう決めるね?」

燦々さんさん降り照らし迎え入れる。堕ちし者に見合うのはこれまた堕ちし者なり。混沌より生まれし禍に身を堕とせし我が身に宿るは堕天なり。かの力、今振るわん。」
鎖錠燦禍さじょうさんか

漆黒の鎖が澪に巻き付き意識を奪っていった。

『き、決まったー!!彼はいったい何者なんだぁぁぁぁぁぁ!!強すぎる!一瞬の戦いだった!!しかし、これで、本選に臨む一人目が決まった!本線でも頑張ってほしいところだ!……………』





【???】

「遅かったてすね。てっきり来ないのかと思ったくらいですよ。」

「ああ。もちろんお前らの会合には参加しない。俺がここに来たのは、出雲と依絆に用があっただけだ。」

男は悩んでいる仕草をしながら答える。

「…虚無将と憤怒将ですか。仕方ないですね。良いですよ。ただ、貴方が会合に参加するのが条件ですが良いですよね?

堕天将と呼ばれた男は、不機嫌そうに、

「…チッ。わかった。それでいい。」

と、渋々承諾したのだった。 






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