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第7話「十分だよ…!」
しおりを挟む勇者「こ、こんな所で劇をするのか…!」
一同は会場へ辿り着いた。
果てしなく大きい会場に勇者とリュカオンは驚愕する。
カクトン「ガッハッハ!どうだ、これなら発生練習も必要ってもんだ!」
リュカオン「確かにこれは凄い…!おい聞こえるか?会場内の声援が外まで聞こえるぜ!」
盛り上がりを見せる観客。
劇に対する熱い期待が膨らむ。
エジル「よし、まずは楽屋行くか!」
一同は会場の中へと入り、楽屋へと向かう。
緊張と不安。
しかしながら、観客の期待に少し心が踊る勇者とリュカオン。
ウツル「台本渡すぞ~。お前らのセリフはこれだ。」
勇者とリュカオンは忘れていた。
何も練習してなかった事を。
そして、緊張が一気に高まる。
カクトン「大丈夫だって!俺がしっかり指導してやる!それにウツルの照明とエジルの音響でしっかり盛り上げてやっから!」
ウツル「大まかなセリフと流れだけ頭に入れとけば何とかしてやるよ!」
勇者「ありがとうございます!頑張ります!」
頼もしい先輩のもと、勇者とリュカオンは苦労しながらも何とかセリフを覚える。
先輩3人衆の顔つきも昨日までとはまるで違う。
リュカオン「なんか懐かしいな。ダンジョン前みたいで。」
勇者「確かに。皆ピリピリしてたもんな。それぞれが自分の仕事に責任持って準備して…」
カクトン「おう。分かってんじゃねぇか。それだけ頼もしけれりゃ本番大丈夫だな。」
勇者「いやいや、カクトンさん達のおかげですよ。」
カクトン「何言ってんだ。俺達もお前らのおかげで劇がやれる…それだけで十分だよ…!」
勇者、リュカオン「カクトンさん…!」
エジル「おい、もうすぐ呼ばれるぞ!皆準備しろ!」
各々が本番に向けて準備する。
2人も勇者と町商人の衣装に着替え、気持ちが入る。
勇者「ちょっと装備は心許ないけど、割とちゃんとしてるんだなぁ。」
リュカオン「そりゃお前の装備に比べたら弱いだろうよ。あの人達が幻獣の装備とか持ってたら怖いだろ。」
勇者「確かに。てかリュカオンも町商人結構似合ってるよ。」
リュカオン「あんま嬉しくねぇよ。」
ウツル「よし時間だ!」
カクトン「行くぞ!」
一同「おぉー!」
勇者達の舞台が始まる。
凄まじい観客。
熱気と声援を打ち消すように辺りは暗転する。
勇者「勇者が立ち寄った賑やかな街…そこで出会ったとある男との物語…。」
語りから始まり、幕が上がる。
勇者「いやぁこの街は色んなものがあって楽しいなぁ!あ、こんな所に道具屋がある!入ってみよう!」
町商人「いらっしゃい。何かお探しですかい?」
町商人役のリュカオン。
老いぼれの爺の役柄である。
勇者「もうすぐ冒険に出るので何か回復アイテムなんかありますか?」
町商人「それならこの…」
その時だった…
「ガシャアアン!」
照明の機械を倒してしまったウツル。
ウツル「あわわ…」
「ぴゅーぴゅろぴゅろぴー」
勇者もリュカオンも、聞いた事のないSE
エジル「あわわ…」
2あわわの中…
勇者とリュカオンは窮地に立たされる。
勇者、リュカオン「あわわ…」
続く
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