魔力ゼロの悪役令嬢が 最強の魔女になれたのは、優しい魔王さまの嫁だから

恋月 みりん

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23章

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23.章 やり返しかた



「一体、この瓦礫がれきの山は、どういう事態なの?」


そう言いながら、王太后メアリーがこちらにやって来る。



地面に倒れた、聖女ローレライを、カエルの礫死体れきしたいでもみるように見た。



「聖女というより、どうみても魔女ね」



「こんな女にたぶらかされて、カリナを断罪だんざいするなんて…」



「王太后メアリーさま!」


一部始終を見ていた、野次馬やじうまたちは、


急な王太后の登場に、驚きを隠せない。



どうやら、人が集まってきた。それを察し、魔王はスッと姿を消した。



「顔をみればどちらが、信用できるかわかるでしょうに。」


「わたくし、王太后メアリー•アルスラヌスの名にいて、カリナ•オルデウスにかけられた、冤罪えんざいを解きます!」


王太后メアリーは高らかに宣言する。


「王太后メアリー、この国の国母こくぼとして、わたくしは、未だ多くの国民にしたわれています。そして私が、まだこの国の主人のはずです。」


国王も王太子リアルも、この現場に連れてこられていた。


「王太子リアル、お前は王位継承権の剥奪はくだつを命じます。

しかるのち、弟のリアムが王位を継ぐでしょう。」


そう言われた、王太子リアルは、ガックリとうなだれた。


「クソっ…」


そう言ってこぶしをにぎった。



「それから、」


国王はぎくりとする。


「今まで、国王に預けていた、さまざまな、権威けんいは全て、一旦いったんわたくしに返していただきます。」


国王はそう言い渡されると、うなだれた。



そして、王太后メアリーはカリナに向き直る。


「カリナ、貴女にとても酷いことをしてしまいましたね。この国の王太后として謝らせて下さい。

この事態は、私の招いたもの。散財で国庫を枯渇こかつさせてしまった私の罪なのです。」


そう言って、カリナに謝罪した。


「ホントに後悔し尽くせないわ。とても弟の王太子に嫁いでくれとは、言えません。

でも貴女にも色々な事情があると思うけど、それらはこの国の王太后として全ての障害から守ります。

ですから、この国に末永くとどまっていただくことは出来ないかしら?」


カリナは首を振ると、申し訳無さそうに答えた。


「ごめんなさい。わたしは出て行きます。」



「そうですね。そう言うと思っていました。」


「わたくしは、また大事な人を失うのね。」


そして、カリナは気になっていた事を尋ねた。


「聖女ローレライはこれから、どうなるのですか?」


「この女の悪事はあとあと、調査して明らかにします。どうも3年前、養女になった素性すじょうの知れぬ、女のようです。」


「引き留めたく無いので、カリナこの辺でお別れをするわ。

わたくしと、お友達になってくれてありがとう。

貴女のような素晴らしい友は、もうこれから…老い先短い、わたくしには、現れないかもしれないわね。」


カリナも王太后メアリーと、別れの挨拶をした。もう会えない、別離べつりじょうとして2人はハグをして別れた。



後ろ髪をひかれつつ、カリナは魔王の待つ、街外れへ向かう。



本当に、約束の場所に…、魔王様はいるのだろうか?


『どうしよう…。』


カリナは急に不安になり、足早に向かう。


『…魔王様…わたしを置いていかないで…。


ひとりにしないで…


お願い…。』


カリナの息は上がり、髪は乱れ、街外まちはずれに続く小道を、一心に駆けていく。



街外まちはずれの小高い丘に、一本の木が立っている。

その下に、魔王は腕を組みつつ、カリナを待っていた。



一羽の白い鳩がふたりの後を追い、蒼穹そうきゅうの空に消えた。
 



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

あとがき


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


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